[レポート] 経営者の視点からAWSのカスタマージャーニーを理解する #AWSreInvent #NTA101

Your journey with AWS: Executive lens into your organization journey(NTA101)のセッションレポートとなります。
2023.12.09

はじめに

ネクストモードの南です。

re:Invent 2023で行われたBreakOutセッションYour journey with AWS: Executive lens into your organization journey(NTA101)のセッションレポートをお届けします。

セッション概要

This session is for executives (CXOs, VPs, and directors) who would like to move to the cloud, are in the process of moving to the cloud, or are already in the cloud but need to understand the typical customer journey. This session covers identifying different customer personas and where you fit in, the typical customer journey map and where you are on that journey, and aligning your organizational goals with your AWS journey map. Also learn how to think about two-pizza team culture using Amazon’s pace of innovation mental model, the foundational services for any organization for strategic growth, and resources from AWS.

このセッションは、クラウドへの移行を希望している、またはクラウドへの移行を進めている、あるいはすでにクラウドを利用しているが典型的なカスタマージャーニーを理解する必要があるエグゼクティブ(CXO、副社長、取締役)を対象としています。このセッションでは、様々な顧客ペルソナを特定し、そのペルソナがどこに当てはまるのか、典型的なカスタマージャーニーマップとそのジャーニー上のどこにいるのか、組織の目標とAWSのジャーニーマップの整合性について説明します。また、Amazonのイノベーションメンタルモデルを用いて、two-pizza team cultureについて考える方法、戦略的成長のためのあらゆる組織の基盤サービス、AWSからのリソースについても学びます。

セッション動画

セッション動画はYoutubeで公開されてます。

見どころ

本セッションは組織の経営層や意思決定者向けに、クラウドの導入や組織に拡大していくための進め方を紹介するセッションとなっています。

単にポイントが解説されるのではなく、具体的な4つのユーザー像を設定し、それぞれのユーザーが抱える課題を通して次のステップを考察していく、というストーリー仕立てとなってます。 自社のケースなども重ねながら課題や解決策に触れることができ、具体的なAWSカスタマーの事例も豊富に紹介されているので、理解しやすいセッション内容になっています。

レポート内容

最初に、ペルソナとなる4つのユーザー像が紹介されます。
このユーザーを通して、具体的な課題を検討したり次のステップを検討する、という流れでセッションが進んでいきます。 この記事ではポイントとなる点をピックアップして記載していますが、セッション内ではパーソナリティの面まで細かく紹介されているのが面白いですね。

  • Tedのケース
    • 中堅の製造業者のIT事業部長
    • キャリアの大半をデータセンターで歩んできており、クラウドには詳しくない
    • 来年に向けて安全で信頼性が高く、コスト効率の良いディザスタリカバリ戦略を考えなければならない

  • Ursulaのケース
    • エネルギー事業会社の上級役員
    • 最近AWSのアソシエイト資格を取得した
    • 直近ではディザスタリカバリのプロジェクトを成功させている
    • 上司からクラウドによるイノベーション促進プロジェクトの実行を依頼されたが、どう進めるべきか迷っている

  • Femiのケース
    • 粉ミルク会社の共同創業者兼CTO、ここ数年で会社を急速に成長させた
    • AWSを日常的に使っており、セキュリティやSAPに詳しい
    • IT資産をAWSに移行するプロジェクトを進めている
    • 一方で、投資対効果を判断する方法や整理されたロードマップを持っておらず、社内や役員を納得させられないことに悩んでいる

  • Sallyのケース
    • 技術部門長としてライフサイエンス企業に最近採用された
    • AWSに非常に詳しい
    • ライフサイエンス企業は過去にペタバイト規模のデータをAWSに移行した
    • 移行したデータの有効活用ができておらず、会社にデータ収益化の構想やデジタル戦略のロードマップが欠けていることに問題意識を持っている

続いて、紹介された4つのユーザー像をモデルケースにして、それぞれのケースについて課題に対してどう取り組んでいくべきか、またAWSで推奨されるプログラムなどが紹介されます。

  • Tedが進むべきステップ
    1. AWSのアカウントチームと会話し、クラウドの基本概要やコストの考え方についてアドバイスをもらう
    2. オンプレミス環境の資産を精査する
    3. 具体的なDRソリューションをAWSのソリューションアーキテクトと検討する
    4. DRプロジェクトを実行に移す
  • Tedに推奨するプログラム
    • AWSパートナーネットワーク Immersion Daysに参加して、ラボ環境でAWSサービスについての理解を深める

  • Ursulaが進むべきステップ
    1. AWSのアカウントチームとビジョンの共有や、強固なクラウドインフラを構築するためのソリューションを相談する
    2. エネルギー事業に精通したAWSのエンジニアと協力し、プロジェクトのアイディアをいくつか出す
    3. アイディアを精査し優先順位付けをする
    4. 上司の承認をもらいプロジェクトを実行に移す
  • Ursulaに推奨するプログラム


  • Femiが進むべきステップ
    1. AWSのアカウントチームとプロジェクトや計画を共有する
    2. クラウド移行後の運用モデルについて検討する
    3. AWSやパートナーと共にビジネスケース(投資計画)を作成する
    4. プロジェクトを実行に移す
  • Femiに推奨するプログラム
    • AWSのクラウドエコノミクスのプログラムを使い、現在とクラウド移行後のコストモデルやビジネスケースを作成する


  • Sallyが進むべきステップ
    1. AWSのアカウントチームとデジタル戦略のビジョンを共有し、ロードマップを作成する
    2. AWSのアカウントチームから同業他社のユースケースやベストプラクティスを共有してもらい、デジタル戦略を構築する
    3. ビジネスパートナーや各事業部と一緒に戦略を掘り下げる
    4. デジタル戦略を実行に移し、イノベーションの文化を加速させる
  • Sallyに推奨するプログラム
    • AWS Executive Briefing Center(EBC)を訪れて、Amazonの開発プロセスやカルチャーに触れる
    • AWSカスタマーのユースケースとしてCaris Life Sciences社のセッションを聞く


セッション内では他にもAWSカスタマーの事例やプログラムの詳細なども紹介されています。 ご興味のある方はYoutubeに公開されている本セッションの動画をご覧ください。

おわりに

Your journey with AWS: Executive lens into your organization journey(NTA101)のセッションレポートをお届けしました。

組織の抱える課題やAWSの推奨するステップを4つの具体的なユーザー像を通して理解することができる、面白いセッションでした。次のステップや推奨するプログラムとして紹介されている内容も具体的で参考になる部分が多く、実際の事例などにも活用していきたいと思える内容になっています。
また、re:Inventのセッションが続々とYoutubeで公開されていますが、本セッション内ではre:Inventで開催されたAWSカスタマーのセッションの紹介もされています。AWSカスタマーの事例を参考にしたい、という場合には、本セッションを入り口としてご活用ください。

ネクストモードについて

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