[アップデート] AWS のデフォルトの支払い設定で「バックアップの支払い」を有効化できるようになりました

[アップデート] AWS のデフォルトの支払い設定で「バックアップの支払い」を有効化できるようになりました

Clock Icon2025.02.23

いわさです。

AWS を使っていて、クレジットカードの有効期限や限度額が理由で支払いができずにシステムを停止させたことはありますか?
AWS は基本的にクレジットカードを使って利用料金の支払いを行いますが、クレジットカードには有効期限や利用限度額がありますので支払いに失敗する場合があります。

AWS re:Post のナレッジセンターによると、未払いが発生すると一定期間後に AWS アカウントが停止され、その後 30 日以内にアカウントが閉鎖、その後 90 日以内にアカウントが終了されます。また、停止されたアカウントのリソースは削除されるとのこと。[1]

Web 上でも実体験情報として公開されている方がいらっしゃいます。

https://zenn.dev/emapoppo/articles/2de82e42fc6aa4

https://zenn.dev/shimo_s3/articles/89fcf92479124f

先日のアップデートでこの支払い方法に「バックアップの支払い方法」という機能が追加されました。

https://aws.amazon.com/about-aws/whats-new/2025/02/aws-backup-payment-methods-invoices/

従来から複数の支払い方法を登録しておくことは出来たのですが、メインの支払い方法で失敗した場合は別の支払い方法を手動で選んで未払の請求書を処理する必要がありました。
今回の機能を有効化すると、失敗した場合に自動で別の支払い方法で支払うことが出来ます。

これによって未払状態による前述のアカウント停止などのリスクを緩和できたり、あるいは手動で未払の処理する手間を減らすことができます。

バックアップの支払い方法の確認

支払い方法はメニューあるいはサービス検索の「Billing and Cost Management」からアクセスが可能です。

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こちらのメニューの [設定] -> [支払い設定] で管理されています。
以下は現状の支払い方法の設定で、有効な支払い方法がひとつ登録されている状態です。

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デフォルトの支払いの詳細設定に「バックアップの支払い方法」というエリアが追加されていますね。既存アカウントでは無効になっていました。

今回追加されたバックアップの支払い方法機能は、デフォルトの支払い情報の設定の一部のようです。
編集画面からも見てみましょう。

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支払い通貨設定の手前で「バックアップの支払い方法」を設定できるようになっています。

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アナウンスで説明されているように、デフォルトの支払いが失敗した場合に別の支払い方法に自動で請求させるかどうかを設定できる機能です。
また、アナウンスに記載のなかった点として別の支払い方法が複数ある場合は、最後に追加された方法がバックアップの支払い方法として選択されるとのこと。これはどういうことだ。

有効化

試しにまずは有効化してみましょう。
「バックアップの支払い方法」のチェックを ON にして、保存します。

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詳細画面ではステータスが有効になったことが確認できます。

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しかし、どの支払い方法をバックアップ支払いに使うかは選択していないですし、どれが選択されたのかわからないですね。
どうやら編集画面の説明欄に記載されているように、明示的に複数の支払い方法から選択することはできないようで、最後に追加した支払い方法が自動でバックアップ支払い先として使われる仕様のようです。

おそらくですが支払い方法画面はデフォルト支払いが先頭にきて、あとは登録順で並んでいます。
なので、今回の私の場合だと以下がバックアップ支払い先として使われそうです。

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編集画面を再度開いてみてもやはり支払い先の明示的な選択はできないようです。

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無効化

なお、この機能は有効化したあとに無効化させることもできます。
編集画面でチェックをオフにして保存するだけです。

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バックアップの支払い方法が無効化されました。

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さいごに

本日は AWS のデフォルトの支払い設定で「バックアップの支払い方法」を有効化できるようになったので試してみました。

AWS ではないクラウドサービスなのですが、私も昔支払い失敗によるサービス停止に近い経験をしたことがあります。
クラスメソッドなどの請求代行サービス[2]を使うと請求書払いができるので、無意識なサービス停止のリスクを避けることができたりするのですが、なんらかの事情で請求代行サービスを使えない場合もあると思います。
そういった場合でも、リスク回避のために今回の機能は有効だと思いますので使ってみてください。

脚注
  1. 一時停止された AWS アカウントを再アクティブ化する | AWS re:Post ↩︎

  2. AWS請求代行・請求書払い(リセール) | クラスメソッド株式会社 ↩︎

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