Azure Carbon Optimization が GA となったので使ってみた
いわさです。
Microsoft Azure のアップデート情報を眺めていたところ、Azure Carbon Optimization というものが GA されたというアナウンスを見つけました。
なんと Azure ワークロードからのカーボン排出量を測定、管理することができ、さらに削減するためのレコメンドまでしてくれるらしいです。
従来から Microsoft Azure でもサステナビリティを意識した Well-Architected フレームワークでのガイダンスや公式ドキュメントが存在していましたが、可視化するサービスとしても使いやすくなりそうです。
使ってみた
以下の公式ドキュメント一式もリリースされています。
Azure ポータルで英語の場合はドキュメントどおり「Carbon optimization」と検索するとサービスにアクセスすることができます。
日本語の場合は「CO2 最適化」というサービスメニューでした。
アクセスしてみると、Azure Advisor などのようにダッシュボードで情報を確認できるようになっています。
「排出量の傾向」ではカーボン排出量データを時系列で可視化したダッシュボードや、リソース種類ごとの排出量統計を確認することができます。
過去 12 か月間の排出量の傾向を表示して、時間の経過に伴う傾向とパフォーマンスを評価します。
プレビュー中は個々のサービスコンポーネントの種類ごとに排出量が分類されていたようですが、GA に伴って使用しているリソース全体に基づいてグループ化されるように変更されたみたいです。
例えば Azure Data Explorer 内の仮想マシンは現在は Virtual Machine ではなく Azure Data Explorer として分類されるとのこと。なるほど。
CSV ダウンロード
上部のメニューバーから CSV ファイルのエクスポートが可能です。
ダウンロードしたファイルの形式は以下です。排出量の傾向ページであれば年月ごとの総計がスコープごとに取得できる感じで、表示しているページごとに取得できる CSV ファイルの内容が変わってきます。外部ツールで可視化する際には使えそうです。
"Month","TotalEmissions","Scope1","Scope2","Scope3","CarbonIntensity"
"5 2024","0.3","0","0","0.3","17.2"
"6 2024","0.3","0","0","0.3","17.2"
"7 2024","0.5","0","0","0.5","16.4"
"8 2024","0.5","0","0","0.5","15.4"
"9 2024","0.4","0","0","0.4","15"
"10 2024","0.8","0","0","0.8","14.4"
"11 2024","0.4","0","0","0.4","14.4"
"12 2024","0.6","0","0","0.6","13.8"
"1 2025","0.4","0","0","0.4","13.6"
"2 2025","0.6","0","0","0.6","13.7"
"3 2025","0.7","0","0","0.7","12.2"
"4 2025","1.3","0","0","1.3","11.7"
例えば、排出量の詳細画面だと、次のようにより詳細な切り口で分析することができます。
サブスクリプションごとのほか、リソースグループやリソースごとの分析も可能です。
CSV 出力結果もこれらの表示中の画面と連動しているようです。
排出削減の推奨項目
私の環境では推奨事項が出力されなかったのですが、Azure Carbon Optimization は Azure Advisor と一部統合されており、最適化の余地があるものはこちらでも推奨事項として表示される場合があります。
代表的な項目としてアイドル状態の仮想マシンのシャットダウンや、仮想マシンのりサイズなどが提案されます。
さいごに
本日は Azure Carbon Optimization が GA となったので使ってみました。
おもしろいですね。サステナビリティの取り組みをされている企業様でクラウドワークロードに対しても何かやっていきたいという声を聞くこともあるので、Azure であればこの機能は活用できそうです。