[ANGEL Dojo]日本を元気にするアイデアを考えてみた #若手エンジニアチームによる擬似プロジェクト
こんにちは。AWS事業本部のKyoです。
昨年の年末からAWSジャパン様によるプログラム「ANGEL Dojo」(以下ANGELと表記)に参加しています。 本ブログでは、「ANGELにおけるアイデア出し」についてふりかえってみたいと思います。
そもそもANGELって何?
ANGEL Dojoでは次世代を担うAPNの若手のエンジニアの方々に、擬似プロジェクトを通じてアジャイル、DevOps、モダンなアプリケーション開発などのクラウドネイティブな手法と、様々なInnovationを作ってきたAmazonの文化と考え方を体験いただくことで、お客様にクラウドの価値を100%届けるための基礎的なスキルを実践を通して身につけていただきます。参加者の皆様はここで培ったスキルと、各パートナーの皆様がお持ちのそれぞれの強みを活かすことでお客様のビジネスを成功に導き、日本のITや経済をさらに成長させる主役、すなわち「APN Next Generation Engineer Leader」になっていただきます。
ざっくりいうと、APNパートナーの若手(IT経験 1-3年)エンジニア育成のため、「日本を元気にする何か」をAmazon的な方法でチーム開発しようぜ!というプログラムです。
詳しくは下記をご覧ください。
「日本を元気にする」APN Next Generation Engineer Leaders(ANGEL) Dojo のご紹介
ポイントとして、「日本を元気にする何か」は開始時に決まってないので、まずこれを決めるところからはじまります。
参加者層
IT経験 1-3年以内という参加条件なので、比較的若い人が多いと感じます。懇親会で会話した感覚としては新卒が多い印象でした(若手と言っても年齢での縛りはないのでアラサー世代も一定いるみたいです)。 また技術レベルもバラバラのようで、ITを始めたばかりという人からElasticSearchが得意という人までかなり幅があるようでした。
ちなみに弊社からは下記のようなメンバが参加しています。
- アプリ寄り x2
- インフラ寄り x3
なおメンバを社内Slackで募集したところ、5分と経たず5人集まったのは良い思い出です。みんなANGEL大好きですね。
日本を元気にするアイデアを考えてみた
考えてみたものの...
とりあえず「日本を元気にするってそもそも何よ?」を考えるブレストを一度やってみたものの設問が大きすぎて終わりが見えず、 「締め切りを決めて、それまでにメンバが日頃欲しいと思ったものを非同期でどんどんSlackに貼り付ける」スタイルになりました。
アイデアの例(ボツネタ)
出てきたアイデアでボツになった物を紹介します。
- 体型監視のためのスマートミラー
- 死亡時にデジタル資産を破壊するサービス
日本を元気にするはずが、死んだときのことを考えはじめたのは完全に迷走ですね。しかも案外盛り上がり、これにしちゃう?みたいな話にまで出てました。。
アイデアの分類
こんな感じで締め切りまでに20個くらいアイデアが出たので、ミーティングを開き、アイデアそれぞれについて発案者が30秒程度で説明、 ファシリテーターがホワイトボードに書き殴る、という方式でまず全量を把握しました。
それらについてカテゴリ分けを行ったところ、以下の3つのキーワードが見えてきました。
- コミュニケーション
- 学習
- 健康
アイデアの数はそこそこあったのに皆が欲しいものの根底は大体同じなんだなぁと感じたを覚えています。
ペルソナの構築
ペルソナとは、企業や商品の典型的なターゲットとなる顧客像のことです。ペルソナで定められる顧客像には、氏名や年齢、居住地、職業、年齢、価値観やライフスタイル、身体的特徴までのかなり細かい情報が盛り込まれます。
今思えば本来はこれを先にやるべきだったのかもしれません。 ただ自分たちが欲しいと思ったものを作ろうという流れになったので、「ペルソナ = 自分等 = IT経験の浅いエンジニア」と設定しました。 とは言え、それでは少し抽象度が高すぎたので、「めそ太郎」という名前を与え、メンバ各々の悩みをデフォルメしながら追加することで肉付けを行いました。
次のフェーズの話になりますが、ペルソナはアイデアから具体的な成果物を考える際の共通認識(困ったらペルソナの目線で考えてみる)となったので、出来るだけ具体的に作っておくことが重要であると感じました。 似顔絵なんか書いてみてもよかったかもなと思ったりしました。
苦労したポイントと対策
弊社チームは納得いくまで自分の考えを話したいタイプが多く、気がつけばあっという間に数時間が溶けているということがありました。 またこの手の作業はとても脳に負荷をかけるようで、だんだん何のために何をしようとしていたか分からなくなる、みたいな事態も経験しました。 ボツネタで書いた「死亡時にデジタル資産を破壊するサービス」はまさにそういった状態で生まれたアイデアです。そんな状態でも冷静にストップをかけてくれたメンバがいてくれた事には感謝しかありません。 これに関しては役割として(ファシリテーターと別に)タイムキーパーを設けることで対策としました。
またチームはリモートメンバも居るのですが、東京メンバがヒートアップし、リモートメンバの温度差が開くことも多々ありました。 こちらに関してはリモートメンバにファシリテーションをお願いすることで一定の改善がみられました。 また会話はDiscord(ゲーマー向け音声テキストチャットでラグが少ない)、テキストベースのアイデアの共有にはHackMD(複数人で同時編集可能なオンラインエディタ)を使用するなど技術による対策も実施しました。
個人的にとても迷ったのが、自分達エンジニアをペルソナにして良いのかどうかという点でした。 自分達がペルソナのベースであるため、ペルソナの課題をより高い解像度で理解することができることは非常に大きなメリットですが、 以前ビジネスサイドの知人から、エンジニアが好きなように物を作ってお蔵入りした話を聞いていたこともあり、バランス取りの難しさも感じていました。 今回どんな結果に繋がるのかまだ分かりませんが、可能な限り周囲の人間に批判的な意見を求めることを心がけることを対策としました。
おわりに
今回はANGELのアイデア出しの方法についてふりかえってみました。 簡単ではなかったものの、「日本を元気にする何か」という抽象から具体を落とし込むプロセスをチームでやるのは非常にエキサイティングでした。 また副次的ではありますが、アイデア出しの際に各メンバの考え方を知ることができたこともこれからのチーム開発のためによかったと思います。
この後はAmazonの「Working backwards」という方法でアイデアをより具体的な形にしていくのですが、それはまた別の機会にでも。
以上、何かのお役に立てれば幸いです。