Savings Plans購入時に「オーバーコミットしている可能性があります」と表示されたときの確認手順

Savings Plans購入時に「オーバーコミットしている可能性があります」と表示されたときの確認手順

AWSでSavings Plansを購入する際に出る「オーバーコミット警告」について、その原因と判断方法を解説します。一括請求環境やSP更新時には実態と異なる警告が出やすいため、正しく判断するための確認手順をまとめました。
2026.08.28

はじめに

こんにちは。くどうです。AWSマネジメントコンソールからSavings Plans(以下SP)をカートに追加しようとしたときに、こんな警告が出たことはないでしょうか。

SCR-20260828-obxx.png

さらに、案内に従って「推奨事項の表示」をクリックしてページを開いてもグラフが真っ白で何も表示されないというケースがあります。

弊社のクラスメソッドメンバーズでAWSアカウントをご利用のお客様では、この警告は無視して購入して問題ない というケースがあります。
その場合の「無視してよい」と判断するための手順をまとめます。

先にまとめ

  • この警告は「購入操作を行うアカウント単体の直近30日間のオンデマンド料金」だけを見て出ている
  • そのため、一括請求(Consolidated Billing)環境SPの更新(買い直し) のケースでは、実態と異なる警告が出やすい
  • 判断するには、Billing and Cost Managementコンソールの 使用状況レポートカバレッジレポート の2つを見る
  • 「使用率100%」かつ「カバレッジ100%未満」なら、オーバーコミットには該当しない

なぜ警告が出るのか

理由1:判定は「購入するアカウント単体」の実績で行われる

オーバーコミットの判定およびSPの推奨事項は、Organization全体ではなく、購入操作を行うアカウントの使用状況をもとに計算されます。メンバーアカウントで購入する場合は、そのメンバーアカウントの使用状況が対象になります。

ここが一括請求環境で問題になります。管理アカウント側で購入されたSPやRIがメンバーアカウントに適用されている場合、そのメンバーアカウント単体で見るとオンデマンド料金がほとんど発生していないように見えます

AWSから見れば「このアカウントは過去30日間ほとんどオンデマンド料金が出ていないのに、SPを買おうとしている」という状態なので警告が出ます。

推奨事項ページのグラフが表示されない(記録がないように見える)のも同じ理由です。参照すべきオンデマンド料金の実績が、そのアカウント単体では見えていないためです。

理由2:既存SPでカバー済みの利用は推奨事項の需要に含まれない

推奨事項の判定材料は「過去の使用状況データ」、つまり実際に発生したオンデマンド料金です。

既存のSPで割引が効いている利用は、オンデマンド料金としては記録されません。
記録に残るのは「SPでカバーしきれなかった残り」だけです。

具体的にはこうなります(金額は仮のものです)。

金額
SP適用対象の利用(全体) $110/時 相当
うち既存SPでカバーされている分 $100/時
カバーされず残っているオンデマンド料金 $10/時

この状態で、期限を迎える既存SPを更新するため $100/時 のSPを買おうとすると、
AWS側には「直近30日のオンデマンド料金は $10/時 なのに、$100/時 買おうとしている」
と見えます。10倍の買いすぎに見えるので警告が出るしくみです。

実際には、既存SPが切れれば今カバーされている $100/時 はまるごとオンデマンド課金に戻ります。
しかしその情報は「未来の話」なので、「過去の使用状況データ」には入っていません。

つまりSPの更新(買い直し)は、構造的にオーバーコミットと判定されやすいということです。

判断のための確認手順

「警告を無視してよい」と判断するために、コンソールで2つのレポートを確認します。

Billing and Cost Management → Savings Plans から辿れます。

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検索欄に「cost」と打つと出てきます

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左メニューの下の方に行くとあります

① 使用状況レポート(Utilization Report)

買ったSPの枠のうち、どれだけ消化できているか」を見るレポートです。

  • 使用率100% → コミットした金額を1ドルも余らせずに使い切っている → 「すでにSPを買いすぎている状態ではない」ということになります

グラフが全期間100%に張り付いていれば、過去にオーバーコミットした実績はゼロということです。

使用状況レポートサンプル.png
使用状況レポートの画面

右上の日付範囲から任意の期間を選んで確認しましょう。SPを1年で買っているなら1年に設定します。

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② カバレッジレポート(Coverage Report)

SP適用対象の利用のうち、どれだけSPが効いているか」を見るレポートです。

  • カバレッジ100%未満 → SPが適用されていないオンデマンド利用がまだ残っている → 「まだ買う余地がある」ということになります

「Savings Plans のカバレッジの内訳」テーブルで、対象のインスタンスファミリー(c6i、m6iなど)の行を見ると、「Savings Plan の対象となる支出」と「オンデマンド支出」が並んで表示されます。オンデマンド支出が残っていれば、その分は割引が効いていない利用です。

カバレッジレポートサンプル.png

まとめ

以上の状態が確認できれば、実態としてはオーバーコミットになっていないので、そのまま購入してOKです。

  • 「オーバーコミットしている可能性があります」の警告は、購入するアカウント単体の直近30日間の実績だけを見て出ている
  • 一括請求環境やSPの更新時には、実態と異なる警告が出やすい
  • 判断材料は 使用状況レポート(使用率)カバレッジレポート(カバレッジ) の2つ
  • 使用率100%かつカバレッジ100%未満なら、オーバーコミットには該当しない

以上、同じ警告に遭遇した方の参考になれば幸いです。

参考


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