【レポート】サントリーグループにおけるグローバル IT インフラ統合への道のり #reinvent #ENT251-G

AWS re:Invent 2020のセッション「サントリーグループにおけるグローバル IT インフラ統合への道のり」のセッションレポートです。 大規模なクラウド移行をどのように計画・実施したか、経験から得た移行のポイントが解説されている貴重な事例紹介です。
2020.12.02

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はじめに

こちらは AWS re:Invent2020のセッション サントリーグループにおけるグローバル IT インフラ統合への道のり (12/01 14:00-14:20 JST 配信) のレポートとなります。

セッション概要、および所感を書かせていただきます。

AWS re:Invent 2020 の公式サイト

AWS re:Invent 2020の公式サイトはこちら↓です。

セッションレポート

セッション情報

サントリーグループでは、グローバルにおける M&A の加速とシナジーの創出を目指し、 AWSを活用したグローバルITインフラ統合プロジェクトを推進しています。 本セッションでは、本プロジェクトの概要、 先行して実施した日本での移行プロジェクトの内容、 具体的な取り組みのポイントと成果についてご紹介します。 また、さらなる安定稼働や最新サービス活用に向けた今後の方向性についても 併せてご紹介します。

  • スピーカー(敬称略)
    • 岡嵜 禎, 執行役員 技術統括責任者
    • 加藤 芳彦, 取締役 基盤サービス部長, サントリーシステムテクノロジー株式会社
  • トピック: Enterprise/Migration
  • セッションレベル: Intermediate - 200
  • セッションID: ENT251-G

クラウドへの移行がなぜ重要か

スピーカー(敬称略): 岡嵜 禎, 執行役員 技術統括責任者

  • "組織の俊敏性を高め、迅速なビジネスの意思決定、実行する能力がより重要な時代に"
  • クラウド活用の道のり
    1. クラウドネイティブ
    2. リフト & シフト

サントリーグループにおけるグローバル IT インフラ統合への道のり

スピーカー(敬称略): 加藤 芳彦, 取締役 基盤サービス部長, サントリーシステムテクノロジー株式会社

サントリーの紹介

  • 食品事業、酒類事業、健康食品事業を柱とする
  • グローバルにも展開。全世界 300社以上のグループ会社
  • サントリーシステムテクノロジー … サントリーグループの中の唯一のITサービス会社。DX推進を支援

グローバルITインフラ統合

  • プロジェクト概要
    • これまで: インフラ(データセンターやネットワーク)をリージョンごとに持っていた
    • 目指す姿: ITインフラ・運用の共通部分をグローバルに統合する
  • 統合イメージ
    • 5つのリージョンにハイブリットクラウドを実装
    • 各社の業務システムを最寄りのリージョンに移行
    • グローバルオペレーションセンター を構築して、統合運用
    • 基本 AWSへの移行
  • スケジュール
    • 2019/04/01 スタート
    • 日本が先陣を切ってスタートして、移行完了
    • ほかリージョンも 日本プロジェクトのノウハウを基に順次移行

日本の取り組み AWSジャーニー

  • AWSジャーニー
    • 2015年 2016年: AWSへの取り組み準備期間
    • 2017年 2018年: クラウドネイティブ挑戦
    • 2019年 2020年: クラウドジャーニー本格開始
    • 2021 〜: クラウド最適化実現
  • アプローチ方法(クラウドネイティブ or リフト&シフト) は資産ごとに最適な手法を選択
  • 移行スケジュール
    • 約 1年半で実現
    • 移行中はオンプレ・新環境ともに本番稼働状態
      • → 両者の稼働保証を行う難易度が高かった
    • リスクの高いものから移行する計画
      • → 想定以上の課題を早期発見することができた
    • 2020/08 にはオンプレデータセンターを解約して AWSへの移行が完了

日本の取り組み 移行のポイント

  • 早めに決めるべきこと
    • 移行後の構成
    • 移行方法
    • 移行対象
  • 「AWSプロフェッショナルサービス」を活用して利用するAWSサービスなど決めていった
  • 移行方法の観点でサーバーをグループ化することで移行を効率化できた
  • 移行開始後のポイント
    • 業務システムの検証内容を事前に決める
    • 移行後の構成、移行手順、システム検証内容を常に見直す
    • リスク回避策の準備に時間をかける
    • AWSならではのノウハウを習得する

日本の取り組み 良かったこと

  • 「インフラ稼働率が AWSサービスレベルになった」「構築のリードタイム短縮」が大きい
  • コスト面 … リセラーのプログラムや AWSのエンタープライズ向けプログラムでコスト節約
  • ハードウェア・ソフトウェアの資産管理からの開放

日本の取り組み 課題と対策

  • 課題と対策
    • データ移行に想定以上の時間を要した
      • → AWS Direct Connect の増幅、移行先サーバーのチューニング
    • パフォーマンスが出ない
      • → ストレージ関連のチューニング (プロビジョンド IOPS活用など)
    • …など
  • AWS Enterprise Support を採用、AWS との協業のもと対策

日本の取り組み 今後の取り組み

  • 今後の取り組み
    • セキュリティ対策強化
    • コスト管理: アラートの仕組みなど
    • 人材育成: 社内勉強会
    • …など
  • Well-Architected 準拠を推進。AWSの恩恵をフルに享受

おわりに

以上 セッションレポートでした。

サントリーグループのインフラ統合はAWS導入事例のページにも 情報あります。

移行後の振り返りもしっかり実施され、 ノウハウ・改善点を次の移行で活かす姿勢は素晴らしいです。 大規模なクラウド移行の道のり(具体的なスケジュール・苦労した点)や、 経験から得た移行のポイントが解説されている 良いセッションでした。

これからオンプレからの移行を推進したい方々にとって、 とても参考になるセッションだと思います。 ぜひ re:Invent2020 ページからセッション御覧ください!

AWS re:Invent 2020 は 12/19(JST)まで開催中です!

参加がまだの方は、この機会に是非こちらのリンクからレジストレーションして豊富なコンテンツを楽しみましょう!

AWS re:Invent | Amazon Web Services