![[セッションレポート]What’s new in BigQuery #GoogleCloudNext](https://images.ctfassets.net/ct0aopd36mqt/mfvnpH15PsVPOaNIwYZ33/4e17c25441441bdd9f44672815983fd3/eyechatch_googlecloudnext25.png)
[セッションレポート]What’s new in BigQuery #GoogleCloudNext
昨日より 2025/4/9-11 の 3日間の日程で Google Cloud Next '25 がラスベガスで開催されています!今回の記事ではBigQueryの新機能(一部機能はすでにリリース済み)について発表されるセッションWhat’s new in BigQuery
についてのセッションレポートをお届けします。
セッション概要
本セッションでは、BigQuery を中心とした最新の AI・データ統合プラットフォームの進化と、企業における実践的な活用事例が紹介されました。
また、後半では BigQuery の新機能や、Mattel 社による導入事例が詳細に解説されました。
BigQuery による「Autonomous Data to AI」プラットフォームの実現
BigQuery は、データエンジニア、データサイエンティスト、アナリストの業務を支援する「自律型」AI プラットフォームへと進化しています。
データガバナンス、処理エンジン、AI、BI を統合し、リアルタイムでの意思決定を可能にする環境を提供しています。
Gemini による生成 AI 体験を統合することで、SQL や Python のコード補完、データ準備、分析支援などがシームレスに行えるようになりました。
Mattel 社の事例紹介:AI による消費者フィードバック分析の自動化
Mattel 社では、BigQuery と Gemini を活用し、製品レビューや SNS 投稿などの非構造化データを自動で分類・分析する仕組みを構築されました。
従来は四半期ごとに手作業で行っていたレポート作成を、BigQuery ML による ETL パイプラインで自動化し、作業時間を 1 ヶ月から 1分へと大幅に短縮されました。
20 万件以上のレビューを処理し、ブランド横断での比較や品質問題の早期発見を実現されています。
Python や Vertex AI Studio も試行された結果、BigQuery ML が最もスケーラブルかつ保守性に優れていたとのことです。
Gemini による JSON 出力を BigQuery の JSON 関数でパースし、分析に活用されています。
BigQuery データ準備(BigQuery Data Preparation) GA
※すでにリリース済みの機能となります。
Gemini によるコード生成、データ準備、SQL 翻訳(例:Teradata → BigQuery)などの支援機能がGAとなりました。
4つのデータエージェント(AI エージェント)が発表されました
Google Cloud は、BigQuery を中心とした「データから AI への自律的な流れ(Autonomous Data to AI)」を実現するために、生成 AI(Gemini)を活用した「データエージェント(Data Agents)」の開発を進めています。
これらのエージェントは、ユーザーの役割や目的に応じて、データの準備・分析・可視化・モデリング・ガバナンスといった一連の作業を支援・自動化する AI アシスタントです。
- データエージェントの目的:
- 専門的なスキルがなくても、あらゆる職種のユーザーが高度なデータ処理・分析を行えるようにする
- データ準備から AI モデルの構築・運用、可視化、ガバナンスまでを一貫して支援
- Gemini による自然言語対話で、ユーザーの意図を理解し、最適な処理フローやコードを自動生成
データエンジニアリングエージェント(Data Engineering Agent) Roadmap
- 対象:データエンジニア
- 主な機能:ETL/ELT 処理の自動化、スキーマ検出、Dataform 連携、エラー検出、パフォーマンス改善提案など
データガバナンスエージェント(Data Governance Agent) Roadmap
- 対象:データ管理者、セキュリティ担当者
- 主な機能:データモデル設計支援、品質監視、分類とポリシー適用、リネージ可視化、Universal Catalog 連携
データサイエンスエージェント(Data Science Agent) Roadmap
- 対象:データサイエンティスト
- 主な機能:モデル構築支援、トレーニング、評価、デプロイ、BigQuery ML / Vertex AI 連携、ノートブック支援
ビジネスユーザー向けエージェント(Conversational Agent for Business Users) GA
※すでにリリース済みの機能となります。
- 対象:非技術系ユーザー(マーケティング、営業、経営層など)
- 主な機能:自然言語での質問に対する SQL 自動生成と可視化、Looker やアプリへの埋め込み、Gemini による文脈理解
AI Query Engine(AI クエリエンジン) Roadmap
- 構造化・非構造化データを単一の SQL で分析可能
- Gemini の推論をクエリプランに組み込み、意味的な検索や自然言語処理を実現
- 例:「上位100顧客の苦情内容を要約して抽出」
BigQuery ML
- 時系列予測(One-shot Forecast)
- 異常検知と要因分析の自動化
- Gemini による JSON 出力の自動パース(JSON 関数不要)
Vector Search の強化
- 高速・低コストな ScaNN インデックス
- Vertex AI Search との同期
- パーティションテーブル対応による高速化とコスト削減
VS Code や Jupyter との連携
BigQuery Studio では、SQL/Python/PySparkを統合したノートブック環境が提供され、VS Code や Jupyter との連携も可能になると語られました。
Universal Catalog(Dataplex Catalog)
※すでにリリース済みの機能となります。
Universal Catalog (Dataplex Catalog)により、構造化・非構造化・マルチモーダルデータのメタデータを一元管理可能に。データの発見性、再利用性、ガバナンスを強化します。
その他、マネージドDRがGAになったこと・Iceberg テーブルのネイティブサポート・Serverless Spark の統合・BigQuery Spend Commit(費用ベースの確約利用割引)による統合課金モデルの導入について触れられました。
おわりに
本セッションでは、BigQuery が「AI ネイティブな統合データプラットフォーム」へと進化していることが明確に示されました。
生成 AI「Gemini」との統合、マルチモーダルデータ対応、データエージェントの導入、ML・Vector Search の強化など、データ活用の未来を切り拓く数々の機能が発表されました。
特に Mattel 社の事例は、実際の業務課題に対して AI をどのように適用し、ビジネス価値を創出するかの好例であり、他企業にとっても非常に参考になる内容でした。
今後、BigQueryはSQLを使える人だけが活用できるというツールではなく「誰もがAIを使いこなせる」時代の中核を担うプラットフォームとして、さらに進化していくことが期待されます。