2019/12に大規模ハッカーコングレス36C3@ドイツに参加しました

2020.05.06

こんにちは、Classmethod Europeのモナです。少し前の話ですが、2019年末の休み中にドイツのライプツィヒで行われた36番目のカオス・コミュニケーション・コングレス(36C3)に参加しました。なかなか印象的なイベントだったので紹介したいと思います!

カオス・コミュニケーション・コングレスとは

ヨーロッパ最大のハッカー集団であるカオス・コンピューター・クラブによって1984年から毎年開催されるカンファレンスです。2019年は約17000人の参加者が4日間も、24/7でライプツィヒ・メッセに集まりました。

2019年のテーマは「Resource Exhaustion」(リソース枯渇)でしたが、意味としてDoS攻撃だけでなく、気候変動を含めて、持続可能性が意識されています。

大きく分けると、多数の講演とワークショップがイベントのメインですが、テーブルに座ってイベントネットワークの半端ない帯域幅を使って何らかの開発やハッキングすることももちろん大きな部分です。

大大大人気のイベントのため、チケットを手に入ることがなかなか大変です。前売りが始まる前から画面をジーと見て、始まった瞬間に現れたリンクをすぐにクリックすれば、待ちリストに入れられます。2、3秒内にクリックしても何千位になることが割と普通にあります。チケッツ数が当然限定なので、待ちリストに入っただけで買えるとは限りません。チケットショップまで行けたとしたら、2枚まで買うことができます。前売りが三回なので、1回目でダメだったらまだチャンスがあります!ちなみに4日間のイベントですが、値段が140ユーロ(約1万6千円)でしたが、個人の財布に合わせてフレキシブルで、30ユーロ(約5000円)から販売されます。

チケットの値段にライプツィヒ市内の公共交通機関を利用できる切符が含めてます。はい、イベントの4日間はバスやトラムや地下鉄などが全て乗り放題です!私はホテル↔︎会場の間しか使わなかったのですが、なかなかいいですね。ちなみに会場が24時間空いているのですが、普段だったら帰るのが少し大変or高いと思いますが、深夜でもいつでも帰れるようにトラムは特別にそのイベントのためだけに深夜運営しています。

特徴

人が映る写真を撮ってはいけないので、本当の雰囲気を味わうには現地に行くしかありませんが、なんとなく雰囲気が伝わるように頑張って書いていきます!

別の世界感

会場は、日差しが入るエントランスなど以外はハッカーっぽくて暗いです。LEDなど、色んな光ってるものがあるし、周りをちゃんと見ることができますが、日中、夜中関係なく暗いです。それと、24/7やり続けるから、時間感覚をかなり失います、、、一緒に参加した友人が「昨日」と「今日」に新しい定義をつけたくらいです 笑

今から24時間前までは「昨日」、今から24時間先は「今日」という。

また、会場が非常に、非常に広いので、LED付きのスクーターか何かの乗り物で会場を走る人が多いです。動いてるソファなど、少し変わった自作のモノもあって本当に面白いです!笑

時間感覚ロスもあり、完全に別の世界に来たかという気持ちになるので、普段の生活の基準が少し忘れてしまう恐れがあるということで、イベントの間に依頼されているのは

  • 6時間の睡眠
  • 2回の食事
  • 一回のシャワー

6-2-1ルール(36C3 Wikiより)

なお、特に睡眠のことが守られないことがよくあります、、、(私も平均で4時間程度かな?)

まとめとして、「中の世界」と「外の世界」という感じになると言えます。最終日に帰るときに、駅をスクーターで走って駅員に注意されるなど、まだ「外の世界」に辿り着いていない人を何人か見かけました。確かに私も、ホテルを出た時以外に自然光をほとんど見なかったので、少し慣れが必要でした。

コミュニティー感

スタッフというスタッフが実は、あまりいません!"Angel"(「天使」)というボランティアがほとんどのことを手伝う構成になっています。誰でもAngelとして登録できますし、決まった時間数の作業を達成したら翌年のチケットのクーポンがもらえたりするので楽しい思い出ができるだけではなくて、メリットもたくさんあります。やることは、ある程度のスキルが必要な作業もあれば、基本的に誰でもできる作業も豊富です。

36C3 Wikiより:

Angels are the heart and soul of every congress. Since there is a lot of work to do 24/7 we need help day and night on various tasks ranging from audio angels over entrance angels to wellness angels. Please check the list below. Pro tip: Night shifts are not as hectic as day shifts and often come along with some sort of network access.

また、私が感じたのは、誰でもウェルカム文化であることです。多種多様な人が集まるイベントですから、会場がもちろんバリアフリーになっているし、多少のユニセックストイレ(男女だけでなく、全てのジェンダー対応のもの)もありますし、自閉症スペクトラムの人たちのための「レスキューサービス」まであるのって、誰でもウェルカム文化の範囲がわかりますね。

会場内に誰でも自分らしく自由に生きられるように、上記の通り人が映る写真を撮ってはいけません。撮るなら、映る人の許可を必ずもらわないとダメです。そんなこともあって、安全感がかなり強いと思います。

知らない人とでもコミュニケーションができるように、無線電話の手配があって、欲しい人だけに貸与されます。特にたくさんのAngelが利用する気がしましたが、例えば自分の友人がチェス相手の募集に使いました。匿名で、イベントの間限定の電話番号なのであまり心配しなくていいですね。

知らない人同士でも気軽に話できる雰囲気なので、人と知り合うことも普段よりは簡単という印象で、お互い気を使う前提でいることが好きでした。

プログラム

大きく分けると、事前に決まっているメインプログラムと参加者による立ち上げられるプログラムになってます。はい、プログラムの多くはその場で作られるわけですよ!

メインプログラム

メインプログラムだけでも162 (!) のセッションになります。プログラムは以下の8つのテーマに分類されています。

  • アートと文化
  • CCC
  • エンターテインメント
  • 倫理、社会、政治
  • ハードウェアとメイキング
  • 回復力と継続性
  • 科学
  • セキュリティ

講演場がいくつかありまうが、大きなホールが5つです。その中で一番大きいホールに5000人まで入ります!すごく人気のあるセッションだとそれでも満席になってしまい、入りたい人が全員入れないことがあります、、、が、メインセッションのほとんどが録画されてボランティアチームにより通訳された上で公開されます。CCCのメディアライブラリー、またはYoutubeで観ることができます。生中継でストリーミングされるセッションも多いです!

なお、ドイツで行われるイベントですが、たくさんの国から参加する人がいるので多くのセッションが最初から英語です。スピーカーももちろん、ドイツに限らず全世界からいらっしゃいます。スピーカーと言えば、やっぱりすごくダイバーシティのある方々がいらっしゃいますが、その中で、個人的な一つのハイライトとして、なんとEdward Snowden氏の講演もありました!ロシア住居のSnowden氏がリモートで人権について語ってくださいました。

参加者によるSelf Organized Sessions

メインセッションが豊富にもかかわらず、あれだけ広い会場をそれだけで埋めることができません。むしろ、コミュニティよりのあらゆるセッションもプログラムの大きな部分になっているためそのためのスペースも必要だからこそあれだけ広い会場を使っているわけです。コミュニティよりのセッションというのは、参加者が立ち上げるワークショップや講演などであり、空いてる部屋and時間帯さえあれば誰でもself organized sessionを開くことができます。

その、最初からプログラムが決まってるわけじゃなくて、会期中でもバンバンプログラムが増えることもカオス・コミュニケーション・コングレスの特徴の一つであると言えます。しかも、ほんっっっとに何でもあります:

  • Linuxカーネル開発者が何でも答える
  • 編み物のワークショップ
  • 数学話
  • 日本語の勉強方法
  • 太陽系の惑星について
  • P≠NP予想
  • たくさんのハンズオン(git入門、ハンダゴテetc.)
  • などなど

当然スケジュールが変わりつつあり、変更をなるべくリアルタイムで知らないとちょっともったいないですね。そのために専用アプリでアップデートがもらえます!メインセッション並びに、ホール・部屋ごとに時間表を見たり、興味のあるセッションをお気に入り登録したり、色々できます。ものすごく助かります、、、

プログラムスケジュールの専用アプリ

プログラムスケジュールの専用アプリ

その他

講演やワークショップの他に、せっかくのハッカーカンファレンスですから、テーブルやベンチや静かコーナーやソファやクッションなどなどに座って、パソコンに夢中になることでしょう!チーム(アセンブリ)として登録して参加すれば、テーブルやネットワークアクセスが用意されているスペースを予約できます。そのスペースは、アセンブリの人数や予想しているプログラムによって合わされます。

会場内のネットワークが言うまでもなくデカいです。wifiアクセスポイントや、アセンブリ用のコーナーなどにアクセススイッチが多数用意されていて、300GBのアップリンク帯域幅が好きなだけ利用できます。インフラ好きの私が最終日のインフラ情報まとめの話でかなりワクワクしました。アクセススイッチが300台だって〜〜〜〜〜 (それでも物足りないそうです)

まとめ

非常に質の高い、必ず印象に残るイベントです。最初から最後までのオーガナイゼーションがトップレベルに間違いないと思います。トラブルが起こった場合でも何らかの対応であまり目立たないのが私の印象でした。ちなみに外注は基本的になしです、CCCが自分でできることは自分でやる、ということで、ネットワーク構築からトラックの運転まで全てがインハウスです!

4日間24時間も同じ趣味の人と集まり、すごく楽しい環境にいるのは年末にちょうどいい時間の過ごし方ですね。メインプログラムの気になるセッションを全て見ることがなかなかできないですが、録画されてるので新年までゆっくり家で見直せばいいわけで最高ですね。