Vision OneにPrivate Offerを適用する方法をまとめてみた
こんにちは、シマです。
トレンドマイクロ社が提供しているVision Oneを弊社経由でご利用いただく場合、AWS Marketplaceを通じて特別なプラン「Private Offer」でご契約いただけます。
この記事では、Private OfferをVision Oneに適用する具体的な手順と、利用終了時の削除手順をまとめました。
Private Offerとは
Private OfferはAWS Marketplaceで提供される特別価格プランです。クラスメソッドがオファー元となることで、標準価格よりも良い条件でVision Oneをご利用いただけます。
Vision Oneの契約について
現時点(2025年10月)でのCloud Oneとの違いは以下の記事にまとめてありますのでご一読ください。
主に気を付けるべき点は以下の2点です。
- 1年後のライセンス更新を忘れないこと
- 途中でOfferの変更はできません。基本的にはライセンスの切れ目に実施いただく必要があります
途中でOfferの変更はできないため、本記事の手順は新規での契約を想定しております。
Private Offer 設定手順
1. AWS MarketplaceでVision Oneを表示
まず、AWS MarketplaceでVision Oneのページにアクセスします。
AWS Marketplace: Trend Vision One
製品情報ページの上部に表示される「購入オプションを表示」ボタンをクリックしてください。

2. AWSアカウントへログイン
ログイン画面が表示されますので、サブスクリプションを設定するAWSアカウントでログインします。

3. Private Offerを選択
「Trend Vision One をサブスクライブ」画面が表示されたら、「オファータイプ」で「プライベートオファー」を選択します。クラスメソッド提供のPrivate Offerの場合、「オファー元」に「Classmethod, Inc.」と表示されます。

複数のオファーが表示されている場合は、「オファーの延長(Offer extended)」の日付が最新のものを選択してください。

4. ディメンションとユニットを設定
「ディメンション」から「Vision One credits」を選択し、「ユニット構成」が「1」になっていることを確認します。
従量課金制を利用するには、最低1 Creditsの購入が必要です。従量課金以外にCreditsを購入したい場合は、ここでユニット数を変更してください。

5. サブスクライブを実行
「購入の詳細」で、合計契約コストが想定通りであることを確認します。1 Credits購入の場合、その金額が表示されます。
問題なければ「サブスクライブ」ボタンをクリックします。

6. Vision Oneとの関連付け
サブスクライブ完了後、少し待ってから「アカウントを設定」ボタンをクリックします。

Vision Oneの画面で、「続行」ボタンをクリックします。

「私の組織はプライマリユーザアカウントを登録してあります」を選択します。

ログイン画面に遷移しますので、サブスクリプションを関連付けするVision One環境のプライマリユーザアカウントでログインしてください。プライマリユーザアカウントは、初期設定でVision One環境を作成(払い出し)したユーザーです。


表示された内容に間違いがないことを確認して、チェックをつけて「有効化」ボタンをクリックします。

以下のように購入したCreditsが正常に割り当てられていることが確認できました。

「Credits & Billing」から従量課金タブをクリックすると正常にAWSアカウントIDが表示されており、従量課金への切替も可能な状態になっていることが確認できます。

AWSとの連携手順
Vision One Endpoint Security (Server and Workload Protection、以降V1ES) で、EC2インスタンスタイプごとの正しい料金を適用するには、AWSアカウントとの連携が必要です。
すでに連携済みの場合は改めて実施する必要はありません。また、Cloud One Workload Securityからの移行の場合は、AWSとの連携手順は移行手順の中で実施するため、こちらの作業は不要です。
1. Product Instanceの作成
Product Instanceがまだ存在しない場合は、新規作成します。
Vision Oneコンソールの左ペインから「Service Management」→「Product Instance」を選択し、「製品インスタンスを作成」ボタンをクリックします。

インスタンスタイプに「Server & Workload Protection」を選択し、表示名には任意の名前を入力します。地域は「Japan」を選択してください。
設定完了後、「保存」ボタンをクリックします。

しばらく待つと、ステータスが「接続済み」に変わります。

2. Cloud AccountsでAWSアカウントを追加
Vision Oneコンソールで「Cloud Security」→「Cloud Accounts」にアクセスし、「AWS」タブから「アカウントを追加」ボタンをクリックします。

デプロイメント方法が「CloudFormation」、アカウントを選択してオンボードが「単一のAWSアカウント」になっていることを確認して、「次へ」をクリックします。

3. アカウント情報と機能を設定
アカウント名にはVision One画面上で表示される任意の名前を入力し、連携するリージョンを選択します。Product Instanceには、先ほど作成したインスタンスが選択されていることを確認してください。
設定完了後、「次へ」をクリックします。

利用する機能を有効化します。V1ESのみを利用する場合は「Core Features and Cyber Risk Exposure Management」を選択してください。
設定したら「次へ」をクリックし、「スタックを起動」ボタンをクリックします。


4. CloudFormationスタックを作成
AWS CloudFormationの画面に遷移します。リージョンが想定したものになっていることを確認してください。
パラメータはデフォルトのままで、最下部のチェックボックス(IAMリソース作成の承認)にチェックを入れて、「スタックの作成」ボタンをクリックします。

スタック作成が完了したら、Vision Oneコンソール画面に戻り、「終了」ボタンをクリックします。AWSアカウントが表示されれば、連携完了です。


5. V1ESでインスタンスを確認
AWSとの連携が完了すると、V1ES管理画面の「コンピュータ」にAWSで管理しているEC2インスタンスが一覧表示されます。
ステータスが「非管理対象」となっているインスタンスは課金対象外です。表示されない場合は、少し時間をおいてから再度確認してください。

6. 従量課金へ切り替え
Vision Oneの初期状態では、すべての機能がCreditsでの利用形式になっており、従量課金(Pay As You Go)になっていません。
従量課金で利用したい場合は、Vision Oneコンソール上で請求モデルを切り替える必要があります。詳しい手順は下記のブログをご参照ください。
利用終了時の削除手順
検証終了やサービス利用を停止する場合の削除作業をご案内します。
1. CloudFormationスタックの削除
AWS管理コンソールでCloudFormationの画面を開きます。
「Vision-One-Cloud-Account-Management」という名称のスタックを見つけて削除します。

2. Vision OneからAWS連携を削除
Vision Oneコンソールで「Cloud Security」→「Cloud Accounts」にアクセスします。
表示されているAWSアカウントにチェックを入れて、「削除」ボタンをクリックします。

3. AWS MarketplaceとVision Oneの関連付け解除やオファーの変更
サブスクリプションの関連付け解除やオファーの変更には、トレンドマイクロ社のサポートデスクへの問い合わせが必要です。下記のページを参照して問い合わせを行ってください。
4. Vision Oneビジネスアカウントの削除
Vision Oneビジネスアカウントは手動で即時削除できません。ライセンスの有効期限が切れると、30日間の猶予期間を経てすべてのデータが自動的に削除されます。
即時削除が必要な場合は、上記のトレンドマイクロ社サポートデスクへ問い合わせてください。
まとめ
この記事では、Vision OneをAWS MarketplaceのPrivate Offerで利用する際の設定手順と、利用終了時の削除手順を紹介しました。
Private Offerを利用することで、標準価格よりも良い条件でVision Oneを導入できます。AWSアカウントとの連携により、EC2インスタンスの適切な課金管理も実現できます。
本記事がどなたかのお役に立てれば幸いです。







