Amazon QuickSightでEメールレポートを送信する
少し前の事になりますが、2018年8月16日にAmazon QuicksightがEメールレポートに対応しました。
Amazon Quicksight Launches Support for Email Reports and Data Labels
Amazon QuickSightにアクセスしなくても、レポートを定期的に受け取って確認できるわけです。
さっそく触ってみました。
前提
大前提として、本機能はエンタープライズエディションでのみ提供されています。
さらに、レポートの送信先ユーザーは以下を満たす必要があります。
- レポート送信元と同じ QuickSight アカウントのユーザーである
- ダッシュボードを共有されている
- ユーザー登録が完了している
例えば
- スタンダード・エディションで契約している
- 別アカウントのQuickSightユーザー
- ダッシュボードが共有されていないユーザー
- ユーザー登録が完了していない
といったケースでは、レポートをメール送信できません。
ご注意ください。
前準備
ビジュアルを作成し、ダッシュボードを発行し、ユーザーと共有します。
手順は以下のドキュメントを参照ください。
Eメールレポート設定
Eメールレポートの設定画面へは、ダッシュボードを選択後、メニューの Share → Email report から遷移します。
設定項目は、以下の3種類があります。
- Set the schedule for the report
- Customize email text and report preference
- Select recipients
入力項目がたくさんあるため、重要なところだけを解説します。
1. Set the schedule for the report
レポートの送信スケジュールを設定します。
Schedule:送信スケジュール
以下から選択可能です
- 1回だけ:Send once(Does not repeat)
- 毎日:Repeat once a day
- 毎週:Repeat once a week
- 毎月:Repeat once a month
Time zone:タイムゾーン
ローカルタイムゾーンが初期値に設定されているようです。
サマータイムの影響を受けたくない場合、 UTC(UTC 00:00) を選びましょう。
2. Customize email text and report preference
メール内に含まれる文言を選定します。
- Report title
- E-mail subject line
- E-mail body text
は、実際のメール(Gmail)では以下の部分で利用されます。
Optimize report for
レポートをデスクトップまたはモバイル向けに最適化できます。
ユーザーごとにフォーマットを調整することはできません。 また、ダッシュボードとEメールレポートは1:1の関係のため、デスクトップ・モバイルそれぞれのフォーマットで送信することもできません。
3. Select recipients
メールの送信先を設定します。
共有済みのアカウント一覧が表示されています。
オーナーに対して「Send test report」アクションからテスト送信できます。
Eメールレポートを受け取る
実際に届いたレポートが以下です。(Gmailを利用)
"Open in QuickSight" のリンクから、QuickSight のダッシュボードにアクセスできます。
Eメールレポートにラベルを含める
デフォルトでは、QuickSight 上でダッシュボードを閲覧する場合、グラフにフォーカスをあわせないと、実際の細かな数字を確認できません。
データラベルを利用すると、ダッシュボードを開いただけの状態やEメールレポートでも実際の数字を確認できます。
データラベルの有り・無しでEメールレポートの表示を確認します。
データラベルがあるとき
データラベルがないとき
データラベルを設定する
データラベルは、ヴィジュアルの Format visual→Data labels から設定できます。
Eメールレポートを停止する
スケジュール送信しているレポートを一時的に停止・再開することもできます。
停止するには、Eメールレポート設定画面の「1. Set the schedule for the report」で「Pause this report」をクリックします。
再開するには、同じ画面で「Resume this report」をクリックします。
購読をやめる
管理者が購読メンバーを調整
Eメールレポートの設定画面から、購読メンバーを調整してください。
ユーザーの意思で購読をやめる
Eメールレポート下部に No longer want to receive reports? Unsubscribe というリンクが存在します。 "Unsubscribe" をクリックすることで、購読をやめることができます。
Amazon SNS にあるような、ユーザーが意図せず Unsubscribe してしまうことを防ぐ機能は現時点では存在しないようです。
利用費について
ユーザーロールによって異なります。
Admin/Author ロール
追加利用費は発生しません
Reader ロール
従量課金の Reader ロールの場合、料金体系が異なります。
レポートを送信するたびに、$0.3 の費用がかかります。同時に、同じ billing month で利用可能な1セッション分(30分)のセッションクレジットが発生します。QuickSight アクセス時にこのクレジットを利用できます。 また、Eメールレポー利用分も含めて READER の月額利用費は $5 でキャップされます。
制限
Eメール送信で利用されるデータ
SPICE に取り込まれていないデータを参照していない場合、データソースにアクセスして最新のデータを利用します。
SPICEに取り込まれたデータを参照している場合、オリジンのデータソースではなくSPICEのデータを利用します。そのため、ダッシュボードに実際にアクセスする、定期取り込みを実施、などでSPICEをリフレッシュしない限り、古いデータが表示され続けます。
未対応のビジュアル
Points on Map など一部のビジュアルはEメールレポートに対応していません。
このようなビジュアルは "Chart type not supported in reports" とだけ表示されている画像に置き換えられます。
また、ダッシュボードのオーナー向けに、Eメールレポート未対応なビジュアルが含まれている旨のメールが送信されます。
スケジュールリフレッシュがレポート送信までに完了しない
スケジュールリフレッシュでSPICEに取り込んでいるケースで、取り込みがレポート送信に間に合わない場合、以下のようなメールがダッシュボードのオーナーに送信されます。
SPICEへの取り込みとレポート送信とは十分な間隔をあけましょう。
まとめ
Amazon QuickSight が定期的にダッシュボードをEメールレポートできるようになりました。
Amazon QuickSight にログインしてダッシュボードを確認するのは少し億劫ですが、レポートがプッシュされることで、簡単に定期的にダッシュボードを確認できるのは、非常に便利です。
特に、多くの READER ユーザーを抱えるようなシステムでは、BI を活用する上で効果が大きいのではないでしょうか。