クロスアカウントのVPCピアリングをCloudFormationで作成してみる

クロスアカウントのVPCピアリングをCloudFormationで作成してみる

Clock Icon2017.03.30

この記事は公開されてから1年以上経過しています。情報が古い可能性がありますので、ご注意ください。

こんにちわ。大阪の市田です。 先日、CloudFormationのアップデートがあり、新たにクロスアカウントのVPCピアリング作成がサポートされました。

下記でウォークスルーが公開されていますので、今回はこちらの内容を元に試してみたいと思います。

Walkthrough: Peer with an Amazon VPC in Another AWS Account

手順

事前にピアリングをリクエストするリクエスターと、リクエストを受けるアクセプターのAWSアカウントを用意しておきましょう。 ウォークスルーではCloudFormationのサンプルが記載されています。その内容は以下の通りです。

1つ目のCloudFormationをアクセプター側で実行すると、下記のリソースが作成されます。

  • 10.1.0.0/16のVPC
  • クロスアカウント用のIAMロール

テンプレートではアクセプター側のIAM Roleに「ec2:AcceptVpcPeeringConnection」の許可が入っているのが分かります。 下記はウォークスルーのページに記載されているサンプルのテンプレートです。

{
"AWSTemplateFormatVersion": "2010-09-09",
"Description": "Create a VPC and an assumable role for cross account VPC peering.",
"Parameters": {
"PeerRequesterAccountId": {
"Type": "String"
}
},
"Resources": {
"vpc": {
"Type": "AWS::EC2::VPC",
"Properties": {
"CidrBlock": "10.1.0.0/16",
"EnableDnsSupport": false,
"EnableDnsHostnames": false,
"InstanceTenancy": "default"
}
},
"peerRole": {
"Type": "AWS::IAM::Role",
"Properties": {
"AssumeRolePolicyDocument": {
"Statement": [
{
"Principal": {
"AWS": {
"Ref": "PeerRequesterAccountId"
}
},
"Action": [
"sts:AssumeRole"
],
"Effect": "Allow"
}
]
},
"Path": "/",
"Policies": [
{
"PolicyName": "root",
"PolicyDocument": {
"Version": "2012-10-17",
"Statement": [
{
"Effect": "Allow",
"Action": "ec2:AcceptVpcPeeringConnection",
"Resource": "*"
}
]
}
}
]
}
}
},
"Outputs": {
"VPCId": {
"Value": {
"Ref": "vpc"
}
},
"RoleARN": {
"Value": {
"Fn::GetAtt": [
"peerRole",
"Arn"
]
}
}
}
}

2つ目のCloudFormationでは、リクエスター側で下記のリソースが作成されます

  • 10.2.0.0/16のVPC
  • アクセプター側へのVPCピアリングリクエストとその承認

こちらも先程のページにあるサンプルテンプレートです。

{
"AWSTemplateFormatVersion": "2010-09-09",
"Description": "Create a VPC and a VPC Peering connection using the PeerRole to accept.",
"Parameters": {
"PeerVPCAccountId": {
"Type": "String"
},
"PeerVPCId": {
"Type": "String"
},
"PeerRoleArn": {
"Type": "String"
}
},
"Resources": {
"vpc": {
"Type": "AWS::EC2::VPC",
"Properties": {
"CidrBlock": "10.2.0.0/16",
"EnableDnsSupport": false,
"EnableDnsHostnames": false,
"InstanceTenancy": "default"
}
},
"vpcPeeringConnection": {
"Type": "AWS::EC2::VPCPeeringConnection",
"Properties": {
"VpcId": {
"Ref": "vpc"
},
"PeerVpcId": {
"Ref": "PeerVPCId"
},
"PeerOwnerId": {
"Ref": "PeerVPCAccountId"
},
"PeerRoleArn": {
"Ref": "PeerRoleArn"
}
}
}
},
"Outputs": {
"VPCId": {
"Value": {
"Ref": "vpc"
}
},
"VPCPeeringConnectionId": {
"Value": {
"Ref": "vpcPeeringConnection"
}
}
}
}

やってみた

それでは早速やってみます。

アクセプター側でやること

まず、アクセプター側のCloudFormationを実行します。パラメータの「PeerRequesterAccountId」 はリクエスト側のAWSアカウントIDを入力します。

01-requester-peering

作成はすぐに終わります。リクエスタ側に対するクロスアカウント用のIAM Roleが作成されています。

02-crossrole

「10.1.0.0/16」のVPCも作成されています。

03-reqvpc

リクエスター側でやること

次にリクエスター側でCloudFormaionを使って環境を作ります。パラメーターはそれぞれ下記のように指定します。

  • PeerRoleArn
  • 先程作成したアクセプター側のIAM RoleのARNを指定します。
  • PeerVPCAccountId
  • アクセプター側のAWSアカウントIDを指定します。
  • PeerVPCId
  • 先程作成したアクセプター側のVPC IDを指定します。

04-requestercfn

これでStackの作成が無事終了すると、VPCピアリングの接続が出来ています。

05-pcx

リクエスター側に「10.2.0.0/16」のVPCも出来ていますね。

06-requestervpc

プロパティ

これだけでは少し物足りないので、もう少し調べてみます。 今回のアップデートでは「VPCPeeringConnection」に2つのプロパティが追加されています。

プロバティ 意味
PeerVpcId 以前からあるプロパティ。アクセプター側のVPC ID
Tags 以前からあるプロパティ。リソースに対するタグ
VpcId 以前からあるプロパティ。リクエスター側のVPC ID
PeerOwnerId 新規追加。アクセプター側のAWSアカウントID
PeerRoleArn 新規追加。アクセプター側のピアリング用ロールのARN

最後に

VPCピアリングの設定自体は、手作業で行っても大したボリュームにはなりませんが、アクセプター、リクエスターのそれぞれでCloudFormation対応できるので、VPCピアリングをコード化できるようになりました。 機会があれば、是非ご利用下さい。

以上です。

Share this article

facebook logohatena logotwitter logo

© Classmethod, Inc. All rights reserved.