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[アップデート]既存の利用状況から見積もりを作成できる新しいPricing CalculatorがGAされました
お疲れさまです。とーちです。
皆さん、Pricing Calculator使ってますか?つい最近のアップデートで新たなPricing Calculatorが使えるようになりました。実際に試してみたので紹介します。
従来のPricing Calculatorとの違い
Pricing Calculatorといえば、以下のURLからアクセスできるものを想像しますよね?
以前のPricing CalculatorはAWSアカウントなしでも使用することができました。新しく誕生したPricing CalculatorはAWSアカウントを持っていることが前提となります。ドキュメント上では「in-console AWS Pricing Calculator」と呼ばれていました。
AWSアカウントにログインしないと使えないなら以前のPricing Calculatorのほうが便利では?と思われるかもしれませんが、新しいPricing Calculatorには従来のものにはない以下のような便利機能を備えています。
- 既存の使用状況をインポートすることで、見積もりを作成可能
- Savings PlansやRIについて、契約内容を変更したらコストがどうなるかを事前に計算できる機能
- 割引前の料金と割引後の料金の両方を利用可能
- モデル化した特定のアプリケーションやワークロードのコスト見積りを作成可能
特に既存の使用状況をインポートできるというところが気になりますね。従来のPricing Calculatorでは手作業で一つ一つサービスを追加していく必要がありましたが、これが大幅に効率化されそうです。
料金について (2025/6/4 追記)
公式ドキュメント に料金についての記載があったのでこちらも記載しておきます。
てっきり無料かと思っていたのですが、条件次第では料金がかかります。
in-console AWS Pricing Calculatorでは、2種類の見積もりを作成できます。見積もりごとに料金体系が異なるので注意しましょう。
- ワークロード見積り:無料
- 請求見積り:
- 月に 5 回まで無料
- 5 回目以降の見積もりは、1 回につき 2 ドルの料金
実際に試してみる
in-console AWS Pricing Calculator には「請求とコスト管理」の左メニューから「料金見積もりツール」を選ぶことで入れます。
日本語設定だとプレビューとついてるんですが、英語だと以下のようにプレビューの記載はないですね。What's Newでもgenerally availableといってるのでGA扱いで良いと思います。
既存の使用状況をインポートして見積もりを作成
それでは既存の使用状況から見積もりを作成してみましょう。まずは、「ワークロード見積もりを作成」を押します。
すると以下のように見積もり名を入力する画面がでます。「料金を選択」という項目ではドキュメントを見る限りでは割引前と割引後のどちらかから選択できるように見えましたが、私の環境では割引前しか選択肢が出てきませんでした。
なお割引というのはドキュメントを見る限りでは以下を指しているようです。
- 「割引後」について:以下2つの割引を適用した後の金額で見積もりを作成
- Organizationsを使用している際の組織単位でのボリュームディスカウント
- 単独アカウントでのボリュームディスカウント
- 「After discounts and commitments」について:上記2つの割引に加え、以下の割引を適用した後の金額で見積もりを作成
- RI/SPなどの購入コミットメントによる割引
使用履歴のインポート手順
続いて見積もり項目を追加していきます。従来のPricing Calculatorではこれを手作業で一つ一つ追加していく必要がありました。in-console AWS Pricing Calculatorでは、ここで既存の使用状況をインポートできるというわけです。
まず追加から「マイアカウントの使用履歴」を選択します。
以下のような画面が出ます。
期間も指定して使用履歴に基づく見積もり項目を追加できるようです。いいですね。
フィルター機能の活用
「使用法を絞り込み」という項目で、以下のような条件で既存使用状況からフィルターをかけることができます。
例えばコスト配分タグを選択してその値を入力すると対象のコスト配分タグがつくリソースについてのみを見積もり項目として追加できるというわけです。アカウントを選ぶと既存AWSアカウントの全ての使用履歴を読み込もうとします。
一旦、アカウントを選んでやってみました。グループというのは、追加しようとしている見積もり項目をグルーピング化するためのもので、この後説明しますが、作成された見積もりではグループによるフィルターをかけることが出来たりします。
プレビューとインポートの実行
プレビューボタンかプレビュータブを押すと既存使用状況の確認が始まります。
最初、アカウント内の1ヶ月の全使用履歴をプレビューしようとしたのですが、なかなか終わらないので、直近2週間に変更して再度試したところ以下のように見積もり項目に追加する各行がプレビューされました。実際に見積もりを行う際には月ごとの料金を出すケースがほとんどだと思うので1ヶ月で指定したほうが良いと思います。
インポートを押すとこれらの見積もり項目が見積もりに追加されます。
見積もり結果の確認
見積もりに追加された状態が以下の画面です。指定した期間に使用されたAWSサービスが一通り追加されてるように見えますね。
各サービスの横の三角をクリックすると以下のようにサービスのUsageTypeごとに料金を表示してくれました。
「次でグループ化」のところをクリックするとグループ化の条件を変更できます。デフォルトではAWSサービスごとにグループ化されていますが、例えば先程出てきたグループの単位でグループ化することもできます。
エクスポート機能
また作成した見積もりはCSVまたはJSON形式でエクスポートすることもできます。
実際にCSV形式で出力してみました。このような形で出力できます。
請求見積もり機能について
「Savings PlansやRIについて、契約内容を変更したらコストがどうなるかを事前に計算できる機能」についても確認してみたかったのですが、こちらはワークロード見積もりではなく「請求見積もり」でないと使えない機能のようです。また「請求見積もり」はOrganizationsの管理アカウントでないと使用できなさそうでした。こちらのほうも気になるので、機会があれば試してみようと思います。
まとめ
新しい料金計算ツール、「in-console AWS Pricing Calculator」の紹介でした。
なかなか便利そうなので積極的に使っていきたいですね。
以上、とーちでした。