[アップデート] AWS Tools for PowerShell V5がリリースされました

[アップデート] AWS Tools for PowerShell V5がリリースされました

Clock Icon2025.06.26

しばたです。

先日AWS Tools for PowerShell V5の正式版が一般公開されました。
AWS Tools for PowerShell 4.0のリリースが2019年11月だったので約5年弱を経てのメジャーバージョンアップとなります。

GitHub上のIssueでのアナウンスおよびブログで新機能の紹介がされています。

https://github.com/aws/aws-tools-for-powershell/issues/357#issuecomment-2998427012

https://aws.amazon.com/jp/blogs/developer/aws-tools-for-powershell-v5-now-generally-available/

今月はじめにDevelopersIOでも開発状況をお知らせしましたが、その後すぐの一般公開となり軽く驚いています。

https://dev.classmethod.jp/articles/2025-06-aws-tools-for-powershell-v5-development/

本記事では改めて新機能などを紹介していきます。

AWS Tools for PowerShell V5 新機能

以前の記事でも解説していますが、AWS Tools for PowerShell V5は基盤にAWS SDK for .NET V4を採用していることが一番の更新点です。
AWS SDK for .NET V4における変更・改善点をベースとし幾つかの新機能が提供されています。

1. AWS SDK for .NET V4ベースの変更点

AWS SDK for .NET V4における変更の影響を受け、AWS Tools for PowerShell V5では

  • サポート対象となるPowerShellバージョンの更新
  • 各種コマンドレットで扱う.NETクラスのプロパティがNull許容型に変更
    • 例えばBoolean → Nullable<Boolean>といった形に変更されています
  • 各種コマンドレットで扱う.NETクラスのうちList型とDictionary型の初期値が空のコレクションからnullに変更

といった変更が入っています。
詳細は以前の記事で解説してるのでこちらをご覧ください。

2. その他新機能

その他の新機能としては以下の点が挙げられます。

  • 実行中コマンドをCLRL + Cキーでキャンセル可能に
  • Start-SSMSessionコマンドがSSM Session Manager Pluginと連携可能に
  • 自動ページネーションが各種コマンドのデフォルト挙動に

こちらも詳細を以前の記事で解説ずみです。

3. 破壊的変更と移行ガイド

AWS Tools for PowerShell V5にはいくつか破壊的変更が存在します。
ただ、そこまでドラスティックなものではなくレガシーな機能の廃止がほとんどです。

前掲のものも含めてAWSブログにある例を転記すると

  1. PowerShell 5.1以前の環境におけるAWSPowerShellモジュールのサポートを終了
  2. 自動ページネーションが各種コマンドのデフォルト挙動に
    • Set-AWSAutoIterationMode -IterationMode v4コマンドで従来の動作にすることも可能
  3. Get-S3ObjectWrite-S3Object等のS3操作コマンドにおけるパス指定時の挙動を変更
    • -EnableLegacyKeyCleaningパラメーターで従来の挙動にすることも可能
  4. AWS_PROFILE等の環境変数によるクレデンシャル指定をサポート
  5. $AWShistory変数を削除
    • 代わりに-Select *パラメーターを指定することである程度代替可能

といった点があります。
この他にも

  • DynamoDB操作系のコマンドが内部的にバージョンアップ
  • Get-DDBStream,Get-DDBStreamListが別モジュール(Get-DDBSStream)に移動
  • レガシーとなった一部コマンドの削除
    • Invoke-LMFunctionAsync, Get-EC2ImageByName
  • レガシーとなった-PassThruパラメーターの削除
  • 一部コマンドにおいてローカル時刻からUTC時刻を受け取る様にパラメーターが変更

といった変更も加えられています。

破壊的変更の詳細は以下の移行ガイドにまとめられているのでAWS Tools for PowerShell V5へ更新する際は最初に読んでおくと良いでしょう。

https://docs.aws.amazon.com/powershell/v5/userguide/migrating-v5.html

AWS Tools for PowerShell V4 のサポートについて

従来のAWS Tools for PowerShell V4は今後6か月間はAWSサービスの更新に合わせたリリースを続けるそうです。
6か月後からメンテナンスモードに入りクリティカルなバグやセキュリティ上の問題にのみ対処するとのことでした。

現時点でAWS Tools for PowerShell V4のサポート終了時期は明らかにされていませんが、AWS Tools for PowerShell V3がいつのまにか終了していた過去があるのであまり長期のサポートにはならない予感がしています。

https://dev.classmethod.jp/articles/aws-tools-for-powershell-v3-was-already-end-of-support/

確認してみた

これまで何度か動作確認済みなので今回はインストール手順の紹介をメインに試していきます。

環境はいつも通りAWS CloudShellにします。
CloudShell環境はまだAWS Tools for PowerShell v4がインストール済みなので先に削除してからAWS Tools for PowerShell V5をインストールします。

従来のプレビュー版とは異なり正式リリース済みなのでAWS.Tools.Installerモジュールを使ったインストールが可能となっています。
やり方はAWS Tools for PowerShell V4の時と同様です。

CloudShell
# Bash上で既存のAWS Tools for PowerShell v4モジュールを削除
sudo rm -rf /opt/microsoft/powershell/7/Modules/AWS.Tools.*

# 正式リリースしたので AWS.Tools.Installer を使ってインストール可能に
Install-Module -Name AWS.Tools.Installer -Force
# 今回は EC2とSSMのモジュールをインストール
Install-AWSToolsModule AWS.Tools.EC2, AWS.Tools.SimpleSystemsManagement -Force

実行結果はこんな感じです。
本日時点で最新のVer.5.0.2がインストールされました。

CloudShell
PS /> Install-AWSToolsModule AWS.Tools.EC2, AWS.Tools.SimpleSystemsManagement -Force
Installing module AWS.Tools.EC2 version 5.0.2.0
Installing module AWS.Tools.SimpleSystemsManagement version 5.0.2.0

PS /> Get-InstalledModule                                                                                

Version              Name                                Repository           Description
-------              ----                                ----------           -----------
1.0.2.5              AWS.Tools.Installer                 PSGallery            The AWS.Tools.Installer m…
5.0.2                AWS.Tools.Common                    /tmp/xmi1fmck.uoa    The AWS Tools for PowerSh…
5.0.2                AWS.Tools.SimpleSystemsManagement   /tmp/xmi1fmck.uoa    The SimpleSystemsManageme…
5.0.2                AWS.Tools.EC2                       /tmp/xmi1fmck.uoa    The EC2 module of AWS Too…

あとはよしなに利用してください。

aws-tools-for-powershell-50-ga-01
Start-SSMSessionコマンドの実行例

最後に

以上となります。

移行ガイドに変更点や破壊的変更がかなり詳細に記載されているのでこちらを頼りにすれば既存環境のアップグレードも問題なくできると思います。
機能だけでなく性能面での改善もあるので積極的に新しいバージョンを試していくと良さそうです。

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