[Amazon FSx for NetApp ONTAP] SVM作成時に「委任されたファイルシステム管理者グループ」を指定する場合の影響範囲を確認してみた
委任されたファイルシステム管理者グループってなんだ
こんにちは、のんピ(@non____97)です。
皆さんはAmazon FSx for NetApp ONTAP(以降FSx for ONTAP)のSVMを作成する際に指定することができる「委任されたファイルシステム管理者グループ」が何者かご存知ですか? 私は知りませんでした。
FSx for ONTAPのドキュメントを見ると以下のように記載がありました。
委任されたファイルシステム管理者グループ - ファイルシステムを管理できる Active Directory 内のグループ名。
AWS Managed Microsoft AD を使用している場合、AWS が委任した FSx 管理者、AWS 委任管理者などのグループを指定するか、または OU へのアクセス許可を委任されたカスタムグループを指定する必要があります。
自己管理型 AD に参加している場合は、AD でのグループ名を使用してください。デフォルトのグループは Domain Admins です。
ファイルシステムを管理というのはどういうことでしょうか。謎が謎を呼んでいます。
AWS CLIでSVMを作成するcreate-storage-virtual-machineのドキュメントも確認してみましょう。
FileSystemAdministratorsGroup -> (string)
(Optional) The name of the domain group whose members are granted administrative privileges for the file system. Administrative privileges include taking ownership of files and folders, setting audit controls (audit ACLs) on files and folders, and administering the file system remotely by using the FSx Remote PowerShell. The group that you specify must already exist in your domain. If you don't provide one, your AD domain's Domain Admins group is used.
機械翻訳結果は以下の通りです。
(オプション) ファイルシステムの管理者特権を付与されたメンバーを持つドメイングループの名前です。管理特権には、ファイルやフォルダーの所有権の取得、ファイルやフォルダーへの監査コントロール(監査ACL)の設定、FSxリモートPowerShellを使用したファイルシステムのリモート管理などがあります。指定するグループは、ドメイン内に既に存在している必要があります。指定しない場合は、AD ドメインの Domain Admins グループが使用されます。
どのような設定なのか記載されており、大枠は理解できました。
ただ、この設定がFSx for ONTAP上のどこに設定されているのかは不明です。以下記事でも検証しましたが、マネジメントコンソールやAWS CLIからはSVMにどの委任されたファイルシステム管理者グループを指定したのか確認することができませんでした。
どこに設定されているかが分からないとCIFSサーバーを後からドメイン参加させる場合に、どのように設定すれば良いか分かりません。
ということで、SVM作成時に指定する「委任されたファイルシステム管理者グループ」について調べてみました。
いきなりまとめ
- SVM作成時に「委任されたファイルシステム管理者グループ」を指定すると、SVMのローカルグループ
BUILTIN\Administrators
のメンバーに追加される - 指定しない場合は
Domain Admins
がメンバーに追加される - 指定した場合も
Domain Admins
はメンバーに追加される - CIFSサーバーをドメインから離脱させると
Domain Admins
はBUILTIN\Administrators
から削除されるが、「委任されたファイルシステム管理者グループ」で指定したグループはメンバーに残ったまま
NetAppのドキュメントを漁る
NetAppのドキュメントを漁ってみます。
指定しない場合は、AD ドメインの Domain Admins グループが使用されます。
というところから ONTAP Domain Admins
で検索すると以下のような表記をしているドキュメントがありました。
BUILTIN\Administrators RID 544
RIDが500のローカルAdministratorアカウントは、最初に作成された時点で自動的にこのグループのメンバーになります。Storage Virtual Machine(SVM)がドメインに参加すると、domain\Domain Adminsグループがこのグループに追加されます。SVMがドメインから削除されると、domain\Domain Adminsグループも、このグループから削除されます。
どうやらドメイン参加すると、Domai AdminsはSVMのBUILTIN\Administrators
に追加されるようです。
次にBUILTIN\Administrators
について調べると以下のような記載を見つけました。
BUILTIN\Administrators から「 Domain Admins 」を削除すると、「 Domain Admins 」に属するメンバーは、 MMC を使用して CIFS 共有を管理できなくなります。 CIFS 共有レベルおよびファイルレベルの権限があれば、通常の CIFS 共有アクセスを引き続き使用できます。 MMC を使用して CIFS 共有を管理する必要がある特定のドメインユーザは、 SVM の BUILTIN\Administrators に明示的に追加する必要があります。
SVM の BUILTIN\Administrators から「 Domain Admins 」グループを削除すると効果がありますか。 - NetApp
BUILTIN\Administrators
に追加されているグループやユーザーは、MMCを使用してCIFSファイル共有を管理することができるようです。
確かにデフォルトで作成されるCIFSファイル共有c$
のパスは/
であり、BUILTIN\Administrators / Full Control
となっていますね。
FsxId078d5a29bc3af27cc::> vserver cifs share show -vserver fsx-for-ontap-svm Vserver Share Path Properties Comment ACL -------------- ------------- ----------------- ---------- -------- ----------- fsx-for-ontap-svm oplocks BUILTIN\Administrators / Full Control c$ / browsable - changenotify show-previous-versions fsx-for-ontap-svm oplocks Everyone / Full Control cifs-share /volume browsable - changenotify show-previous-versions fsx-for-ontap-svm browsable ipc$ / - - 3 entries were displayed.
以下記事で検証した通り、上位のジャンクションパスにアクセスすると下位のジャンクションパスのボリュームにもアクセスできるようになります。
裏を返せば、SVMのルートボリュームにアクセスできる権限を持たないと全てのボリュームにアクセスできる権限はないということになります。
これは重要です。
また、BUILTIN\Administrators
に割り当てられている権限は以下の通りです。
権限の名前 | 説明 |
---|---|
SeBackupPrivilege | ACL を無視してファイルとディレクトリをバックアップします |
SeRestorePrivilege | ファイルおよびディレクトリをリストアし、 ACL を上書きすべての有効なユーザまたはグループの SID をファイル所有者として設定します |
SeSecurityPrivilege | ファイルまたはその他のオブジェクトの所有権を取得します |
SeTakeOwnershipPrivilege | 監査の管理これには ' セキュリティ・ログの表示 ' ダンプ ' 消去が含まれます |
SeChangeNotifyPrivilege | トラバースチェックのバイパスこの権限を持つユーザは、フォルダ、シンボリックリンク、またはジャンクションをトラバースするためのトラバース( x )権限は必要ありません。 |
抜粋 : サポートされる権限のリスト
ドキュメントから「委任されたファイルシステム管理者グループ」を指定した場合の設定される場所や影響範囲が確認できました。
検証環境
ドキュメントを確認して終わりでは楽しくないので「委任されたファイルシステム管理者グループ」を指定した場合とそうでない場合を比較してみます。
検証環境は以下の通りです。
SVMを2つ作成して、SVM1は委任されたファイルシステム管理者グループを指定せずに作成し、SVM2は委任されたファイルシステム管理者グループを指定して作成します。
検証環境の準備
VPCはFSx for ONTAPはAWS CDKでデプロイします。
使用したコードは以下リポジトリに保存しています。
デプロイ後、作成されたVPC上にAD DCとなるWindows ServerのEC2インスタンスを起動させます。
その後、専用OUやサービスアカウント、委任されたファイルシステム管理者グループで使用するグループとユーザーなどSVMがドメイン参加するのに必要な設定を行います。
設定内容は以下記事の「ADの準備」の章で紹介していることと全く同じことをしています。
ADの準備が完了した後、AWS CLIでSVMを2つ作成します。
- SVM1の作成 : 委任されたファイルシステム管理者グループを指定しない
# SVMを作成するときに使用するパラメーターの指定 $ filesystem_id=fs-002d269844fcf2a92 $ svm_name=svm1 $ net_bios_name=SVM1 $ domain_name=corp.non-97.net $ organizational_unit_distinguished_name='OU=FSxForONTAP,DC=corp,DC=non-97,DC=net' $ service_account_user_name=FSxServiceAccount $ service_account_password='(-S8E(tqqN;N6Ae1GbbMlO@BQPGFZdh*' $ dns_ip=10.0.1.10 $ create_storage_virtual_machine_input=$(cat <<EOM { "ActiveDirectoryConfiguration": { "NetBiosName": "$net_bios_name", "SelfManagedActiveDirectoryConfiguration": { "DomainName": "$domain_name", "OrganizationalUnitDistinguishedName": "$organizational_unit_distinguished_name", "UserName": "$service_account_user_name", "Password": "$service_account_password", "DnsIps": [ "$dns_ip" ] } }, "FileSystemId": "$filesystem_id", "Name": "$svm_name", "Tags": [ { "Key": "Name", "Value": "$svm_name" } ], "RootVolumeSecurityStyle": "NTFS" } EOM ) # SVMの作成 $ create_storage_virtual_machine_output=$(aws fsx create-storage-virtual-machine \ --cli-input-json "$create_storage_virtual_machine_input" ) # aws fsx create-storage-virtual-machine のレスポンス確認 $ echo $create_storage_virtual_machine_output \ | jq -r { "StorageVirtualMachine": { "ActiveDirectoryConfiguration": { "NetBiosName": "SVM1", "SelfManagedActiveDirectoryConfiguration": { "DomainName": "corp.non-97.net", "OrganizationalUnitDistinguishedName": "OU=FSxForONTAP,DC=corp,DC=non-97,DC=net", "UserName": "FSxServiceAccount", "DnsIps": [ "10.0.1.10" ] } }, "CreationTime": "2022-10-27T00:18:32.627000+00:00", "Endpoints": { "Iscsi": { "DNSName": "iscsi.svm-0c31fb3c7a8c8b001.fs-002d269844fcf2a92.fsx.us-east-1.amazonaws.com" }, "Management": { "DNSName": "svm-0c31fb3c7a8c8b001.fs-002d269844fcf2a92.fsx.us-east-1.amazonaws.com" }, "Nfs": { "DNSName": "svm-0c31fb3c7a8c8b001.fs-002d269844fcf2a92.fsx.us-east-1.amazonaws.com" }, "Smb": { "DNSName": "SVM1.corp.non-97.net" } }, "FileSystemId": "fs-002d269844fcf2a92", "Lifecycle": "PENDING", "Name": "svm1", "ResourceARN": "arn:aws:fsx:us-east-1:<AWSアカウントID>:storage-virtual-machine/fs-002d269844fcf2a92/svm-0c31fb3c7a8c8b001", "StorageVirtualMachineId": "svm-0c31fb3c7a8c8b001", "Subtype": "DEFAULT", "Tags": [ { "Key": "Name", "Value": "svm1" } ] } } # SVMのID確認 $ svm1_id=$(echo $create_storage_virtual_machine_output \ | jq -r ".StorageVirtualMachine.StorageVirtualMachineId" ) # SVMが作成されたか確認 $ aws fsx describe-storage-virtual-machines \ --storage-virtual-machine-ids "$svm1_id" { "StorageVirtualMachines": [ { "ActiveDirectoryConfiguration": { "NetBiosName": "SVM1", "SelfManagedActiveDirectoryConfiguration": { "DomainName": "corp.non-97.net", "OrganizationalUnitDistinguishedName": "OU=FSxForONTAP,DC=corp,DC=non-97,DC=net", "UserName": "FSxServiceAccount", "DnsIps": [ "10.0.1.10" ] } }, "CreationTime": "2022-10-27T00:18:32.627000+00:00", "Endpoints": { "Iscsi": { "DNSName": "iscsi.svm-0c31fb3c7a8c8b001.fs-002d269844fcf2a92.fsx.us-east-1.amazonaws.com", "IpAddresses": [ "10.0.1.69", "10.0.1.123" ] }, "Management": { "DNSName": "svm-0c31fb3c7a8c8b001.fs-002d269844fcf2a92.fsx.us-east-1.amazonaws.com", "IpAddresses": [ "10.0.1.107" ] }, "Nfs": { "DNSName": "svm-0c31fb3c7a8c8b001.fs-002d269844fcf2a92.fsx.us-east-1.amazonaws.com", "IpAddresses": [ "10.0.1.107" ] }, "Smb": { "DNSName": "SVM1.corp.non-97.net", "IpAddresses": [ "10.0.1.107" ] } }, "FileSystemId": "fs-002d269844fcf2a92", "Lifecycle": "CREATED", "Name": "svm1", "ResourceARN": "arn:aws:fsx:us-east-1:<AWSアカウントID>:storage-virtual-machine/fs-002d269844fcf2a92/svm-0c31fb3c7a8c8b001", "StorageVirtualMachineId": "svm-0c31fb3c7a8c8b001", "Subtype": "DEFAULT", "UUID": "f0a1b588-558c-11ed-807e-6f075f07b1b4" } ] }
- SVM2の作成 : 委任されたファイルシステム管理者グループを指定する
# SVMを作成するときに使用するパラメーターの指定 $ svm_name=svm2 $ net_bios_name=SVM2 $ filesystem_administrators_group=FSxAdminGroup $ create_storage_virtual_machine_input=$(cat <<EOM { "ActiveDirectoryConfiguration": { "NetBiosName": "$net_bios_name", "SelfManagedActiveDirectoryConfiguration": { "DomainName": "$domain_name", "OrganizationalUnitDistinguishedName": "$organizational_unit_distinguished_name", "FileSystemAdministratorsGroup": "$filesystem_administrators_group", "UserName": "$service_account_user_name", "Password": "$service_account_password", "DnsIps": [ "$dns_ip" ] } }, "FileSystemId": "$filesystem_id", "Name": "$svm_name", "Tags": [ { "Key": "Name", "Value": "$svm_name" } ], "RootVolumeSecurityStyle": "NTFS" } EOM ) # SVMの作成 $ create_storage_virtual_machine_output=$(aws fsx create-storage-virtual-machine \ --cli-input-json "$create_storage_virtual_machine_input" ) # aws fsx create-storage-virtual-machine のレスポンス確認 $ echo $create_storage_virtual_machine_output \ | jq -r { "StorageVirtualMachine": { "ActiveDirectoryConfiguration": { "NetBiosName": "SVM2", "SelfManagedActiveDirectoryConfiguration": { "DomainName": "corp.non-97.net", "OrganizationalUnitDistinguishedName": "OU=FSxForONTAP,DC=corp,DC=non-97,DC=net", "UserName": "FSxServiceAccount", "DnsIps": [ "10.0.1.10" ] } }, "CreationTime": "2022-10-27T00:21:53.832000+00:00", "Endpoints": { "Iscsi": { "DNSName": "iscsi.svm-0cf99a8eac9a6de02.fs-002d269844fcf2a92.fsx.us-east-1.amazonaws.com" }, "Management": { "DNSName": "svm-0cf99a8eac9a6de02.fs-002d269844fcf2a92.fsx.us-east-1.amazonaws.com" }, "Nfs": { "DNSName": "svm-0cf99a8eac9a6de02.fs-002d269844fcf2a92.fsx.us-east-1.amazonaws.com" }, "Smb": { "DNSName": "SVM2.corp.non-97.net" } }, "FileSystemId": "fs-002d269844fcf2a92", "Lifecycle": "PENDING", "Name": "svm2", "ResourceARN": "arn:aws:fsx:us-east-1:<AWSアカウントID>:storage-virtual-machine/fs-002d269844fcf2a92/svm-0cf99a8eac9a6de02", "StorageVirtualMachineId": "svm-0cf99a8eac9a6de02", "Subtype": "DEFAULT", "Tags": [ { "Key": "Name", "Value": "svm2" } ] } } # SVMのID確認 $ svm2_id=$(echo $create_storage_virtual_machine_output \ | jq -r ".StorageVirtualMachine.StorageVirtualMachineId" ) # SVMが作成されたか確認 $ aws fsx describe-storage-virtual-machines \ --storage-virtual-machine-ids "$svm2_id" { "StorageVirtualMachines": [ { "ActiveDirectoryConfiguration": { "NetBiosName": "SVM2", "SelfManagedActiveDirectoryConfiguration": { "DomainName": "corp.non-97.net", "OrganizationalUnitDistinguishedName": "OU=FSxForONTAP,DC=corp,DC=non-97,DC=net", "UserName": "FSxServiceAccount", "DnsIps": [ "10.0.1.10" ] } }, "CreationTime": "2022-10-27T00:21:53.832000+00:00", "Endpoints": { "Iscsi": { "DNSName": "iscsi.svm-0cf99a8eac9a6de02.fs-002d269844fcf2a92.fsx.us-east-1.amazonaws.com", "IpAddresses": [ "10.0.1.116", "10.0.1.93" ] }, "Management": { "DNSName": "svm-0cf99a8eac9a6de02.fs-002d269844fcf2a92.fsx.us-east-1.amazonaws.com", "IpAddresses": [ "10.0.1.103" ] }, "Nfs": { "DNSName": "svm-0cf99a8eac9a6de02.fs-002d269844fcf2a92.fsx.us-east-1.amazonaws.com", "IpAddresses": [ "10.0.1.103" ] }, "Smb": { "DNSName": "SVM2.corp.non-97.net", "IpAddresses": [ "10.0.1.103" ] } }, "FileSystemId": "fs-002d269844fcf2a92", "Lifecycle": "CREATED", "Name": "svm2", "ResourceARN": "arn:aws:fsx:us-east-1:<AWSアカウントID>:storage-virtual-machine/fs-002d269844fcf2a92/svm-0cf99a8eac9a6de02", "StorageVirtualMachineId": "svm-0cf99a8eac9a6de02", "Subtype": "DEFAULT", "UUID": "6af011dd-558d-11ed-807e-6f075f07b1b4" } ] }
各SVMの BUILTIN\Administrators のメンバーの確認
SVM作成後、FSx for ONTAPファイルシステムにSSHしてONTAP CLIでCIFSサーバーとCIFSファイル共有の確認をします。
# FSx for ONTAPファイルシステムにSSH PS C:\Users\Administrator> ssh fsxadmin@management.fs-002d269844fcf2a92.fsx.us-east-1.amazonaws.com The authenticity of host 'management.fs-002d269844fcf2a92.fsx.us-east-1.amazonaws.com (10.0.1.95)' can't be established. ECDSA key fingerprint is SHA256:LUlHFVffsYV9QwUnWhcdlPCGpZW+03Spgbva8KYmCV0. Are you sure you want to continue connecting (yes/no/[fingerprint])? yes Warning: Permanently added 'management.fs-002d269844fcf2a92.fsx.us-east-1.amazonaws.com,10.0.1.95' (ECDSA) to the list of known hosts. Password: This is your first recorded login. # 各SVMのCIFSファイル共有の確認 FsxId002d269844fcf2a92::> cifs share show Vserver Share Path Properties Comment ACL -------------- ------------- ----------------- ---------- -------- ----------- svm1 c$ / oplocks - BUILTIN\Administrators / Full Control browsable changenotify show-previous-versions svm1 ipc$ / browsable - - svm2 c$ / oplocks - BUILTIN\Administrators / Full Control browsable changenotify show-previous-versions svm2 ipc$ / browsable - - 4 entries were displayed. # 各SVMのCIFSサーバーを確認 FsxId002d269844fcf2a92::> cifs server show Server Status Domain/Workgroup Authentication Vserver Name Admin Name Style ----------- --------------- --------- ---------------- -------------- svm1 SVM1 up CORP domain svm2 SVM2 up CORP domain 2 entries were displayed.
どちらのSVMのCIFSサーバーも起動していますね。
それでは、BUILTIN\Administrators
のメンバーを確認します。
FsxId002d269844fcf2a92::> cifs users-and-groups local-group show-members Vserver Group Name Members -------------- ---------------------------- ------------------------ svm1 BUILTIN\Administrators SVM1\Administrator CORP\Domain Admins BUILTIN\Guests CORP\Domain Guests BUILTIN\Users CORP\Domain Users svm2 BUILTIN\Administrators SVM2\Administrator CORP\Domain Admins CORP\FSxAdminGroup BUILTIN\Guests CORP\Domain Guests BUILTIN\Users CORP\Domain Users 6 entries were displayed.
どちらのSVMのBUILTIN\Administrators
にもCORP\Domain Admins
が所属しており、委任されたファイルシステム管理者グループをしたSVM2の方にはCORP\FSxAdminGroup
も追加されていました。
Domain Admins
も追加されるというのがポイントですね。Domain Admins
には権限渡したくないという場合は、Domain Admins
をvserver cifs users-and-groups local-group remove-membersで手動でメンバーから外す必要がありそうです。
委任されたファイルシステム管理者グループ内のユーザーでマウントできるか確認
次に委任されたファイルシステム管理者グループ内のユーザーでマウントできるか確認してみます。
まずは、比較用にドメインのAdministratorでマウントしてみます。当然ながらドメインのAdministratorはDomain Admins
のメンバーです。
# 現在のユーザーの確認 PS C:\Users\Administrator> whoami -fqdn CN=Administrator,CN=Users,DC=corp,DC=non-97,DC=net # Domain Adminsのメンバー確認 PS C:\Users\Administrator> Get-ADGroupMember -Identity 'Domain Admins' distinguishedName : CN=Administrator,CN=Users,DC=corp,DC=non-97,DC=net name : Administrator objectClass : user objectGUID : 58baec07-4ab4-4707-ba62-c6af52894508 SamAccountName : Administrator SID : S-1-5-21-38571244-2121234638-1230449559-500
それではSVM1のc$
をZドライブに、SVM2のc$
をYドライブにマウントしてみます。
# 現在のドライブ一覧 PS C:\Users\Administrator> Get-PSDrive Name Used (GB) Free (GB) Provider Root CurrentLocation ---- --------- --------- -------- ---- --------------- Alias Alias C 14.72 15.28 FileSystem C:\ Users\Administrator Cert Certificate \ Env Environment Function Function HKCU Registry HKEY_CURRENT_USER HKLM Registry HKEY_LOCAL_MACHINE Variable Variable WSMan WSMan # SVM1の c$ をZドライブにマウント PS C:\Users\Administrator> net use Z: \\SVM1.corp.non-97.net\c$ The command completed successfully. # SVM2の c$ をYドライブにマウント PS C:\Users\Administrator> net use Y: \\SVM2.corp.non-97.net\c$ The command completed successfully. # ZドライブとYドライブにそれぞれマウントされたことを確認 PS C:\Users\Administrator> Get-PSDrive Name Used (GB) Free (GB) Provider Root CurrentLocation ---- --------- --------- -------- ---- --------------- AD ActiveDire... //RootDSE/ Alias Alias C 14.73 15.27 FileSystem C:\ Users\Administrator Cert Certificate \ Env Environment Function Function HKCU Registry HKEY_CURRENT_USER HKLM Registry HKEY_LOCAL_MACHINE Variable Variable WSMan WSMan Y 0.00 0.95 FileSystem \\SVM2.corp.non-97.net\c$ Z 0.00 0.95 FileSystem \\SVM1.corp.non-97.net\c$
委任されたファイルシステム管理者グループ内のユーザーFSxAdmin
でマウントできるか確認します。
# SSMセッションマネージャーで接続するときのユーザーで操作 PS C:\Windows\system32> whoami ec2amaz-ko9o6l0\ssm-user # SVM1の c$ をZドライブにマウント # マウント時に委任されたファイルシステム管理者グループ内のユーザー FSxAdmin の認証情報を入力 PS C:\Windows\system32> net use Z: \\10.0.1.107\c$ The password is invalid for \\10.0.1.107\c$. Enter the user name for '10.0.1.107': corp.non-97.net\FSxAdmin Enter the password for 10.0.1.107: System error 5 has occurred. Access is denied. # SVM2の c$ をZドライブにマウント PS C:\Windows\system32> net use Z: \\10.0.1.103\c$ The password is invalid for \\10.0.1.103\c$. Enter the user name for '10.0.1.103': corp.non-97.net\FSxAdmin Enter the password for 10.0.1.103: The command completed successfully. # 現在のドライブ一覧を確認 PS C:\Windows\system32> Get-PSDrive Name Used (GB) Free (GB) Provider Root CurrentLocation ---- --------- --------- -------- ---- --------------- Alias Alias C 13.85 16.15 FileSystem C:\ Windows\system32 Cert Certificate \ Env Environment Function Function HKCU Registry HKEY_CURRENT_USER HKLM Registry HKEY_LOCAL_MACHINE Variable Variable WSMan WSMan Z 0.00 0.95 FileSystem \\10.0.1.103\c$
委任されたファイルシステム管理者グループを指定しなかったSVM1のCIFSファイル共有にはマウント出来ず、委任されたファイルシステム管理者グループを指定したSVM2のCIFSファイル共有はマウント出来ました。
SVM1がかわいそうなので、手動でSVM1のBUILTIN\Administrators
のメンバーにFSxAdminGroup
を追加させます。
# SVM1の BUILTIN\Administrators のメンバーに FSxAdminGroup を追加 FsxId002d269844fcf2a92::> cifs users-and-groups local-group add-members -vserver svm1 -group-name BUILTIN\Administrators -member-names CORP\FSxAdminGroup # SVM1の BUILTIN\Administrators のメンバーに FSxAdminGroup が追加されたことを確認 FsxId002d269844fcf2a92::> cifs users-and-groups local-group show-members Vserver Group Name Members -------------- ---------------------------- ------------------------ svm1 BUILTIN\Administrators SVM1\Administrator CORP\Domain Admins CORP\FSxAdminGroup BUILTIN\Guests CORP\Domain Guests BUILTIN\Users CORP\Domain Users svm2 BUILTIN\Administrators SVM2\Administrator CORP\Domain Admins CORP\FSxAdminGroup BUILTIN\Guests CORP\Domain Guests BUILTIN\Users CORP\Domain Users 6 entries were displayed.
追加されましたね。
それでは、SVM1のCIFSファイル共有に委任されたファイルシステム管理者グループ内のユーザーFSxAdmin
でマウントできるか確認します。
# SVM1の c$ をYドライブにマウント PS C:\Windows\system32> net use Y: \\10.0.1.107\c$ The password is invalid for \\10.0.1.107\c$. Enter the user name for '10.0.1.107': corp.non-97.net\FSxAdmin Enter the password for 10.0.1.107: The command completed successfully. # マウント出来たことを確認 PS C:\Windows\system32> Get-PSDrive Name Used (GB) Free (GB) Provider Root CurrentLocation ---- --------- --------- -------- ---- --------------- Alias Alias C 13.85 16.14 FileSystem C:\ Windows\system32 Cert Certificate \ Env Environment Function Function HKCU Registry HKEY_CURRENT_USER HKLM Registry HKEY_LOCAL_MACHINE Variable Variable WSMan WSMan Y 0.00 0.95 FileSystem \\10.0.1.107\c$ Z 0.00 0.95 FileSystem \\10.0.1.103\c$
BUILTIN\Administrators
に追加したおかげでマウントできました。
ドメインから離脱した場合の BUILTIN\Administrators のメンバー
最後にドメインから離脱した場合のBUILTIN\Administrators
のメンバーを確認してみます。
試しにSVM2をドメインからワークグループに変更します。
# どちらのCIFSサーバーもドメインに参加していることを確認 FsxId002d269844fcf2a92::> cifs server show Server Status Domain/Workgroup Authentication Vserver Name Admin Name Style ----------- --------------- --------- ---------------- -------------- svm1 SVM1 up CORP domain svm2 SVM2 up CORP domain 2 entries were displayed. # SVM2のCIFSサーバーをドメインからワークグループに変更 FsxId002d269844fcf2a92::> cifs modify -vserver svm2 -cifs-server SVM2 -workgroup fsxn-workgroup -status-admin down Warning: To enter workgroup mode, all domain-based features must be disabled and their configuration removed automatically by the system, including continuously-available shares and shadow copies. However, domain-configured share ACLs such as "CORP.NON-97.NET\userName" will not work properly, but cannot be removed by Data ONTAP. Remove these share ACLs as soon as possible using external tools after the command completes. Do you want to continue? {y|n}: y Successfully queued CIFS Server Modify job [id: 42] for CIFS server "SVM2". To view the status of the job, use the "job show -id <jobid>" command. # SVM2のCIFSサーバーがワークグループになったことを確認 FsxId002d269844fcf2a92::> cifs server show Server Status Domain/Workgroup Authentication Vserver Name Admin Name Style ----------- --------------- --------- ---------------- -------------- svm1 SVM1 up CORP domain svm2 SVM2 up FSXN-WORKGROUP workgroup 2 entries were displayed.
SVM2のCIFSサーバーがドメインから離脱できたので、SVM2のBUILTIN\Administrators
のメンバーを確認します。
FsxId002d269844fcf2a92::> cifs users-and-groups local-group show-members Vserver Group Name Members -------------- ---------------------------- ------------------------ svm1 BUILTIN\Administrators SVM1\Administrator CORP\Domain Admins CORP\FSxAdminGroup BUILTIN\Guests CORP\Domain Guests BUILTIN\Users CORP\Domain Users svm2 BUILTIN\Administrators SVM2\Administrator CORP\FSxAdminGroup 4 entries were displayed.
Domain Admins
は削除されていますが、FSxAdminGroup
は残ったままですね。
となると、例えワークグループになった状態でもCORP\FSxAdminGroup
のメンバーのユーザーでマウントできるのか確認してみます。
# 現在のドライブ一覧の確認 PS C:\Windows\system32> Get-PSDrive Name Used (GB) Free (GB) Provider Root CurrentLocation ---- --------- --------- -------- ---- --------------- Alias Alias C 13.53 16.47 FileSystem C:\ Windows\system32 Cert Certificate \ Env Environment Function Function HKCU Registry HKEY_CURRENT_USER HKLM Registry HKEY_LOCAL_MACHINE Variable Variable WSMan WSMan Y 0.00 0.95 FileSystem \\10.0.1.107\c$ Z FileSystem \\10.0.1.103\c$ # Zドライブをアンマウント PS C:\Windows\system32> net use /delete z: z: was deleted successfully. # ZドライブにSVM2の c$ をDomain Adminsに属するユーザーでマウントしようとしてみる PS C:\Windows\system32> net use Z: \\10.0.1.103\c$ The password is invalid for \\10.0.1.103\c$. Enter the user name for '10.0.1.103': corp.non-97.net\Administrator Enter the password for 10.0.1.103: System error 1907 has occurred. The user's password must be changed before signing in. # ZドライブにSVM2の c$ をFSxAdminGroupに属するユーザーでマウントしようとしてみる PS C:\Windows\system32> net use Z: \\10.0.1.103\c$ The password is invalid for \\10.0.1.103\c$. Enter the user name for '10.0.1.103': corp.non-97.net\FSxAdmin Enter the password for 10.0.1.103: System error 1326 has occurred. The user name or password is incorrect.
はい、マウント出来ませんでした。
BUILTIN\Administrators
のメンバーにはなっていますが、CIFSサーバーがドメインに参加していないので、SVMからドメインに対して認証情報が正しいのか問い合わせることがないためだと考えます。
「委任されたファイルシステム管理者グループ」完全に理解した
SVM作成時に「委任されたファイルシステム管理者グループ」を指定する場合の影響範囲を確認しました。
おかげで「委任されたファイルシステム管理者グループ」を完全に理解しました。
この記事が誰かの助けになれば幸いです。
以上、AWS事業本部 コンサルティング部の のんピ(@non____97)でした!