【新機能】AWS DMSでMulti-AZと継続的レプリケーションをサポートしました
ウィスキー、シガー、パイプをこよなく愛する大栗です。
昨日DMSのアップデートが大量に有ったのですが、特に気になったMulti-AZ構成と継続的レプリケーションのサポートについてご紹介したいと思います。
サマリ
DMSの大きな機能として、ワンタイムデータ移行、継続的データレプリケーションの2機能があります。DBデータの『移行』を目的としているので『長期間の』継続的データレプリケーションはサポートされていませんでした。DMSのMulti-AZの高可用性構成がサポートされたことにより、長期間の継続的データレプリケーションが正式にサポートされるようになりました。
実際にMulti-AZ構成を試す
DMSの利用方法の詳細は、以下の過去エントリーを参照ください。
AWS Database Migration Serviceを試してみた
過去エントリーの Replication Instance作成
で、以前と比べると Multi-AZ
の項目が増えていますのでYes
とします。それ以外は以前と同様に設定します。
また、Advanced
でSecurity Groupの設定が増えています。
Replication Instanceが起動するとIPアドレスが2個設定されます。
Endpoint
を作成します。今回はソース、ターゲットともにRDS for MySQLを使用しました。
同期元となるSource
を作成します。
同期先となるTarget
を作成します。
なお、RDS for MySQLをソースとする場合には、パラメータグループの設定内容を標準からする必要があります。
項目 | 設定値 |
---|---|
binlog_format | row |
binlog_checksum | none |
Using a MySQL-Compatible Database as a Source for AWS Database Migration Service
ではTaskを作成して実行してみます。
ソースのDBでテーブルを作成します。
mysql> create table tbl01(id int, name varchar(20)); Query OK, 0 rows affected (0.02 sec)
ターゲットのDBでテーブルを確認します。
mysql> show tables ; +----------------+ | Tables_in_mydb | +----------------+ | tbl01 | +----------------+ 1 row in set (0.00 sec)
ソースのDBでレコードを挿入します。
mysql> insert into tbl01 (id, name) values (1, "name1"); Query OK, 1 row affected (0.01 sec) mysql> select * from tbl01; +------+-------+ | id | name | +------+-------+ | 1 | name1 | +------+-------+ 1 row in set (0.01 sec)
ターゲットのDBでテーブルを確認します。
mysql> select * from tbl01; +------+-------+ | id | name | +------+-------+ | 1 | name1 | +------+-------+ 1 row in set (0.01 sec)
普通にデータがレプリケーションされます。今までのDMSと同じ使用感です。
最後に
今までと同様の使用方法でそのままMulti-AZ構成となります。一回の移行のためにDMSを使用する(データ移行がリトライできる)場合は今まで通りSingle-AZ構成でも良いと思いますが、データ移行のリトライが難しい場面や長期的なレプリケーションを行う場面ではMulti-AZ構成は必須と思われます。必要な場面でMulti-AZ構成を活用しましょう。
補足
今回DMSではMulti-AZ以外のアップデートも行われていますので、少しご紹介します。
- SSL接続のサポート
- SAP ASE(旧SAP Sybase ASE)のソース/ターゲットのサポート
- AWS Schema Conversion Toolで既存DWH(Oracle、Teradata)からRedshiftへの変換をサポート
- AWS Schema Conversion Toolで既存アプリケーションコードのSQL変換
- AWS Schema Conversion Toolでextension packを使ってメール、ジョブスケジューラ等の機能を変換
Schema Conversion Tooに大きなアップデートがされているので検証記事が欲しいですね。