[アップデート] AWS Cost Optimization HubでCost Efficiencyメトリクスが追加されました!
こんにちは!クラウド事業本部のおつまみです。
AWS re:Invent前ということで、アップデートが盛り上がってますね!
そんな中、私の推しサービス AWS Cost Optimization Hub でもアップデートがありました!
AWS Cost Optimization Hubで「Cost Efficiency(コスト効率)メトリクス」がリリースされました!
早速確認してみよう!とのことで、今回はこの新機能の概要と使い方についてご紹介します。
3行まとめ
- AWS Cost Optimization Hubで「Cost Efficiency(コスト効率)メトリクス」が追加されました!
- 「Cost Efficiencyメトリクス」は、AWSクラウドリソースをどれだけ効果的に最適化しているかを測定するメトリクスです!
- 組織全体でコスト削減の進捗を可視化でき、チーム間や経営層との合意形成に役立ちます!
アップデートにより何が嬉しくなったのか
これまでAWS Cost Optimization Hubでは、コスト最適化の推奨事項(rightsizing、アイドルリソース、コミットメント割引など)と割引額を確認することはできました。
しかし、「組織全体としてどの程度コスト効率が良いのか」を統一的な指標で測定することは困難でした。
例えば「今月は先月に比べ、どのくらいコスト最適化が進んだのか」「全体のAWS利用量に対して、コスト効率はどの程度なのか」といった分析を行う際は、複数の推奨事項を個別に確認し、自前でこのようなダッシュボードを作成し、集計・評価する必要がありました。
そこで、今回のアップデートにより以下が実現できます。
- 組織全体のコスト効率を1つの指標で可視化
- 最適化可能な支出に対する潜在的な削減額の割合を自動計算
- 日次・月次での進捗トラッキング
この変更により、経営層への報告を行うCCoEやFinOps担当者などの作業効率が大幅に向上しそうです。
Cost Efficiency メトリクスとは?
Cost Efficiency メトリクスは、クラウド支出の効率性を測定する標準化された指標です。
計算方法
Cost Efficiency は以下の式で計算されます。
Cost Efficiency = [1 - (潜在的な削減額 / 最適化可能な支出総額)] × 100%
- 潜在的な削減額:これまでCost Optimization Hubダッシュボードで表示されていたコスト最適化の推奨事項(rightsizing、アイドルリソース、コミットメント割引など)です
- 最適化可能な支出総額:Cost Optimization Hub が推奨事項を提供するサービス(Amazon EC2 インスタンス、Amazon RDS データベースなど)に対する AWS 全体の支出です
よって、「潜在的な削減額」が0、つまりコスト削減できるアクションがない場合は、コスト効率が100%となり、完全に最適化された状態を示します。
逆に、潜在的な削減額が大きい場合は、スコアが低くなり、改善の余地が大きいことを意味します。
Cost Efficiency を追跡することで、組織のコスト最適化の取り組みがどれだけ効果を上げているかを定量的に測定できます。また、日次で更新されるため、施策の効果をリアルタイムで確認し、継続的な改善につなげることが可能です。
確認してみた
実際に新しいCost Efficiency メトリクスが、どのように表示されるか確認してみました。
マネジメントコンソールのトップ画面から節約の機会を選択します。

なおCost Optimization Hub はデフォルトだと無効になっている機能のため、無効の場合は以下を有効にしてください。
- AWS Compute Optimizer: 適切なサイズ設定とアイドル状態のリソースに関する推奨事項を提供します
- AWS Cost Optimization Hub: サービス全体の推奨事項を集約し、重複を排除します
- AWS Cost Explorer コスト管理の設定:削減額推定モードを
割引後に設定

有効化後、36時間以内にコスト効率が表示されるとのことなので、気長に待ちましょう。
私の環境は既に上記サービスや設定は有効化されていたのですが、アップデート発表直後は表示されず、翌日に表示されました。

ダッシュボードの雰囲気がかなり変わっていますね!
表示される情報
以下のような情報が表示されています。
Cost optimization overview (新機能)

- 潜在的な削減額
- 最適化可能な支出総額
- コスト効率
潜在的な削減額(従来のCost Optimization Hubダッシュボード)

各推奨カテゴリごとに:
- 最適化可能な支出額
- 潜在的な削減額
- 効率化への貢献度
私の環境には何も表示されていなかったのですが、表示されている場合はこのような見え方になります。

Cost efficiency(新機能)

- 有効化時点から過去90日分のデータが表示
- メトリクスは日次で自動更新
こちらも私の環境には何も表示されていなかったのですが、表示されている場合はこのような見え方になります。
- 日次

- 月次

月次の場合は効率性スコアは78.39%から40.29%に下がりました。これは、リソースの使用効率が38.1%減少したことを表しています。と表示されているのが、いいですね。
なお、AWS Blogでは、ビューを以下のように使い分けると良いと記載されていました。
日次ビューでは、最適化アクションの結果をすぐに確認し、効率の低下をすぐに把握できます。
月次ビューでは、より広範な傾向が明らかになり、インフラストラクチャの季節的なパターンを理解するのに役立ちます。
Optimization details (新機能)

- AWS アカウント (支払者アカウントとリンクされたアカウント)
- AWS リージョン
AWS Organizationsの管理アカウントからアクセスすると、すべてのAWSアカウントのコスト効率が確認できます。
どう役立つの?
Cost Efficiency メトリクスは、コスト最適化の取り組みを「見える化」し、組織全体でコスト意識を高めることができます。
経営層や上司への報告がラクになる
これまで:「今月はEC2を最適化して、◯◯円削減しました」
これから:「コスト効率が先月の80%から85%に改善しました。EC2のrightsizingとアイドルリソース削減により、全体で5%効率化されています」
数値で説明できるため、上司や経営層への報告資料が作りやすくなります。
社内での合意形成がスムーズに
「コスト効率をどう測るか」という議論は意外と難しいです。
FinOpsの原則でも、KPIを定義して組織全体で合意することは重要とされています。
そこでAWS公式の標準メトリクスがあることで、「この指標で測りましょう」と提案しやすくなり、施策の効果測定に集中できます。
日々の改善活動が見えるようになる
毎日更新されるグラフで、「昨日実施したインスタンス停止の効果が出ている」「今週はスコアが下がっているから確認しよう」といったように、リアルタイムでPDCAを回せます。
複数アカウント・部門での横比較ができる
開発環境は70%、本番環境は90%といった比較ができるため、「開発環境にまだ改善余地がある」と具体的にアクションを決められます。
チーム間でノウハウを共有する際にも役立ちます。
まとめ
今回はAWS Cost Optimization Hubの新機能「Cost Efficiency メトリクス」についてご紹介しました。
この指標を使えば、組織のクラウドコスト効率を標準化された指標で測定でき、より効果的なコスト最適化戦略を立てることができるなと思いました!
無料で使えるCost Optimization Hub、AWSお使いの方はぜひ有効化してみてください!
最後までお読みいただきありがとうございました!
以上、おつまみ(@AWS11077)でした!






