[アップデート] Amazon Redshift Serverless の最小ベースキャパシティが8RPUから4RPUに削減されました!

[アップデート] Amazon Redshift Serverless の最小ベースキャパシティが8RPUから4RPUに削減されました!

Clock Icon2025.07.01

Amazon Redshift Serverlessの最小ベースキャパシティが8RPUから4RPUに削減され、これまで以上に小規模なデータウェアハウスや低負荷なワークロードにもRedshift Serverlessを手軽に導入できるようになりました。RPU(Redshift Processing Unit)の概要や、4RPU構成の特徴、コスト比較、用途ごとのベースキャパシティの選び方、さらに既存のRedshift Provisioned Clusterからの移行メリットについてもご紹介します。

https://aws.amazon.com/jp/about-aws/whats-new/2025/06/amazon-redshift-serverless-4-rpu-capacity-option/

※ 上記のブログの中で、"$1.50 per hour"とありますが、執筆時点(2025年7月1日)では、オレゴン(us-west-1)やオハイオ(us-east-2)は $1.44/hour、東京リージョン(ap-northeast-1)は $1.976/hourとなります。

Amazon Redshift Serverless の RPUとは

RPUは、Redshift Processing Unitの略です。Amazon Redshift Serverlessは、データウェアハウスのコンピューティング容量をRPUという数値で指定します。そして、RPU時間で実行するワークロードの期間に対して1秒ごとに料金を支払います。

ベースキャパシティが 4RPU の Redshift Serverless

従来は、Redshift Serverlessを実行するために必要な最小基本容量は8RPUでした。新しいベースキャパシティの最小値が4RPUに引き下げられたことによって、より小規模のデータウェアハウスとしてRedshift Serverlessが利用できるようになりました。

4 RPUの基本容量を備えたRedshift Serverlessは、小規模または負荷の低いワークロード向けの構成です。以下の制限を超える必要がある場合は、ベースキャパシティを手動で増やす必要があります。

  • 最大 32 TB の Redshift 管理ストレージ
  • テーブルあたり最大100カラム
  • 64 GBのメモリ(16GB x 4RPU )

どのように指定するのか?

Base RPU capacityを「4」に設定するだけです。

20250701-amazon-redshift-rpu-4-1

コストの比較

  • 1日平均3時間利用した場合を想定する
  • RPUは4から4単位で拡張可能
  • RPUの課金は最低60秒の秒単位の実行時間で算出
  • ストレージの利用費は、RTM(Redshift Managed Storage)の利用費が別途追加になる(ほぼ、S3の料金と同等)

8RPUの場合

  • 8RPU(Redshift Processing Unit)
    • 仮想CPU数:非公開
    • メモリサイズ:16GB/RPU(合計128GB)
    • I/O速度:非公開
    • 1RPUあたりの料金:$0.494/時
  • 合計料金(東京リージョンで1日3時間利用した場合)
    • RPU:0.494USドル/時 * 8RPU * 実行3時間 * 30日 = 355.68USドル/月
    • 総計:355.68USドル/月

4RPUの場合(New!)

  • 4RPU(Redshift Processing Unit)
    • 仮想CPU数:非公開
    • メモリサイズ:16GB/RPU(合計64GB)
    • I/O速度:非公開
    • 1RPUあたりの料金:$0.494/時
  • 合計料金(東京リージョンで1日3時間利用した場合)
    • RPU:0.494USドル/時 * 4RPU * 実行3時間 * 30日 = 177.84USドル/月
    • 総計:177.84USドル/月

ベースキャパシティのRPUサイズの違い

ベースキャパシティのRPUサイズは、Redshift Serverlessの計算リソースの段階的な設定値であり、用途やデータ規模、パフォーマンス要件に応じて選択します。

https://docs.aws.amazon.com/redshift/latest/mgmt/serverless-capacity.html

ベースキャパシティのRPUサイズによって、用途や制限事項が異なります。

RPU 用途・特徴 管理ストレージ容量上限 備考
4 RPU 小規模・低負荷なワークロード向け。コスト重視。 テーブルは最大100カラム。 最大32 TB 4は4RPU単位で増減可
8~24 RPU 中小規模ワークロード向け。 Vacuum boost利用可。 最大128 TB 8以上は8RPU単位で増減可
32 ~504 RPU 128 TB超のデータや高い同時実行性・多カラムテーブル等、より大規模・高負荷な用途向け。 128 TB超に対応 同上
512 RPU以上 非常に大規模・複雑なワークロード向け。特定リージョンでは1024 RPUまで拡張可。 同上 同上

Redshift Provisioned Cluster(dc2.large)からの移行にも最適

Redshift Serverless(4RPU)とRedshift Provisioned Cluster の dc2.largeの比較してみます。4RPUの場合、1日平均8時間利用を想定すると、$474.24/月です。最小のプロビジョンドクラスタのdc2.large(2ノードクラスタ)の$460/月と比較しても、移行先として有力候補となりそうです。しかも、最大ストレージサイズが約50倍になり、Redshift Serverlessの最新の機能が利用できるようになります。

  • Amazon Redshift Serverless(4RPU)の場合
    • $474.24/月(1日平均8時間利用、利用した時間帯のみの課金
    • 最大ストレージサイズが32 TB
  • Amazon Redshift Provisioned Cluster の dc2.large(2ノード)
    • $460/月(1日平均8時間利用)
    • 最大ストレージサイズが640GB

最後に

今回のアップデートにより、Amazon Redshift Serverlessは4RPUから利用できるようになり、コストを大幅に抑えつつ、Redshiftを利用できる選択肢が広がりました。小規模なデータ分析や開発用途、またはコストを重視した運用を検討しているユーザーにとって、より柔軟で使いやすいサービスとなったと言えるでしょう。ストレージとコンピューティングが分離された Amazon Redshift Serverlessは、Amazon Redshift Provisioned Cluster(dc2.large)からの移行にも最適な選択肢として検討していただけたら幸いです。

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