[セッションレポート]Automate data pipelines with AI agents in BigQuery

[セッションレポート]Automate data pipelines with AI agents in BigQuery

Clock Icon2025.04.28

セッション概要

本セッションでは、Google Cloudで開発中の「Data Engineering Agent(データエンジニアリングエージェント)」を中心に、データパイプラインの構築・管理・運用を自動化・効率化するための最新技術が紹介されました。データエンジニアリングエージェントを活用することで、従来開発者が手作業で行っていたデータ準備やパイプラインの修正、トラブルシューティングなどの作業を大幅に削減し、データエンジニアの生産性を向上させることが可能になります。

■ 登壇者:
Michael Kilberry, Terence Yim, Matthew lames

データエンジニアリングエージェントの主な機能

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セッションで紹介されたデータエンジニアリングエージェントの主な機能は以下です。

  • 自然言語によるパイプライン構築
    • ユーザーが「このデータをクレンジングして、別のテーブルと結合して保存して」といった自然言語で指示を出すと、エージェントが自動的にパイプラインを構築します。
  • 既存パイプラインの学習と再利用
    • 既存のパイプラインを解析し、その構造やビジネスルールを学習。類似のパイプラインを大量に自動生成できます。
  • CLI/APIによる操作
    • コマンドラインやAPI経由でも操作可能。プログラム的にパイプラインを管理・生成できます。
  • トラブルシューティング支援
    • パイプラインの失敗原因を自動で分析し、修正案を提示。影響を受ける他のパイプラインも特定可能。
  • スケーラブルなパイプライン生成
    • 例えば、20のベンダーサイトから同じ形式のデータを取得する必要がある場合、1つのテンプレートから20のパイプラインを自動生成可能。
  • データ品質チェックと監視
    • パイプラインの出力に対して品質ルールを適用し、ダッシュボードでモニタリング可能。

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データエンジニアリングエージェントは、現在のデータエンジニアリングにおける以下のような課題を解決することを目的としているようです。

  • データエンジニアリングのボトルネック
    • 手作業でエラーが発生しやすいパイプライン
    • コーディング、デバッグ、修正に費やされる時間の浪費
    • 専門知識が分断され、イテレーションが遅い
    • パイプラインの構築や変更には専門的なスキルが必要
    • リアクティブなトラブルシューティング
    • 問題がビジネスに影響を与えた後に発見される

データエンジニアリングエージェントのデモ

実際のデモではデータエンジニアリングエージェントがGoogle Cloudのコンソールで、

  • 自然言語によるパイプライン構築
  • CLIによる操作
  • トラブルシューティング
    などが示されました。

自然言語によるパイプライン構築では、データエンジニアリングエージェントに自然言語で指示を出して、BigQueryパイプラインがエージェントにより構築されるデモが示されました。
https://cloud.google.com/bigquery/docs/pipelines-introduction?hl=ja
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エージェントが生成したSQLも画面で確認可能となっています。SQLはパイプ構文となっていました。
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https://cloud.google.com/bigquery/docs/reference/standard-sql/pipe-syntax

パイプラインのトラブルシューティングと最適化では、データエンジニアリングエージェントがパイプラインの障害に対して診断を行い修正案の提案、そして修正したパイプラインの作成まで行うことができる様子が示されました。
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所感

今回のセッションでは、データエンジニアリング領域におけるボトルネックと、それに対する新たなAIエージェントを用いたアプローチについて深く理解することができました。
特に印象的だったのは、従来のデータパイプライン運用における課題が明確に整理されていた点です。手作業によるパイプライン構築・修正の煩雑さ、エラー発生時のログ・コードの手動精査、専門知識の属人化によるイテレーションの遅延、そして問題発生後に初めて対応する「リアクティブ」なトラブルシューティング体制など、我々データエンジニアが現場で日常的に直面している課題が的確に指摘されていました。

これに対して、データエンジニアリングエージェントを活用することで、以下のような大きな改善が期待できることが示されました。

  • パイプライン障害の診断と修正案の自動提示
  • 新規パイプライン作成支援による開発スピードの向上
  • パフォーマンスやデータ品質に関する潜在的な問題の事前検知と警告
  • トラブル発生前の予防的な対応(プロアクティブな運用)

これにより、データエンジニアリング業務の効率化だけでなく、ビジネスへの影響を最小限に抑えることが可能になると感じました。
データエンジニアリングエージェントとは、データエンジニアリングの現場における「作業の自動化」と「知識の民主化」を推進するための重要な一歩であり、今後の実装・展開に大きな期待を抱かせる内容でした。

データエンジニアリングエージェントは、今後のデータ基盤運用のあり方を大きく変える可能性を秘めており、今後の進化と実運用事例に注目していきたいと感じました。

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