AWSのセキュリティを学ぶためのコンテンツがまとめられた「AWS Ramp-Up Guide: Security, Identity and Compliance」を調べてみた
こんにちは、AWS事業本部@福岡オフィスのべこみん(@beco_minn)です。
突然ですが、皆さんは AWS Ramp-Up Guides をご存知ですか?
AWSでは、技術ドキュメントやブログ、デジタルトレーニングなど、様々な公式の学習コンテンツが展開されています。
ただ、その数が膨大過ぎて何をすれば良いのか分からない、何を参考にすれば良いのか分からない。そんな方向けに各種学習コンテンツが整備されたものが AWS Ramp-Up Guides です。
AWS Ramp-Up Guides とは
上述しましたが、 AWS Ramp-Up Guides とは、AWSが提供している「AWSを学習するためのガイド」です。
ガイドはロール別やソリューション別、業種別に公開されていて、各ガイドには様々な公式学習コンテンツが掲載されています。
セキュリティのガイドは ↓
https://d1.awsstatic.com/ja_JP/training-and-certification/ramp-up_guides/Ramp-Up_Guide_Security.pdf
セキュリティのガイドに掲載されているコンテンツ一覧
コンテンツの種類はデジタルトレーニング、ラボ、クラスルーム、ドキュメント、ワークショップなど様々です。
それぞれの概要を下記にまとめます。
- デジタルトレーニング
- AWS Skill Builderのコンテンツ
- 動画とテキストで構成されている
- 無料
- ラボ
- AWS Skill Builderのコンテンツ
- 用意されたAWS環境を使ってのハンズオン
- 個人は月額 $29 のサブスクライブで利用可能
- クラスルームトレーニング
- AWSもしくはパートナー企業が提供するトレーニングコース
- 世界各地でのオフライン、オンラインで開催
- 有料
- ゲームベース学習
- AWS Skill Builderのコンテンツ
- AWS Cloud Quest
- こちらの記事 で紹介
- 動画
- AWSが公開している動画(YouTube)
- ワークショップ
- AWSが公開しているワークショップ
- 無料
- 技術ガイド
- サービスごとに用意されている技術ガイド
- ブログ
- ソリューションやサービスごとに記載されている公式ブログ
- ドキュメント
- AWSがソリューションやサービスごとに公開しているドキュメント
- ウェブサイト
- AWSサービスやソリューションの公式ウェブサイト
- ホワイトペーパー
- 特定の分野についてAWSサービス等がまとめられた技術解説書
AWS Skill Builderについては下記をご参照ください。
以下はセキュリティのガイドに掲載されているコンテンツ一覧です。
AWSクラウドに関する基礎を学ぶ
タイトル | 種類 | 言語 | 推定所要時間 |
---|---|---|---|
AWS Cloud Practitioner Essentials | デジタルトレーニング | 日本語 | 6時間 |
AWS Technical Essentials | デジタルトレーニング | 日本語 | 5時間 |
AWS Compute Services Overview | デジタルトレーニング | 日本語 | 5時間 |
Building Your First Amazon Virtual Private Cloud (VPC) | ラボ | 日本語 | 1時間30分 |
Introduction to AWS Lambda | ラボ | 日本語 | 45分 |
Introduction to Amazon Simple Storage Service (S3) | ラボ | 日本語 | 1時間 |
クラウドセキュリティの基礎
タイトル | 種類 | 言語 | 推定所要時間 |
---|---|---|---|
AWS Security Essentials | クラスルームトレーニング | 日本語 | 1日 |
AWS Security Fundamentals (Second Edition) | デジタルトレーニング | 日本語 | 2時間 |
Identity and Access Management (IAM)
タイトル | 種類 | 言語 | 推定所要時間 |
---|---|---|---|
Introduction to AWS Identity and Access Management (IAM) | デジタルトレーニング | 日本語 | 10分 |
AWS Identity and Access Management - Architecture and Terminology | デジタルトレーニング | 日本語 | 15分 |
Introduction to AWS Organizations (Japanese) | デジタルトレーニング | 日本語 | 6分 |
Getting Started with AWS Control Tower | デジタルトレーニング | 英語 | 1時間 |
Introduction to Amazon Cloud Directory | デジタルトレーニング | 英語 | 10分 |
Introduction to AWS Security Token Services (STS) | デジタルトレーニング | 英語 | 20分 |
AWS Identity and Access Management (IAM) - Troubleshooting | デジタルトレーニング | 英語 | 1時間 |
Introduction to AWS Identity and Access Management (IAM) | ラボ | 日本語 | 45分 |
Rogue Permissions Challenge | ラボ | 日本語 | 2時間 |
脅威の検出とインシデントへの対応
タイトル | 種類 | 言語 | 推定所要時間 |
---|---|---|---|
Getting Started with AWS Security Hub | デジタルトレーニング | 英語 | 1時間 |
Getting Started with Amazon GuardDuty | デジタルトレーニング | 英語 | 1時間 |
Introduction to Amazon Inspector | デジタルトレーニング | 英語 | 15分 |
Getting Started with AWS CloudTrail | デジタルトレーニング | 日本語 | 1時間 |
Getting Started with Amazon Detective | デジタルトレーニング | 英語 | 1時間 |
Threat Modeling for Builders Workshop | デジタルトレーニング | 英語 | 6時間 |
AWS Security Best Practices: Monitoring and Alerting | デジタルトレーニング | 英語 | 2時間 |
Scale Your Security Vulnerability Testing with Amazon Inspector | ラボ | 日本語 | 2時間30分 |
データ保護
タイトル | 種類 | 言語 | 推定所要時間 |
---|---|---|---|
Introduction to Data Encryption | デジタルトレーニング | 英語 | 10分 |
Introduction to Amazon Macie | デジタルトレーニング | 英語 | 10分 |
Introduction to Amazon Certificate Manager Private Certificate Authority | デジタルトレーニング | 英語 | 15分 |
Introduction to AWS Key Management Service | ラボ | 日本語 | 1時間 |
インフラストラクチャのセキュリティ
タイトル | 種類 | 言語 | 推定所要時間 |
---|---|---|---|
Protecting Your Instance with Security Groups | デジタルトレーニング | 日本語 | 7分 |
Differences Between Security Groups and NACLs | デジタルトレーニング | 日本語 | 7分 |
Getting Started with AWS Systems Manager | デジタルトレーニング | 英語 | 1時間 |
AWS Networking Basics | デジタルトレーニング | 日本語 | 2時間 |
AWS Security Best Practices: Network Infrastructure | デジタルトレーニング | 英語 | 1時間30分 |
AWS Security Best Practices: Computing | デジタルトレーニング | 英語 | 2時間 |
Protect Your Web-facing Workloads with AWS Security Services | デジタルトレーニング | 英語 | 40分 |
AWS Systems Manager | デジタルトレーニング | 日本語 | 3時間 |
Deep Dive on Container Security | デジタルトレーニング | 日本語 | 30分 |
Securing the Endpoint | ラボ | 日本語 | 1時間15分 |
Controlling the Network | ラボ | 日本語 | 1時間 |
コンプライアンス
タイトル | 種類 | 言語 | 推定所要時間 |
---|---|---|---|
AWS Security Governance at Scale | クラスルームトレーニング | 日本語(※1) | 1日 |
Cloud Audit Academy | デジタルトレーニング | 日本語 | 3時間 |
Getting Started with AWS Config | デジタルトレーニング | 日本語 | 1時間30分 |
Getting Started with AWS Audit Manager | デジタルトレーニング | 英語 | 1時間30分 |
Introduction to AWS Artifact | デジタルトレーニング | 英語 | 1時間10分 |
Intro to Healthcare and Life Sciences (HCLS) Compliance on AWS | デジタルトレーニング | 英語 | 15分 |
Security Governance at Scale – Technical(※2) | デジタルトレーニング | 英語 | 4時間 |
Auditing Amazon Simple Storage Service (Amazon S3) Security | デジタルトレーニング | 日本語 | 1時間 |
Security Governance at Scale – Technical (Digital) | デジタルトレーニング | 英語 | 4時間 |
Cloud Audit Academy for Federal and DoD Workloads in AWS – Interactive Walkthroughs(※3) | デジタルトレーニング | 英語 | 3時間 |
Performing a Basic Audit of your AWS Environment | ラボ | 日本語 | 1時間 |
※1 私が調べたタイミングで日本語のクラスはありませんでしたが、日本語での提供も可能なようです。
※2 ガイドには「Security Governance at Scale – Technical」に「Security Governance at Scale – Technical (Digital)」と同じリンクが貼られていました。カタログでコースを検索したところ、同じようなコンテンツとして「AWS Partner: Security Governance at Scale (Technical)」があったので下表に記載しておきます。
タイトル | 種類 | 言語 | 推定所要時間 |
---|---|---|---|
AWS Partner: Security Governance at Scale (Technical) | デジタルトレーニング | 英語 | 4時間 |
AWS Partner: Security Governance at Scale (Technical) | デジタルトレーニング | 日本語 | 4時間 |
※3 こちらも実際の掲載リンク先の内容が表記内容が一部異なっていたので、リンク先に合わせて表の内容を修正しています。
セキュリティのまとめ
タイトル | 種類 | 言語 | 推定所要時間 |
---|---|---|---|
AWS Security Best Practices | クラスルームトレーニング | 英語(※4) | 1日 |
Security Engineering on AWS | クラスルームトレーニング | 日本語 | 3日 |
AWS Cloud Quest: Security | ゲームベース学習 | 英語 | |
Exam Readiness: AWS Certified Security - Specialty | デジタルトレーニング | 日本語 | 4時間 |
Exam Prep Official Practice Question Set : AWS Certified Security - Specialty (SCS-C02 - English)(※5) | デジタルトレーニング | 英語 | 1時間 |
※4 私が調べたタイミングで日本語のクラスはありませんでしたが、日本語での提供も可能なようです。
※5 AWSの認定資格 AWS Certified Security – Specialty
の模擬問題集です。コースカタログには日本語版も新たに追加されていたので、下表に記載しておきます。1つ目は上表と同じく20問の模擬問題集ですが、2つ目は65問170分の模擬試験です。そのため、2つ目はラボと同様サブスクリプションが必要なデジタルトレーニングとなっています。
タイトル | 種類 | 言語 | 推定所要時間 |
---|---|---|---|
AWS Certified Security - Specialty Official Practice Question Set (SCS-C02 - Japanese) | デジタルトレーニング | 日本語 | 1時間 |
AWS Certified Security - Specialty Official Practice Exam (SCS-C02 - Japanese) | デジタルトレーニング | 日本語 | 3時間 |
その他の有用なリソース
ここまでは主にAWS Skill Builderのコンテンツが紹介されてきましたが、ここからはその他の有用なリソースとしてSkill Builder以外のコンテンツが紹介されています。
特にワークショップは実際に手を動かせるので知識としても定着しやすくオススメのコンテンツです。
脅威の検出とインシデント対応
タイトル | 種類 | 言語 | 推定所要時間 |
---|---|---|---|
AWS Security Incident Response Guide | 技術ガイド | 英語 | - |
Logging strategies for security incident response | ブログ | 英語 | - |
AWS re:Invent 2022 - [NEW LAUNCH!] Introducing Amazon Security Lake (SEC216) | 動画 | 英語 | 約40分 |
Amazon GuardDuty と Amazon Detective を使用した脅威検知と対応(※6) | ワークショップ | 日本語 | 3時間 |
AWS Security Hub ワークショップ | ワークショップ | 日本語 | 3時間 |
Unauthorized IAM Credential Use - Simulation and Detection | ワークショップ | 英語 | 90分 |
※6 このワークショップを実施するためにはイベントで配布されるサンドボックスアカウントが必要なようです。
Identity and Access Management (IAM)
タイトル | 種類 | 言語 | 推定所要時間 |
---|---|---|---|
AWS re:Invent 2018: [REPEAT 1] Become an IAM Policy Master in 60 Minutes or Less (SEC316-R1) | 動画 | 英語 | 約1時間 |
AWS re:Invent 2022 - Simplify your existing workforce access with IAM Identity Center (SEC207) | 動画 | 英語 | 約1時間 |
Using IAM Identity Center (successor to AWS Single Sign-On) to achieve strong identity management | ワークショップ | 英語 | 1時間~3時間 |
How and when to use different IAM policy types | ワークショップ | 英語 | 1時間30分〜2時間 |
データ保護
タイトル | 種類 | 言語 | 推定所要時間 |
---|---|---|---|
Encryption On AWS - Tutorial | ワークショップ | 英語 | 約3時間30分〜7時間(1章あたり30分〜1時間) |
AWS KMS を使用した保管中の暗号化機能の拡張 | ワークショップ | 日本語 | - |
AWS Secrets Manager Workshop(※7) | ワークショップ | - | - |
AWS re:Inforce 2022 - Amazon Macie for data protection and governance (TDR206) | 動画 | 英語 | 約1時間 |
Data Discovery and Classification with Amazon Macie(※8) | ワークショップ | - | - |
AWS cryptographic services and tools | ドキュメント | 英語 | - |
※7 こちらのワークショップはガイドに記載のリンクが切れていました。類似のSecrets Managerを使ったワークショップを下表に記載します。
タイトル | 種類 | 言語 | 推定所要時間 |
---|---|---|---|
AWS Secrets Manager を使用した認証情報の保存、取得、管理 | ワークショップ | 日本語 | 1時間〜2時間 |
※8 こちらのワークショップもリンクが切れていました。類似のワークショップも無いようです。類似のワークショップではないですが、Amazon Macieを使ったワークショップは下表のようなものもありました。
タイトル | 種類 | 言語 | 推定所要時間 |
---|---|---|---|
Visualizing and Reporting Sensitive Data in your S3 Buckets | ワークショップ | 英語 | 45分 |
インフラストラクチャのセキュリティ
タイトル | 種類 | 言語 | 推定所要時間 |
---|---|---|---|
AWS WAF Workshop | ワークショップ | 英語 | 2時間 |
上記ワークショップは私も実施したのですが、どうやらこのワークショップは古いようでいくつか現在の仕様と異なる箇所がありました。そのため、これから実施される方には下記ワークショップを推奨します。
タイトル | 種類 | 言語 | 推定所要時間 |
---|---|---|---|
Protect your application security perimeter with AWS WAF | ワークショップ | 英語 | 約30分 |
コンプライアンス
タイトル | 種類 | 言語 | 推定所要時間 |
---|---|---|---|
コンプライアンスのリソース | ウェブサイト | 日本語 | - |
AWS コンプライアンスソリューションガイド | ウェブサイト | 日本語 | - |
Amazon Web Services: リスクとコンプライアンス | ホワイトペーパー | 日本語 | - |
Management and Governance Cloud Environment Guide | ドキュメント | 英語 | - |
How to protect sensitive data for its entire lifecycle in AWS | ブログ | 英語 | - |
Prepare for an Audit in AWS Part 1 – AWS Audit Manager, AWS Config, and AWS Artifact | ブログ | 英語 | - |
追加のリソース
タイトル | 種類 | 言語 | 推定所要時間 |
---|---|---|---|
AWS アカウントのセキュリティを改善するための 10 個の項目 | ブログ | 日本語 | - |
まとめ
コンテンツ数が膨大なので全てのコンテンツの詳細については触れられませんが、「Getting Started with〜」や「Introduction to〜」というタイトルのコンテンツはかなり初歩的な内容です。
AWSはある程度分かるけど、これからAWSにおけるセキュリティについて学びたい、という方は「インフラストラクチャのセキュリティ」の章や「セキュリティのまとめ」の章以降のコンテンツを中心に参照されると良いかもしれません。
本記事がどなたかのお役に立てれば幸いです。
以上、べこみんでした。