[セッションレポート]AWS-19 AWS で実現する実店舗とオンライン EC サイトの連携 #AWSSummit
お疲れさまです。とーちです。 4/20〜4/21 に開催されている AWS Summit 2023 に参加しています。 AWS Summit 2023 のセッション「AWS で実現する実店舗とオンライン EC サイトの連携」に参加したのでレポートをお届けします。
セッション視聴
AWS Summit Tokyoの登録を行うことでオンデマンドで視聴可能です。(現地参加された方は改めての登録は不要です。)
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セッション概要
【スピーカー】
アマゾン ウェブ サービス ジャパン合同会社
デジタルトランスフォーメーション本部
インダストリーソリューションアーキテクト
國田 有華子
【概要】
流通小売業者の皆様が抱える課題の一つが実店舗とオンライン EC サイトの連携です。消費者の立場ではシームレスな連携が期待されるのは理解していても、業務として、システムとして実現するためにはいくつもの課題を解決する必要があります。この課題に対して AWS が多面的な側面で複数のソリューションを持つことをご存じでしょうか?このセッションでは、Unified Commerce という考え方に基づき、物流側面では AWS Supply Chain、顧客接点として Immersive Commerce や AWS Applications、アーキテクチャ側面として Composable Commerce などをご紹介します。
セッション内容
- Why?:なぜ実店舗と EC の連携をするのか?
- 小売事業者が直面する課題
- 顧客軸:お客様にとってチャネルをまたいで顧客体験が分断されている(EC サイトつかっていても実店舗にいったらはじめましてから)
- 商品軸:商品や品揃え、魅力的な店舗つくりのためには多種の商品を用意したいが実店舗スペースには限りが、実現のためには店舗・チャネル・倉庫をまたいだ在庫管理が必要
- 技術的負債:システムが老朽化していたり、実店舗システムと EC サイトシステムが分断されている
- 顧客の購買行動の変化
- 約7割の消費者が複数チャネルにまたいで買い物をしている(2020年のデータ、今はより進んでいるはず)
- 顧客意識も変わっている
- 64%の顧客が EC サイトのようなパーソライズ体験を実店舗でも求めている
- 実店舗でセルフサービスで接客してほしい
- 店舗と EC が連携するメリット
- 顧客体験が向上する
- 顧客の理解が進む:360 度で理解することで LifeTimeValue の向上が期待できる
- 商品の品揃え:商品が豊富になる。過剰在庫・欠品の防止対策が必要
- 顧客体験の向上
- 店舗と EC がシームレスにつながることで顧客体験が向上
- EC で注文して店舗で受け取る
- EC の閲覧履歴から実店舗でリコメンド
- 顧客の理解が進む
- 複数チャネルで接点をもつことによりお客様を知る機会が増える
- 実店舗の POS で記録される購買行動
- チャットでのやりとり
- 複数チャネルで接点をもつことによりお客様を知る機会が増える
- 商品軸
- 品揃えが豊富になる
- 在庫の正確な把握が必要
- EC・店舗をまたいだ豊富な品揃え
- チャネル間で在庫のりバランスができる
- 品揃えが豊富になる
- 実店舗と EC の連携による好循環
- 顧客体験が向上する → 顧客をよく知ることができる → パーソナライズされたサービスが提供できる → 顧客体験向上に戻る
- まとめ
- なぜ実店舗と EC 連携をするか
- 顧客の行動と意識が変化している
- 連携により顧客体験を向上させることができる
- 連携により EC と実店舗をまたいだ在庫管理が可能になる
- 上記により事業が成長する
- なぜ実店舗と EC 連携をするか
- 小売事業者が直面する課題
- What?:実現のために何をすべきか?
- 実店舗と EC が連携するとは?(連携の定義)
- UX:同じ購買体験ができる
- データ:同じ顧客だと認識される
- 商品:同じ商品として管理されている
- 同じ仕組み:上記の機能が同じ機能で利用されている
- 実例
- Petco(アメリカのペットオーナー向けサービス)
- 製品だけでなく様々なサービスを提供
- 獣医の予約、トレーニングの予約
- AWS で開発されている
- 新型コロナパンデミック時にも 6 週間で新サービスを構築
- 製品だけでなく様々なサービスを提供
- Petco(アメリカのペットオーナー向けサービス)
- 連携時のよくある課題
- 実店舗、EC、コールセンターなどの各システムが分断されている
- 本当の企業の要望は?
- チャネルごとに俊敏に開発したい
- 顧客データ、商品データを一元管理したい
- 望ましい姿(ユニファイドコマース)
- 共通のコマースメカニズムを持つが、チャネルごとにフロントエンドが切り離されている
- コアであるコマースメカニズムは全チャネルで共通なのが重要
- コンポーザブルアプローチ
- アナリストの見解
- 新しいコマース機能の50%が API を中心になるという予想
- MACH という設計思想
- マイクロサービス:交換可能なピースとして機能を自在に組み立てられる
- API ファースト:コマースとデータは分離されていて API により結合される
- クラウドネイティブ
- ヘッドレス:UX を完全に分離して柔軟性を高めて開発する
- MACH にもとづくコマースアーキテクチャ例
- フロントエンドとバックエンドを切り離す
- コマース機能はマイクロサービスとして構築
- まとめ
- 実現のために何をすべきか?
- Composable アプローチを使う
- 設計には MACH 思想を反映する
- 実現のために何をすべきか?
- 実店舗と EC が連携するとは?(連携の定義)
- How?:どのようにして実現するか?
- AWS ソリューションの紹介
- Guidance for Unified Commerce on AWS
- MACH アーキテクチャ
- フロントエンド
- WEB、POS などの異なるチャネルが AWS AppSync を使った API レイヤで取り込み
- バックエンド
- マイクロサービス
- その他の社内システムや SaaS とも連携
- Guidance for Supply Chain Control Tower Visibility on AWS
- 外部システムからのデータの取り込み
- EventBridge、Amazon AppFlow 等の複数サービスを使い、複数のトリガー、複数のデータソースからデータを取り込み
- データ正規化
- AWS Glue DataBrew
- AWS Glue
- データを Single Source of Truth(信頼できる唯一の情報源)として1箇所にまとめる
- Redshift
- AWS Lake Formation
- データを可視化する
- QuickSight
- OpenSearch Service
- Athena
- 外部システムからのデータの取り込み
- Guidance for Unified Commerce on AWS
- AWS Applications
- purpose-built なアプリケーションを提供する
- Amazon のサプライチェーンは AWS 上で動いている
- ERP など50の主要なアプリケーションが稼働
- AWS Supply Chain の機能
- 機会学習を使用してサプライチェーンのデータレイクを作成
- 地図上にデータをマッピング
- 地図上の場所をクリックするとその場所の在庫が見れる
- 在庫のアラートを出すことも可能
- 推奨される行動も提示(デモでは在庫のりバランスを実施)
- まとめ
- どのようにして実現するか?
- AWS ソリューションライブラリを参照
- AWS アプリケーションを使用
- どのようにして実現するか?
- AWS ソリューションの紹介
- NextAction:始めること
- 色々な業界ごとにベストプラクティスを集めたブログを公開しているのでこれを確認しよう
- AWS Summit 2023 会場内にも実例の展示があるので確認しよう
感想
EC サイトの最新のアーキテクチャってどんな感じなんだろうという興味から参加してみました。
MACH アーキテクチャや Composable アプローチという考え方は知らなかったので勉強になりました。EC サイトとしてのモダンな構成が少し分かったような気がします。
またセッション自体も EC サイトと実店舗の統合がなぜ必要なのかというところから説明されていて、実現のために必要な設計思想、その思想を実現するための具体的な AWS システム構成の紹介というような構造になっておりとてもスマートでセッションの構成という意味でも勉強になったセッションでした。
以上、とーちでした。