Amazon Elastic VMware Service が東京を含むリージョンでパブリックプレビューになりました

Amazon Elastic VMware Service が東京を含むリージョンでパブリックプレビューになりました

仮想マシン300台〜の中規模環境にオススメ。レガシーOSを多く抱える環境や、オンプレミス管理を離れたい企業向け

こんにちは、クラウド事業本部 コンサルティング部の荒平(@eiraces)です。

2024年の11月末頃、Amazon Elastic VMware Service(Amazon EVS)が発表され、界隈を賑やかした頃から約半年、パブリックプレビューのステージに移行しました!

東京リージョンでもプレビュー提供が開始されているので、気になる方は多いはず。ちなみに、プレビュー中は非本番環境での利用を呼びかけていますので、まずは検証をお勧めします。

https://dev.classmethod.jp/articles/preview-amazon-elastic-vmware-service/

https://aws.amazon.com/jp/blogs/news/announcing-the-public-preview-of-amazon-elastic-vmware-service-amazon-evs/

パブリックプレビュー時点での制限

  • ホスト数
    • 最小4台 〜 最大16台
  • インスタンスタイプ
    • i4i.metal のみ
  • バージョン
    • VCF 5.2.1
  • パブリックプレビュー対象リージョン
    • us-east-1, us-east-2, us-west-2, ap-northeast-1, eu-central-1
  • 備考
    • VMware by Broadcom または、認定リセラーから購入した VCF ライセンスを持ち込む必要があります

パブリックプレビュー時点での料金

Amazon EVSのパブリックプレビュー時点の料金は以下の通り、 Amazon EVSコントロールプレーン+Amazon EC2 (i4i.metal) × 4ホスト+VPC Route Server × 2+VMware Cloud Foundation の構成となっています。

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最新の料金は以下を参照してください。

https://aws.amazon.com/jp/evs/pricing/

オンデマンドで利用する企業は少数派でしょうから、例えば1年間の利用料金で計算すると以下のようになります。(上記価格ページ例1)

項目 数量 1ヶ月あたりの総使用時間 単価 金額
Amazon EVS コントロールプレーン 4 2920 $0.92 /h $2686.4
Amazon EC2 インスタンス (i4i.metal) 4 2920 $7.13 /h $20,819.6
VPC Route Server 2 1460 $0.20 /h $292.0
【合計】AWS利用費 - - - $23798.0

為替にもよりますが、1ドル=150円とすると年額で4000万と少しと言ったところ。スペックを考えると妥当な気がします。

なお、上記に加えて、VMware Cloud Foundation(VCF)ライセンスを持っていなければ購入する必要があります。
このライセンス料金に関してはBroadcom社までお問い合わせください。

設定画面

デプロイ直前の画面まで進むことができましたので、スクリーンショットと共に確認してみます。

サービスクォータの申請

まずは、Amazon EVSを利用するためにはAWSサポートプランの加入、そしてホスト台数のクォータを上限解除する必要があります。
「クォータの引き上げをリクエスト」ボタンをクリックします。

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おそらくすべてのアカウントで許可されたホスト台数はデフォルトで0になっているので、アカウントレベルでの引き上げをリクエストします。

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最小4台のため、4を代入して申請をします。申請は数日〜数週間かかる場合があります。

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環境作成

Amazon EVS環境の作成画面を確認してみます。

Broadcomから提供されたサイトID, VCFソリューションキー, vSANライセンスキーが必要です。
VCFのバージョンはプレビュー時点では5.2.1のみをサポートしています。

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仮想ホストを4台以上追加します。指定可能なのはホスト名、SSHキーペアです。
(インスタンスタイプはグレーアウトしているので今は選べないようですが…今後に期待です)

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仮想ホストを4台追加しました。「次へ」をクリックします。

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Amazon EVSネットワークを構築するVPC, Subnetを指定し、ネットワークを設定します。

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それぞれのネットワークをこの画面で設定します。CIDRは重複不可かつ、/24〜/28の間である必要があります。

各VLANはEVS環境作成時に設定され、後からの変更はできません

  • VMkernel 管理VLAN (ホスト接続)
  • vMotion VLAN (ライブマイグレーション)
  • vSAN VLAN (ストレージ)
  • VTEP VLAN (仮想トンネルエンドポイント)
  • Edge VTEP VLAN (NSX Edge)
  • 管理VM VLAN (仮想マシンセットアップ)
  • HCX アップリンク VLAN (L2延伸)

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  • NSX アップリンク VLAN (NSXプライベートトラフィック)
  • プライベートルートサーバーピアリング (VPC Route Server)
  • 拡張VLAN (追加機能用)

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vSphereには名前解決が必須なので、管理アプライアンスのDNSホスト名を指定します。
通常のvCenterデプロイ時と同じく、環境作成時に名前解決ができる必要があります。(Route53や、独自のDNSサーバが必要)

指定するのはvCenterホスト、NSXホスト、SDDC Manager、Cloud Builder、NSX Edge、NSX ManagerのそれぞれDNS名を指定します。

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認証情報はSecrets Managerにて保管できます。いいですね。

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最終の確認画面です。デプロイ画面には、以下のメッセージが表示されていました。

EVS deploys a recent bundled version of VMware Cloud Foundation which may not include individual product updates, known as async patches. Upon completion of this deployment, we strongly recommend you review and update individual products using Broadcom's Async Patch Tool (AP Tool) or SDDC Manager in-product LCM automation.

(機械訳)
EVSは、VMware Cloud Foundationの最新バンドル版を導入しており、非同期パッチとして知られる個々の製品のアップデートが含まれていない可能性があります。この導入が完了したら、Broadcom の Async Patch Tool (AP Tool) または SDDC Manager の製品内 LCM オートメーションを使用して、個々の製品を確認し、アップデートすることを強くお勧めします。

デプロイには数時間かかる場合があります

環境ステータスの詳細を確認することで、進捗状況をモニタリングできます。エラーが発生した場合、環境ステータスには障害の理由とその対処方法の説明が表示されます。

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おわりに

待ちに待ったAmazon EVSが先週パブリックプレビューとなりました。
東京リージョンにもリリースされている のが、我々日本人にとっては何よりもありがたいですね。

現時点では評価環境のため本番ワークロードの移設はできませんが、GAに向けて今後、インスタンスタイプの追加やライセンスの柔軟性 が拡充されるととても嬉しいところです。

このエントリが誰かの助けになれば幸いです。
それでは、クラウド事業本部 コンサルティング部の荒平がお送りしました!

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