Jグランツ(補助金電子申請システム)のMCPサーバーがデジタル庁により公開されていたので使ってみよう

Jグランツ(補助金電子申請システム)のMCPサーバーがデジタル庁により公開されていたので使ってみよう

2025.10.27

デジタル庁は自身が運用する補助金電子申請システム「Jグランツ」のAPIをMCPでラップし、LLMから利用可能にしてくれました。

https://digital-gov.note.jp/n/n09dfb9fa4e8e

このMCPサーバーを利用すると、LLM(Claudeなど)を通じて、自然言語によるJグランツの補助金検索や参照が可能になります。

上記の記事では

  • 実装内容の紹介
  • 設計上の考え方

も書かれていて、自分で実装する時も参考になるかと思うので目を通しておくと良いでしょうね。

使ってみる

Streamable HTTPを利用したリモートMCP サーバーとして実装を行っている とのことなので、このサーバーをローカルPCにデプロイして使っていきます。

このJグランツMCPサーバーは、FastMCPフレームワークを使って実装されています。
FastMCPのHTTPトランスポートは、MCPサーバーをWebサービスとして公開する仕組みです。

ローカルPCで起動

https://github.com/digital-go-jp/jgrants-mcp-server

Githubで公開されているので、ここを参考にして起動します。

Python 3.11以上、pip (Pythonパッケージマネージャー)が必要となっています。

  1. 初期セットアップ
# リポジトリのクローン
git clone https://github.com/digital-go-jp/jgrants-mcp-server.git
cd jgrants-mcp-server

# Python仮想環境の作成
python -m venv venv

# 仮想環境の有効化
# macOS/Linux:
source venv/bin/activate
# Windows:
# venv\Scripts\activate

# 依存パッケージのインストール
pip install -r requirements.txt
  1. 環境変数
    オプションですが、以下の環境変数を設定できます。
  • JGRANTS_FILES_DIR
    • 添付ファイル保存ディレクトリ
  • API_BASE_URL
    • JグランツAPIエンドポイント

例)

export JGRANTS_FILES_DIR=/tmp/jgrants_files
  1. サーバを起動

HTTPサーバーとして起動します。

python -m jgrants_mcp_server.core

起動に成功すると

スクリーンショット 2025-10-27 15.25.49

エンドポイントは http://localhost:8000/mcp もしくは http://127.0.0.1:8000/mcp

トランスポートは Streamable HTTP

Streamable HTTPの特徴

  • ネットワーク経由でアクセス可能: URLを通じてMCPサーバーに接続できます
  • 複数クライアントの同時接続: 1つのサーバープロセスで複数のクライアントを処理できます
  • 双方向通信: クライアントとサーバー間で完全な双方向通信が可能で、ストリーミングレスポンスにも対応しています

従来のSTDIOトランスポート(クライアントごとに別プロセスが起動)と異なり、
HTTPトランスポートは1つのサーバーで複数のユーザーからの接続を効率的に処理できるため、
ネットワーク経由での利用に適しています。

FastMCPのHTTP Transport (Streamable)ドキュメント

Claude Codeに追加

以下のコマンドを実行し、Claude Codeから使用できるようにします。

claude mcp add --transport http jgrants-mcp-server http://127.0.0.1:8000/mcp

claudeを起動し、MCPサーバーが追加されているか確認します。

スクリーンショット 2025-10-27 15.56.12

/mcp を実行すると、追加したjgrants-mcp-serverが接続されていました。

スクリーンショット 2025-10-27 15.55.00

サーバーのログにもこのように接続されたことが残っていますね

ツールの参照

/mcpで追加したjgrants-mcp-serverを選択すると、そのMCPサーバーで使えるメニューが表示されます。

スクリーンショット 2025-10-27 15.57.58

1. View tools を選択すると実装されているツール一覧が見れます。

スクリーンショット 2025-10-27 15.59.16

  • search_subsidies(補助金を検索します。キーワード、業種、地域、従業員数などで絞り込み可能。)
  • get_subsidy_detail(補助金の詳細情報を取得し、添付ファイルをローカルに保存します。)
  • get_subsidy_overview(補助金の統計情報を取得します(締切期間別、金額規模別の集計)。)
  • get_file_content(保存済みの添付ファイルの内容を取得します。)
  • ping(サーバーの疎通確認を行います。)

各ツールの詳細な説明は

利用可能なツール を参照してください。

使ってみる

Claude codeから色々検索してみます。

  • 最新のJグランツ上の補助金を教えて

スクリーンショット 2025-10-27 16.07.43

スクリーンショット 2025-10-27 16.08.28

みやすく整形されて表示されますね。

  • 従業員20名の宮崎県の建築業で、金額1000万円以内、今月中に締切りの補助金はある?

スクリーンショット 2025-10-27 17.17.44

見つからない場合も代替案を提示してくれる。

  • ものづくり補助金の申請用紙はある?

申請用紙などを調べることも可能そうです。

スクリーンショット 2025-10-27 17.21.02


こういった行政の情報をさくっと調べられるのは便利ですね。
申請もMCPサーバーでできるようになる未来も来るかもしれんね。

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