[アップデート] Amazon FSx for NetApp ONTAPのSnapLockライセンス料金が無料になりました

[アップデート] Amazon FSx for NetApp ONTAPのSnapLockライセンス料金が無料になりました

WORM要件がある場合にコストが足枷になることがなくなった
Clock Icon2025.03.13

SnapLockを有効化するとストレージのコストが倍増してしまう

こんにちは、のんピ(@non____97)です。

皆さんはSnapLockを有効化するとストレージのコストが倍増しまうと思ったことはありますか? 私はあります。

Amazon FSx for NetApp ONTAP(以降FSXN)では、SnapLockをサポートしています。

SnapLockを有効化しているボリュームは追加で、ボリュームで毎月消費されるストレージ容量の平均量に応じた料金がかかりました。東京リージョンSingle-AZの場合は0.0244 USD/GBです。

アカウントおよび一リージョンあたり60TBのコストの上限があるとは言え、なかなかのコストです。

東京リージョンSingle-AZのキャパシティプールストレージの料金は0.0238 USD/GBです。SnapLockが有効なボリュームは追加で0.0244 USD/GBかかるので、つまりはSnapLockを有効化すると、現在のキャパシティプールストレージのコストが倍増する形になります。

Tiering PolicyをAllにして、キャパシティプールストレージを有効活用することでコスト最適化していた場合はSnapLockを導入することはなかなか難しいのではないでしょうか。

今回アップデートによってSnapLockライセンスの料金が無料になりました。

https://aws.amazon.com/jp/about-aws/whats-new/2025/03/amazon-fsx-netapp-ontap-no-charges-snaplock-licensing/

これは嬉しいですね。

既にSnapLockお使いの方も、特に意識することなく請求されなくなるようです。

SnapLock is an ONTAP feature that offers Write Once, Read Many (WORM) protection to prevent alteration or deletion of data for specified retention periods, enabling customers to meet regulatory compliance and improve data protection. After this billing change, volumes with SnapLock enabled will no longer incur licensing charges. This license removal requires no changes to customer applications and takes effect automatically for both new and existing SnapLock volumes.

Amazon FSx for NetApp ONTAP no longer charges for SnapLock licensing - AWS

SnapLockとは

簡単に改めてSnapLockについて紹介します。

SnapLockとはNetApp ONTAPのストレージのWORM機能です。

手動でコミットする、もしくは最終更新から一定期間経過して自動でコミットされたファイルは編集、削除することができなくなります。

AWSのWORM機能を提供しているものといえば、S3のオブジェクトロックやAWS Backupのボールトロックが挙げられます。

FSxNではAWS Backupをサポートしており、ボールトロックによってバックアップをWORMにすることが可能です。

ただし、要件によってはバックアップだけではなく、ファイルシステムに対してWORMを提供することが求められることがあります。

そのような場合にはFSxNのSnapLockが刺さります。

細かい制約事項や挙動については以下記事で紹介しています。

https://dev.classmethod.jp/articles/amazon-fsx-netapp-ontap-snaplock/

Tamperproof Snapshotも課金される心配がなくなった

このアップデートによって嬉しいのはそれだけではありません。

Tamperproof Snapshotも課金される心配がなくなったとも言えます。

これは全世界で私一人しか喜んでいないかもしれません。

Tamperproof SnapshotはTamperproof Snapshotとはロック期限が切れるまでSnapshotを保護する機能です。

SnapLockによるWORMの対象はファイルシステムですが、Tamperproof SnapshotのWORMの対象はSnapshotのみという違いがあります。

Tamperproof Snapshotの制約事項や挙動については以下記事をご覧ください。

https://dev.classmethod.jp/articles/amazon-fsx-for-netapp-ontap-tamperproof-snapshot/

個人的にはSnapshotさえWORMになっていれば良いと言う場面が多く、Tamperproof Snapshotは重宝していました。

ただし、Tamperproof Snapshotの注意点の中にAWS公式ドキュメント上で全く触れられておらず、料金的にグレーという点がありました。

Tamperproof SnapshotはSnapLockの機能を用いて動作しています。そのため、オンプレミスであればSnapLockのライセンスが必要になります。

"SnapLockライセンスがクラスタにインストールされている必要があります。"です。このライセンスはに含まれてい"ONTAP One"ます。

Snapshotをロックしてランサムウェア攻撃から保護

しかし、FSxNではTamperproof Snapshotを使用しても今までも課金されていませんでした。「SnapLockはライセンス料金がかかるのに、関連機能のTamperproof Snapshotは料金がかからない」と言うのが非常にグレーです。

今回、FSxNにおいてSnapLockライセンスが無料になったことで、このグレーの領域がクリアになりました。つまりは胸を張って無料でTamperproof Snapshotを使うことが可能になります。

これは嬉しいです。

WORM要件がある場合にコストが足枷になることがなくなった

Amazon FSx for NetApp ONTAPのSnapLockライセンス料金が無料になったアップデートを紹介しました。

これによってWORM要件がある場合にコストが足枷になることがなくなりました。

積極的に という訳ではありませんが、WORM要件がある場合はSnapLockも検討してみましょう。

この記事が誰かの助けになれば幸いです。

以上、クラウド事業本部 コンサルティング部の のんピ(@non____97)でした!

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