[アップデート] AWS BackupがEBSやS3からの検索とアイテムレベルリカバリをサポートしました

[アップデート] AWS BackupがEBSやS3からの検索とアイテムレベルリカバリをサポートしました

バックアップ系のサードパーティ製品がなくてもILRができるようになりました

こんにちは、AWS事業本部 コンサルティング部の荒平(@0Air)です。
AWS Backupをお使いの皆様には大変嬉しいアップデートが来ました!

https://aws.amazon.com/jp/about-aws/whats-new/2024/12/aws-backup-search-item-level-recovery/

Amazon EBSのスナップショットか、Amazon S3のバックアップから検索およびアイテムレベルのリカバリ(ILR)を実施できるようになりました。
実施にはバックアップにインデックスの追加が必要です。

元々、アイテムレベルの復元に関してはAmazon EFSで対応していましたが、これがEBS, S3に拡充した形となります。

https://aws.amazon.com/jp/about-aws/whats-new/2020/01/aws-backup-delivers-fast-restore-experience-amazon-efs-item-level-recovery/

料金

執筆時点では、日本語ドキュメントがないため英語ドキュメントを参照してください。
東京リージョンの料金を示します。

内容 価格
S3 バックアップのインデックス作成(100万オブジェクトあたり) 0.108 USD
EBS スナップショットのインデックス作成(100万ファイルあたり) 0.24 USD
バックアップインデックスストレージ(保管された100万アイテムあたり月額) 0.024 USD
バックアップ検索(検索された100万アイテムあたり) 0.084 USD
S3 アイテムレベルの復元(1GBあたり) 0.024 USD
EBS アイテムレベルの復元(1GBあたり) 0.036 USD

やってみる

本エントリでは、一番需要がありそうなAmazon EBSのILRについて実施してみます。

バックアップインデックスの有効化

EBSの新規バックアップの際にインデックスを含めるか、既存のEBSスナップショットに対してインデックスを付与します。

新規バックアップの際は「バックアップインデックスの作成」にチェックを入れます。

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既存のスナップショットに対してバックアップインデックスを作成する際は、ボールトから設定できます。
(※いきなり失敗と出ていますが、後述の権限不足によるものです)

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バックアップインデックスの作成には新しく追加された権限が以下の必要です。

  • backup:ListIndexedRecoveryPointsForSearch
  • backup:SearchRecoveryPoint

これらの権限は、以下のマネージドポリシーに含まれています。

  • AWSBackupServiceRolePolicyForItemRestores
  • AWSBackupServiceRolePolicyForIndexing

利用するBackupのロールに新しいマネージドポリシーを追加してあげましょう。

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バックアップのインデックス作成は容量・オブジェクト数によりかかる時間は変動します。
筆者の場合、2GB、1400アイテムほどで約8分掛かりました。

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バックアップに対するインデックスが作成できました。

アイテムの検索

バックアップデータの中からアイテムを検索します。
ひとつ上の画像から「検索バックアップ」ボタンを押すことで、検索画面に移動できます。

アイテムプロパティはファイルパス・ファイルサイズ・ファイルの作成日から指定でき、必要なプロパティをここで指定しましょう。

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「検索を開始する」をクリックすると、検索が始まります。
検索が終わると、更新ボタンを押すことで一覧にアイテムがずらっと並びます。

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このバックアップはminecraftを動かしていたサーバのもので、ワールドデータやサーバ用のアプリケーションが格納されていました。
ファイルサイズ順に並び替えもできて嬉しいですね。

アイテムレベルリカバリ(ILR)

では、実際にアイテム単位で復元してみましょう。
復元したいアイテムを選択し、「復元」ボタンをクリックします。

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「ファイルレベルのリストア」になっていることを確認して、EBSのファイルパスを入力します。
一度で5パスまで復元可能です。

「宛先バケット」に復元先のバケット名を入れ、復元開始します。

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復元ジョブのステータスが「保留中」→「実行中」→「成功」になれば復元完了です。

完了すれば、S3バケットに指定したアイテム・フォルダのみが復元されます。

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実験では、100MB/2GBの読み込みでおよそ3分程度でした。

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おわりに

AWS Backupを利用する方はかなり多いと思いますし、EBSのリストアができるようになって嬉しい方も多いのではないでしょうか。
これまでILRはVeeamなどサードパーティ製品が必要で、ライセンス費用やAgentの導入などがネックになるケースが多かったのですが、このアップデートを見て乗り換えられそうなケースもありそうです。

注意点として、EBSとしてバックアップしていないもの(EC2とか)はインデックスを貼ることができなかったので、現時点では、EC2からEBSにバックアップの方法を変更する必要があります。

このエントリが誰かの助けになれば幸いです。
それでは、AWS事業本部 コンサルティング部の荒平(@0Air)がお送りしました!

参考

https://aws.amazon.com/jp/blogs/storage/streamline-search-and-item-level-recovery-with-aws-backup/

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