
Trend Vision Oneを従量課金で使う方法について
はじめに
こんにちは、シマです。
Trend Vision Oneを利用する際、ライセンス体系で悩んだことはありませんか?Vision OneにはAWS Marketplaceで契約する場合、「Credits」と「従量課金(Pay-as-You-Go)」の2種類の課金体系があります。今回は、Creditsから従量課金契約への切り替え方法と、どちらの方がおすすめなのかを紹介します。
Vision Oneの2つの課金体系
Credits型ライセンス
Credits型は、事前に必要なライセンス数を購入するライセンスモデルです。年間契約が基本で、利用量が明確に予測できる環境では有効ですが、次のような課題があります。
- AWS環境のスケーラビリティと相性が良くない
- 過剰購入や不足のリスクがある
- ライセンス管理が手動で煩雑
従量課金(Pay-as-You-Go)型
一方、従量課金型は実際の利用量に基づいて課金される仕組みです。AWS Marketplaceから簡単に契約でき、次のようなメリットがあります。
- 利用した分だけの支払いで無駄がない
- AWS請求と統合されて管理が簡単
- 自動スケーリングに対応
- 初期投資を抑えられる
従量課金がAWSユーザーにおすすめな理由
AWSでは「使った分だけ支払う」という基本原則が浸透しています。EC2やLambdaなどのサービスと同様に、Vision Oneも従量課金で利用することで、クラウドネイティブな運用が実現できます。
さらに、Creditsではリソースの増減に伴って、Vision OneコンソールでCreditsの割り当てによるライセンスの運用管理も必要です。
※File Security Storageの例
しかし、従量課金ならエージェントの追加や削除に応じて自動的に課金とライセンスが調整されます。手動でのライセンス割り当てや、不足時の追加購入手続きが不要になるのは大きなメリットです。
利用する機能によっては、従量課金とCreditsでのコストに差が生じる場合があります。コスト比較をする際は、単純な料金比較だけでなく、他の要素も考慮することが重要です。
- ライセンス管理にかかる人的コスト
- 過剰購入や不足による損失
- 請求処理の簡素化による業務効率化
これらの点を考慮すると、多くのケースで従量課金の方がメリットが大きいと言えます。
注意事項
従量課金対応機能の確認
Vision Oneのすべての機能が従量課金に対応しているわけではありません。利用を検討している機能が従量課金で利用可能かどうか、事前に確認する必要があります。
従量課金に対応しているか確認する際は、Trend Microの公式ドキュメントで最新の対応状況を確認してください。従量課金に対応していない機能はCreditsでの購入が必要になります。
契約に関する制限事項
2025年9月時点では、料金は従量課金になっても、契約に関してVision OneはCloud Oneほどの柔軟性がありません。以前の記事「Cloud OneとVision OneのMarketplaceにおける契約・ライセンス管理の違いを理解しよう」で解説した注意点も確認してください。特に年間契約になる点や、解約にはサポート問い合わせが必要である点には注意が必要です。
Vision Oneで従量課金を有効化する手順
AWS Marketplaceでの契約とアカウント連携が完了した後に、Vision Oneの各機能で従量課金を有効化する手順を見ていきましょう。
これからご契約をお考えの方は、ご契約前に弊社窓口にご相談ください。
※2025年9月時点では前述の制限事項があるため、既にご契約をされた状態からでは次の契約更新のタイミングにならないと契約内容の更新ができません。
前提条件
- AWS Marketplaceでサブスクライブが完了していること
- Vision OneアカウントとAWS Marketplaceの連携が完了していること
- Trend Vision OneのPrimary User Account権限を持っていること
※ AWS Marketplaceでの契約とアカウント連携手順については、別記事で詳しくご紹介予定です。
各機能での従量課金への切り替え
Trend Vision Oneコンソールへログインし、左ペインから「Administration」→「Credits & Billing」を選択し、「従量課金」タブから現在の課金モデルを確認することができます。「請求モデルを管理」ボタンをクリックし、表示される確認画面で「確認」ボタンをクリックすると、従量課金に切り替わります。
各機能の課金モデルを従量課金に切り替える際は、注意点があります。
- 機能ごとに個別に切り替え設定が必要です
- Endpoint Securityは有効化する機能・モジュールによって課金が変動します
- 一度変更すると30日間は再変更できません
まとめ
Trend Vision Oneの従量課金は、AWSでの利用と非常に相性が良い課金モデルです。
AWS Marketplaceを活用した従量課金への移行により、セキュリティ運用の効率化とコスト最適化を同時に実現できます。まずは現在の利用状況を確認し、従量課金への移行メリットを検討してみてはいかがでしょうか。
本記事がどなたかのお役に立てれば幸いです。