AWS Startups Future Home / Future Office を訪ねてみた #AWSSummit

2023.04.22

こんにちは、CX事業本部 Delivery部の若槻です。

今回は、AWS Summit Tokyo 2023 で、AWS を活用しているスタートアップ8社による「近未来のスマートホーム、オフィス環境、新しい住環境」をテーマにした事例展示である AWS Startups Future Home / Future Office のブースを訪ねてみたのでレポートします。

レポート

C1-05 株式会社ビットキー

暮らしや働く場でのシームレスな体験を目指し、ID認証・認可・権利移転のためのプラットフォームや連携する製品を開発しています。
展示では「その場で顔認証・予約・決済・スマートロックのカギ解錠」まで可能なワークブースを体験できます。

公式ツイートより、ブースの全体像です。

スマートロック製品の展示があり、実際にスマートフォンアプリで動作させるデモを見せて頂きました。

またワークブースでは実際に顔認証を行い(解錠自体は顔情報を登録済みのスタッフの方に行って頂きました)、スマートロックを解錠してワークブースの中に実際に入る体験をすることもできました。顔認証で解錠する未来感がとても良かったです。

ビットキーのシステムは、AWS IoT Core、AWS Lambda、Amazon DynamoDB、AWS Fargate などのマネージドサービスをフル活用した構成となっています。また Amazon SageMaker でサービス利用のパーソナライズデータによる推論と学習を行い、社内で分析に利用しているとのことです。

スマートロック製品自体は私も他社製品を自宅で利用していて馴染みがあり、一方同様の製品であるビットキーについても知っていたのですが、ビットキーはそのスマートロックを活用したワークブースをtoBで展開もしているというのは知りませんでした。

C1-06 アトモフ株式会社

Atmoph Window 2
〜 世界中の風景を見せてくれる窓 〜
絶景、憧れのオーシャンビューや夜景。また、趣のある異国の街角まで。
Atmoph が独自に4K/6K撮影してきた、世界各国1,500種類以上の風景を楽しめます。 臨場感あふれるサウンドと一緒に “Amazon CloudFront” より配信しています

公式ツイートより、ブースの全体像です。

Atmoph Window の実物が展示されており、実際に3つのディスプレイで連動して高画質な風景動画が再生される様子を見ることができました。

Atmoph Window のシステムは、API 側は VPC 内に ALB、EC2,RDS、ElastiCache から成る構成を構築しており、映像のストリーミングは CloudFront や Elemental MedisStore を利用しています。

タイミングが合わず担当者の方と会話を出来なかったのは残念でしたが、Atmoph Window については個人的に以前から気になっていたプロダクトだったので、実物を見ることができて感動しました。それでもってレンティオで貸し出しされているのを見つけたので早速レンタルを注文してみました。使ってみたらまたレポート記事を書きます。

C1-07 mui Lab株式会社

muiボード
〜暮らしに溶け込む天然木のタッチパネルディスプレイ〜
muiボードは、普段家具のように生活空間に溶け込み、そこで暮らす人が必要なときに必要なだけの情報や機能を取り出すことができるインターフェースです。
「Amazon Alexa」と連携させることで、多種多様な機能を実現しています。バックエンドでは AWS IoT Coreや AWS Lambda、Amazon DynamoDB といったマネージドサービスを活用し、自社にとって価値のある部分の対応に集中できるようにしています。

公式ツイートより、ブースの全体像や展示の様子です。

muiボードのシステムは、IoT Core、Lambda、API Gateway、DynamoDB などのサーバーレスのマネージドサービスを活用した構成でした。

Alexa との連携については昨年に AWS 公式で事例記事も出ているのを見つけました。

ラスベガスで毎年開催されるハイテク技術見本市「CES」でこの muiボードが出展されていたのを見てからとても気になっていたので、実際に触ることができて感激しました。

C1-08 株式会社スナックミー

オフィスに美味しくてヘルシーなこだわりおやつをお届けします。 従業員様の健康に気を使ったおやつや、これまでよりも少し質の高いおやつをお探しの企業様におすすめです。

スナックミーCTOのツイートより、ブースの全体像の様子です。

スナックミーはもともとは下記のおやつセットがサブスクで宅配されるtoCのサービスでした。

そのtoC向けのデータからおやつの好みの傾向を分析し、toBでオフィス向けに行う提案の参考にしているとのことです。(20代男性が食べやすい傾向のおやつはベンチャー企業向けに営業するなど)

ちなみにこちらもシステム構成図は撮り忘れてしまいました。。

スナックミーは以前より気になっていたサービスだったので、実際に届けられるおやつを見ることができたのは良かったです。(ただしおやつの試食は会場の規定によりできませんでした)

C1-09 SEQSENSE株式会社

自律移動型警備ロボット「SQ-2」と運用のためのクラウドシステム「SQ-Guard」を提供しているSEQSENSEがいかにAWSのマネージドサービスを活用し、運用工数を低減しつつも拡張性と安定性のある運用を実現しているのかをご紹介します。

公式ツイートより、ブースの全体像や展示の様子です。

まず目を惹いたのはこちらのセキュリティロボットでした。人やものを避けながらブースの周りをずっと巡回をしていました。

この警備ロボットはカメラが付いており、撮影された映像をコンソール画面から遠隔でリアルタイムで確認することができました。

ロボットは初回にあたり一帯を巡回して LiDAR によりマップを作成し、初回以降の効率的な巡回を行うとのことです。

ブース全体の様子です。ちなみにこの時もシステム構成図は撮り忘れてしまいました。。

感想としては、警備ロボットそのものよりも、警備ロボットが会場を巡回していることを、多くの人が(私の観測範囲では)驚いたりひどく興味を持ったりするでもなく自然に受け入れているという状況が興味深かったです。技術的にも人々のマインド的にも街中やイベント会場を普通にロボットが巡回している光景が実現する日は近いのではないでしょうか。

C1-10 VoicePing株式会社

社内向けに徹底設計されたバーチャルオフィスツールVoicePing。
世界初の音声認識AIを搭載した仮想オフィス。同時接続 10人まで永久無料。確実な声かけ・勤怠管理・生産性管理・議事録自動作成可能。

公式ツイートより、ブースの全体像や展示の様子です。

担当者の方とお話はできなかったので、肩越しにデモの様子などを見ていましたが、Gather と似たようなツールのようでした。

VoicePingのシステムは、映像や音声を利用したリアルタイムソリューションを実現するために、Chime SDKなどのマネージドサービスは使わずに、EC2 で立てたサーバーでマイクロサービスを実現している構成が印象的でした。

C1-11 ルームクリップ株式会社

住生活の領域に特化した日本最大級のソーシャルプラットフォーム「RoomClip」。暮らしのアイデアの情報収集だけでなく、そのアイディアを支えるアイテムを購入して、叶えたい暮らしを実現するところまでサポートしています。

広報の方のツイートより、ブースの展示の様子です。

Roomclip ではユーザーによる住環境の画像が投稿されるため、画像に写り込んでいる物体の分析を Rekognition で行って投稿にタグ付けをし、 Personalize でユーザーへ他のユーザーの投稿を適切にリコメンドできるようにしているようです。また Pinpoint を活用している点も気になりました。(システムについては時間が足りず残念ながらあまり話すことができませんでした)

RoomClip は、コレクションの収納や陳列方法の参考にするために最近よく利用していたサービスだったため、このような形でイベント会場で出会えたのは嬉しかったです。

C1-12 株式会社RABO

猫様ご本人よりも早く愛猫の健康変化に気付けるスマートデバイス「Catlog」シリーズを展開する株式会社RABOです。総合的なテクノロジースキルを武器に、猫様と飼い主さんの幸せですこやかな日々をサポートします。

写真が良くないのですが、首輪デバイスである「Catlog」には加速度センサーが付いており、猫の食事(首を振る動作)や運動(走る動作)などのアクティビティを記録してアプリで履歴を確認することができます。猫の負担にならないようにとても軽くできており、実際に持ってみたのですがほとんど重さを感じませんでした。

また「Catlog_Board」では、猫のトイレを重量センサーにより記録して、おしっこやうんちの回数や量、滞在時間、体重などの情報も合わせてアプリで確認することができます。

ちなみに写真などでモデルになっている猫は「CCO(Chief Cat Officer)」という社長に飼われているとても偉い猫だとのことです。

システムは Fargate を活用した構成になっており、機械学習モデルにより Catlog で記録された振動が猫のどのような行動に対応しているかや、猫の不調の検知を行っています。

担当者の方のお話を少し聞いただけでも会社や社員の方々がとても猫愛を持っているのが伝わってきました。こういった特定の領域に特化したサービスこそまさにスタートアップの領分だなと感じました。

AWS Startup Loft Tokyo というスペースがあるらしい

最後に、これは AWS Startups Future Home / Future Office のブースを担当されていた AWS スタッフの方に聞いたのですが、「AWS Startup Loft Tokyo」という無料のコワーキングおよびネットワーキングスペースが AWSJ 目黒本社にあるとのことです。

エキスパートによる技術相談も可能とのことで、もしかしたら私も将来お世話になるかもしれず、とても良いことを聞きました。AWS アカウント ID を持っているスタートアップ、デベロッパーであれば利用できます。

また、下記のようなスタートアップ向けプログラムも別途あり、スタートアップ支援がなかなか充実している印象です。

おわりに

AWS Startups Future Home / Future Office のブースを訪ねてみたのでレポートをしました。初めてオフライン参加した AWS Summit で偶然見つけたブースだったのですが、各社の担当者の方の熱のこもった話を聞いて回っているうちに2日目の大半の時間をこのブースで過ごしてしまいました。

今まで見聞きしたことはあり気にはなっていたけどなかなか触れる機会のなかったプロダクトに実際に触れたり、開発企業の社員の方のお話を聞いたりできたのは最高でした。

re:Invent 2022 の時もでしたが、こういうセレンディピティがオフラインイベントの醍醐味ですよね。参加できて良かったです。

以上