[新機能]Amazon Nova Web Groundingが登場しました
こんにちは、筧@takaakikakei です。
2025年10月、Amazon Novaに対しウェブ検索による最新情報の自動取得・統合機能「Amazon Nova Web Grounding」が一般提供開始されました。
Amazon Nova Web Groundingは、Amazonの基盤モデルNovaに対して、最新のウェブ情報を自動取得・活用する機能です。プロンプトの内容に応じてモデル自身がインターネット検索を行い、見つけた公開情報を出典付きで回答に組み込むことで、ハルシネーションの発生を抑えつつ回答の正確性を高めます。開発者は独自でWeb検索APIを統合する必要がなく、この機能を利用するだけでモデルに最新知識を持たせることができ、AIアプリケーションの信頼性と開発効率を向上させることが期待されます。
やってみる
まずはマネジメントコンソールのプレイグラウンドで試してみましょう。
- AWS Management Consoleにログインし、Amazon Bedrockのサービス画面を開きます。
- リージョンをus-east-1(バージニア北部)に変更します。
- 左側のメニューから「プレイグラウンド」の「Chat / Text」を選択します。
- モデルの選択画面で、AmazonのNova Premierを選択します。
- プレイグラウンドの設定画面内に「Web Grounding」の項目が表示されます。
- 「Nova Grounding」を有効化した状態で、チャットを開始します。
- 「Please tell me the latest news about Classmethod, Inc.」というメッセージを送信します。

<think>というタグには思考過程が表示されています。いまのところ挙動が不安定な印象もありますが、Citationには引用元のURLが表示されるようになっています。
続いてAPI経由で試してみましょう。今回はAWS SDK for JavaScript v3を使用してConverse API経由で呼び出します。なお、v3.920.0で、Amazon Nova Web Groundingに対応をしたので、必要に応じてアップデートしてください。
toolConfigのtoolsにsystemToolとしてnova_groundingを追加するだけです。
toolConfig: {
    tools: [{ systemTool: { name: 'nova_grounding' } }],
},
ユーザー体験を向上させるためには、以下のような工夫が必要そうです。
- 思考過程用のUI
- ツール実行状況の表示
- 引用元の表示
思考過程に関しては、プレイグラウンドの画面でもそうでしたが、textに<think>というタグが表示されていることがわかります。これをパースして思考過程をリッチに表現すると、ユーザー体験が良くなりそうです。textではなくreasoningContentとして返してくれると扱いやすいなと感じました。
{
    "type": "text",
    "content": "<thinking>First, I need to get the latest Yahoo Japan news articles since the user requested current information. Using the web search tool will help find the most recent headlines.</thinking> "
}
実行状況の表示に関しては、ツールの実行過程もUI側に表示することで、進捗がわかりやすくなります。ストリーム対応する場合は、ContentBlockStartやContentBlockDeltaイベント等でツールの実行状況を受け取ることができます。
引用元の表示に関しては、citationsContentに引用元のURLが表示されていることがわかります。引用元の表示によって、回答の信頼性を高めることができます。
{
    "type": "citation",
    "location": {
        "web": {
            "domain": "yahoo.com",
            "url": "https://shopping.yahoo.com/"
        }
    }
}
調査
現時点での制約として、Nova Web Groundingは現在はNova Premierモデルでのみ利用可能であり、提供リージョンもバージニア北部リージョンのみに限られています。また、外部ウェブ検索を行う関係上、通常のモデル推論に比べ追加のコスト($30.00 per 1K requests)が発生します。利用する際はAWS Bedrockの料金表を確認し、コストと精度向上のメリットを考慮して有効化しましょう。なお、検索品質面に関しては今後の改善に期待したい印象を持ちました。英語で質問したほうが品質が高いようにも感じました。
今後、Nova系の対応モデルやリージョンの拡大が予定されているため、品質改善とともに将来的にはさらに多くの場面でこの機能を活用できるようになるでしょう。
本記事が皆様のお役に立てれば幸いです。それではまた!
参考資料













