[アップデート] Amazon Bedrock Guardrails のコンテンツフィルター機能に Tier の概念が追加され、より高い精度で 50 以上の言語をサポートできるようになりました

[アップデート] Amazon Bedrock Guardrails のコンテンツフィルター機能に Tier の概念が追加され、より高い精度で 50 以上の言語をサポートできるようになりました

Clock Icon2025.06.22

いわさです。

今朝 Amazon Bedrock Guardrails の機能アップデートがありました。
Amazon Bedrock Guardrails には様々なフィルタリングポリシーで構成されているのですが、その中の「コンテンツフィルター」と「拒否トピック」で Tier を指定出来るようになりました。

Add support for tiers in Content Filters and Denied Topics for Amazon Bedrock Guardrails

https://github.com/aws/aws-cli/commit/164ad53159808df47cfce2372d1f5357cb8932db

従来の Tier は「クラシック」とされデフォルトで設定が可能で、今回新たに「スタンダード」が追加されました。
公式ドキュメントや料金ページがまだ更新されていないので追加料金に関する情報が執筆時点では不明なのですが、実際に設定して挙動の違いを確認してみましたので紹介します。

設定箇所

ガードレール設定箇所のうち次のコンテンツフィルターの設定と、拒否トピックの設定で Tier の選択が出来るようになっていることがわかります。

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コンソールの表記を直訳すると次のようなことが記載されています。

  • Tier 設定とは:パフォーマンス、精度、既存のワークフローとの互換性のバランスに合わせて、お好みのモデル層をお選びください。層を選択することで、新機能の導入時期や現在の設定との一貫性の維持をコントロールできます。
    • クラシック:英語、フランス語、スペイン語をサポートする定評のあるソリューションです。この層では、クロスリージョン推論のオプトインは不要です。
    • スタンダード:50以上の言語をサポートし、より高い精度を実現する、改良された堅牢なソリューションです。この層では、クロスリージョン推論のオプトインが必要です。

従来のクラシックがサポートしているのは英語、フランス語、スペイン語のみだったのですね。日本語は未サポートでしたか。
そして新しいスタンダードでは 50 以上の言語がサポートされているとのことで、実際に試してみたところ日本語でもコンテンツフィルターが反応していました。

先日のアップデートで Bedrock Guardrails がクロスリージョン推論をサポートしたばかりですが、スタンダード Tier を使うためにはこのクロスリージョン推論の有効化が必須となります。

https://dev.classmethod.jp/articles/amazon-bedrock-guardrails-cross-region-inference/

この記載内容とこれからの傾向から Standard Tier の場合は追加料金が発生しそうな気もしますが、本日時点では料金ページで Tier に関する追記が確認出来ませんでした。
今度定期的に確認してみますので、情報が得られましたらこちらの記事に追記しますね。

https://aws.amazon.com/bedrock/pricing/?nc1=h_ls

試してみた

本日はコンテンツフィルターで有害カテゴリを設定し、クラシック Tier / スタンダード Tier それぞれで日本語入力の挙動を確認してみます。

クラシック

まずは次のようにクラシックを設定しました。デフォルトの状態です。

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作成したガードレールをテストしてみます。実行リージョンは東京リージョンで、モデルは Claude Sonnet 4 を使いました。
試してみたところ、ガードレールアクションは実行されず、モデルレスポンスも取得出来ました。

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ちなみにこの時点でも英語であればガードレールの反応があり、ガードレールで設定したブロックメッセージが表示されました。

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スタンダード

続いてスタンダードを確認してみます。
まず、前提条件となるクロスリージョン推論を有効化します。

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そしてコンテンツフィルターでスタンダード Tier を選択しましょう。

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これで設定完了です。
先ほどと同じように Claude Sonnet 4 の推論プロファイルを選択し、日本語で有害なテキスト入力を行います。

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おお、今度は先ほどと異なり日本語でもガードレールアクションが実行されることが確認出来ました。

ちなみに Standard Tier を選択している状態でガードレールのクロスリージョン推論を無効化することは出来ません。
次のようにエラーとなりました。クロスリージョン無効化時にエラーとなる場合は Tier の設定を確認してみましょう。

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さいごに

本日は Amazon Bedrock Guardrails のコンテンツフィルターと拒否トピックに Tier の概念が追加されたので試してみました。

デメリット特にないのでスタンダード非常に良さそうです。
料金が追加になるのか、その場合どの程度なのかだけ気になりますね。料金わかったら本記事内に追記しますね。

ちなみにアップデート前に作成した既存のガードレールはクラシック Tier となっていました。必要に応じて変更してみてください。

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