Amazon Corretto 2026年9月版の内容とバージョンの見分け方を確認してみた

Amazon Corretto 2026年9月版の内容とバージョンの見分け方を確認してみた

Amazon Corretto 2026年9月版が8月版に続きリリースされました。CHANGELOG に CVE の記載はなく、タイムゾーンデータの更新と、一部バージョンのバグ修正が中心でした。ビルド番号で8月版と9月版を判別できます。
2026.10.04

はじめに

2026-10-01 に AWS の What's New で「Amazon Corretto 8 September 2026 Patch Updates」が投稿されました。

https://aws.amazon.com/jp/about-aws/whats-new/2026/09/amazon-corretto-8-sept-2026-updates/

7月の四半期アップデートと8月の初回 CSPU(Critical Security Patch Updates)は、それぞれ次の記事で扱っています。

https://dev.classmethod.jp/articles/amazon-corretto-july-2026-quarterly-updates-download-verification/

https://dev.classmethod.jp/articles/amazon-corretto-august-2026-security-updates/

この記事では、9月のパッチの中身、手元のランタイムが9月版かどうかの見分け方、tzdata の更新で時刻が変わる地域と日本への影響を確認しました。

9月のパッチの内容

What's New が取り上げているのは、Corretto 8(8u504)だけです。本文には、tzdata 2026d の更新が含まれると書かれています。9月のタイトルは「Patch Updates」で、6バージョンを対象として挙げた8月の「Critical Security Patch Updates」とは位置づけが異なります。

CHANGELOG を見ると、9月は 8 のほかに 11 / 17 / 21 / 25 / 27 もリリースされています。

バージョン ビルド 日付 内容
8 8.504.04.1 9/29 tzdata 2026c / 2026d、AL2023 向け GUI 修正2件
11 11.0.32.12.1 9/29 tzdata 2026c / 2026d、macOS の Info.plist、AL2023 向け GUI 修正
17 17.0.20.12.1 9/25 tzdata 2026c / 2026d、macOS の Info.plist
21 21.0.12.12.1 9/25 tzdata 2026c / 2026d、macOS の java_home の表示
25 25.0.4.10.1 9/29 tzdata 2026c / 2026d、JDK-8390874(メモリリーク、全プラットフォーム)、macOS の Info.plist
27 27.0.0.35.1 9/15 jdk-27+35、tzdata 2026c、JDK-8390874(メモリリーク、全プラットフォーム)

9月分は、どのバージョンにも CVE の記載がありませんでした。中心は tzdata の取り込みです。CVE 対応に伴うセキュリティ設定の変更がないことを確認するため、21 と 25 について、8月版と9月版の java -XshowSettings:security -version を比較しました。差分は、Runtime Environment と Server VM のビルド表記の2行だけでした。

9月版かどうかの見分け方

java -version のビルド番号で見分ける

java -version の1行目は、8月版と9月版で同じです。public.ecr.aws/amazoncorretto/amazoncorretto:21(2026-10-01 作成、arm64)の9月版では、次のように出ました。

openjdk version "21.0.12.1" 2026-08-18 LTS
OpenJDK Runtime Environment Corretto-21.0.12.12.1 (build 21.0.12.1+12-LTS)
OpenJDK 64-Bit Server VM Corretto-21.0.12.12.1 (build 21.0.12.1+12-LTS, mixed mode, sharing)

日付が 2026-08-18 のままなので、確認するのは2行目のビルド番号です。8 は、1行目が "1.8.0_504" で日付は表示されず、8月版と9月版のどちらも 8u504 なので、同じく2行目のビルド番号で区別します。

tar.gz を展開して実行したときの java -version の2行目と、ZoneRulesProvider が返した tzdata のバージョンは次のとおりです。

バージョン 8月版 9月版 8月版の tzdata 9月版の tzdata
8 8.504.01.1(b01) 8.504.04.1(b04) 2026b 2026d
11 11.0.32.10.1 11.0.32.12.1 2026b 2026d
17 17.0.20.10.1 17.0.20.12.1 2026b 2026d
21 21.0.12.9.1 21.0.12.12.1 2026b 2026d
25 25.0.4.8.1 25.0.4.10.1 2026b 2026d

27 の9月版は、1行目が "27" 2026-09-15、ビルドは 27.0.0.35.1(build 27+35-FR)、tzdata は 2026c です。

11 / 17 / 21 / 25 / 27 では、$JAVA_HOME/release の IMPLEMENTOR_VERSION にも同じビルド番号が出ます。21 の9月版は IMPLEMENTOR_VERSION="Corretto-21.0.12.12.1"、8月版は Corretto-21.0.12.9.1 でした。8 の release には JAVA_VERSION="1.8.0_504" と JAVA_HOME がありますが、IMPLEMENTOR_VERSION はありません。8 は java -version で確認します。

ビルド番号の対応表が手元にない場合は、実行中の JVM が持つ tzdata のバージョンを直接読む方法もあります。次のコードを TzVersion.java として保存し、javac TzVersion.java でコンパイルして java TzVersion で実行します。8 を含む全バージョンで動作しました。

import java.time.zone.ZoneRulesProvider;

public class TzVersion {
    public static void main(String[] args) {
        System.out.println("tzdb versions (Asia/Tokyo): " + ZoneRulesProvider.getVersions("Asia/Tokyo").keySet());
        System.out.println("zone id count: " + ZoneRulesProvider.getAvailableZoneIds().size());
    }
}

21 の9月版の出力です。

tzdb versions (Asia/Tokyo): [2026d]
zone id count: 604

取得経路ごとの違い

取得経路によっては、まだ9月版になっていません。次の表は、2026-10-04 07:14〜07:17 に取得した結果です。動作確認は aarch64 の Linux で行いました。

取得経路 8 11 17 21 25 27
downloads/latest の tar.gz 9月版(8.504.04.1) 9月版(11.0.32.12.1) 9月版(17.0.20.12.1) 9月版(21.0.12.12.1) 9月版(25.0.4.10.1) 27.0.0.35.1
ECR Public のタグ(8、11 など) 8月版(8.504.01.1、tzdata 2026b) 9月版 9月版 9月版 9月版 27.0.0.35.1
AL2023 標準リポジトリの最新 rpm(ECR Public の 21 のイメージ内で dnf で問い合わせ) 8月版(1.8.0_504.b01-1.amzn2023) 8月版(11.0.32+10-1.amzn2023) 8月版(17.0.20+10-1.amzn2023.1) 8月版(21.0.12+9-1.amzn2023.1) 8月版(25.0.4+8-1.amzn2023.1) 未確認
Corretto の yum リポジトリ(yum.corretto.aws)の最新 rpm 9月版(1.8.0_504.b04-1) 9月版(11.0.32.12-1) 9月版(17.0.20.12-1) 9月版(21.0.12.12-1) 9月版(25.0.4.10-1) 27.0.0.35-1

ECR Public の 8 タグが指す Corretto 8 は、What's New が唯一取り上げたバージョンですが、2026-10-01T09:54:23Z 作成のイメージの中身は8月版でした。

openjdk version "1.8.0_504"
OpenJDK Runtime Environment Corretto-8.504.01.1 (build 1.8.0_504-b01)
OpenJDK 64-Bit Server VM Corretto-8.504.01.1 (build 25.504-b01, mixed mode)

11 / 17 / 21 / 25 / 27 のイメージも 2026-10-01 に作成されたものです。

ECR Public の 21 のイメージ内では、AL2023 標準リポジトリの最新は、8 / 11 / 17 / 21 / 25 のいずれも8月版でした。同じイメージにインストール済みの 21 の rpm は、9月版の 21.0.12+12-1.amzn2023.1 でした。Corretto の yum リポジトリでは、同じ9月版が 21.0.12.12-1 と表記されていました。経路によって rpm のバージョン表記が異なります。

Corretto の yum リポジトリを追加した使い捨てコンテナでは、8 の java-1.8.0-amazon-corretto-devel パッケージ(1.8.0_504.b04-1)をインストールできました。java -version は Corretto-8.504.04.1 (build 1.8.0_504-b04) と出ました。

What's New には、Linux では Corretto の Apt / Yum / Apk リポジトリからも更新を取得できると書かれています。Corretto の yum リポジトリからは9月版を取得できましたが、現時点では、ECR Public の 8 タグと、上記の AL2023 標準リポジトリからは取得できません。

tzdata の更新による影響

時刻が変わる地域

IANA tz の変更内容は、次の一次ソースで確認できます。

https://raw.githubusercontent.com/eggert/tz/main/NEWS

  • モロッコ(2026c、2026-07-08 公開): 2026-09-20 から恒久的に +00 です。
  • アルバータ(2026c): 2026-06-18 から恒久的に -06(CST)になり、2026-11-01 に予定されていた時計の巻き戻しは行われません。
  • ノースウェスト準州(2026d、2026-09-11 公開): 2026-08-21 から恒久的に -06(CST)になり、2026-11-01 の巻き戻しも行われません。影響する zone は America/Inuvik です。準州内のその他の地域は America/Edmonton の規則に従うため、2026c で反映済みです。

2026d には、コロンビア(1992-05-02)とイラン(1979-05-26)の過去の遷移時刻の変更と、EST5EDT 系の互換名の変更も含まれます。

後述の ZoneCheck.java を、8月版の 21(tzdata 2026b)、9月版の 21(2026d)、9月版の 27(2026c)のそれぞれで実行しました。オフセットは次のとおりです。各値は、表の日付の UTC 12:00 時点のオフセットです。Z は +00:00 です。

zone 日付 8月版 21(2026b) 9月版 21(2026d) 9月版 27(2026c)
Africa/Casablanca 2026-10-01 +01:00 Z Z
America/Edmonton 2026-11-02 -07:00 -06:00 -06:00
America/Inuvik 2026-11-02 -07:00 -06:00 -07:00
America/Winnipeg 2026-11-02 -06:00 -06:00 -06:00

Africa/Casablanca は、2027-01-15 でも、8月版の 21 が +01:00、9月版の 21 と 27 が Z でした。

America/Inuvik だけは、9月版の 21 と 27 で結果が分かれています。27 の tzdata は 2026c なので、2026d で入ったノースウェスト準州の変更は、9月版の 27 にはまだ反映されていません。

2026e(2026-09-29 公開)には、マニトバが 2026-10-31 に恒久的に -05 へ移る変更が入っています。Winnipeg は、9月版の 21 と 27 のどちらも 2026-11-02 に -06:00 のままでした。2026e は9月版に入っていません。

ZoneCheck.java

ZoneCheck.java として保存し、javac ZoneCheck.java でコンパイルして java ZoneCheck で実行します。

import java.time.Instant;
import java.time.ZoneId;
import java.time.ZoneOffset;
import java.time.format.TextStyle;
import java.util.Locale;
import java.time.zone.ZoneRulesProvider;

public class ZoneCheck {
    static final String[] ZONES = {
        "Asia/Tokyo", "Africa/Casablanca", "America/Edmonton", "America/Inuvik", "America/Winnipeg"
    };
    static final String[] INSTANTS = {
        "2026-10-01T12:00:00Z", "2026-11-02T12:00:00Z", "2027-01-15T12:00:00Z"
    };

    public static void main(String[] args) {
        System.out.println("tzdb " + ZoneRulesProvider.getVersions("Asia/Tokyo").keySet());
        for (String z : ZONES) {
            ZoneId id = ZoneId.of(z);
            StringBuilder sb = new StringBuilder(String.format("%-18s", z));
            for (String s : INSTANTS) {
                ZoneOffset off = id.getRules().getOffset(Instant.parse(s));
                sb.append(String.format("  %s=%s", s.substring(0, 10), off));
            }
            System.out.println(sb);
        }
    }
}

日本は変わらない

ZoneCheck.java の3つの日付(2026-10-01、2026-11-02、2027-01-15)で、Asia/Tokyo のオフセットはすべて +09:00 でした。8月版の 21、9月版の 21、9月版の 27 で、同じ結果でした。

8月版の 21(tzdata 2026b)と9月版の 21(2026d)について、全 604 zone id の getTransitions() と getTransitionRules() を出力して突き合わせました。Asia/Tokyo の行は同一でした。差分が出たのは次の 13 zone で、日本の zone は含まれません。

Africa/Casablanca、Africa/El_Aaiun、America/Bogota、America/Edmonton、America/Inuvik、America/Yellowknife、Asia/Tehran、CST6CDT、Canada/Mountain、EST5EDT、Iran、MST7MDT、PST8PDT

まとめ

Amazon Corretto の2026年9月のパッチ(8・11・17・21・25)は、CHANGELOG に CVE の記載がなく、tzdata 2026c / 2026d の取り込みが中心でした。
java -version の1行目は8月版と同じでしたが、2行目のビルド番号で9月版かどうかを確認できました。

日本の時刻だけを扱うアプリには、tzdata の差分による影響はありません。21 で比較した範囲では、Asia/Tokyo の規則が8月版と9月版で同一だったためです。
変更が入った地域に拠点やユーザーがある場合は、影響を確認いただくことをおすすめします。

CVE の記載はありませんでしたが、25 と 27 には、全プラットフォーム対象のメモリリーク修正(JDK-8390874)が入っています。
9月版を導入するかどうかは、まず java -version のビルド番号で現在の版を確認し、8月版以前であれば修正内容を見て判断することをおすすめします。

この記事をシェアする

AWSのお困り事はクラスメソッドへ

関連記事