[アップデート] 請求とコスト管理でカスタムダッシュボードが作成できるようになりました

[アップデート] 請求とコスト管理でカスタムダッシュボードが作成できるようになりました

2025.09.02

いわさです。

AWS では請求とコスト管理(AWS Billing and Cost Management)で AWS 利用料金の管理を行うことができます。
標準で様々な分析用のビューが提供されていますが、先日のアップデートでカスタマイズしたダッシュボードを作成できるようになりました。

https://aws.amazon.com/about-aws/whats-new/2025/08/aws-billing-cost-management-customizable-dashboards/

今まで無かったんだっけという気がしますが、意外にも最近追加された機能のようです。
以下の2025/8/8の記事では確かにメニュー自体が表示されていませんね。

https://dev.classmethod.jp/articles/aws-budgets-support-billing-view/

標準の AWS 料金分析機能が使える環境ではとても使いやすい機能だと思います。
今回通常とは違う料金分析が必要な環境で使ってみたので紹介します。

カスタムダッシュボードを作成する

「請求とコスト管理」にアクセスしてみると「ダッシュボード」のメニューを確認することができます。

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こちらにアクセスしてみると、ダッシュボードを管理するための画面に遷移しました。
どうやら複数のダッシュボードを作成して使い分けることができるみたいです。

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「ダッシュボードを作成」ボタンを押して新規ダッシュボードを作成してみましょう。
New dashboard というタイトルで何もウィジェットが配置されていない画面が表示されました。これがダッシュボードの編集画面のようです。

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タイトルをクリックするとそのまま変更することができます。ダッシュボードごとに名前を設定しておく感じでしょうか。

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「ウィジェットを追加」からウィジェットを選択して好きな位置に配置することでダッシュボードを作成できるようです。
「カスタムウィジェット」と「事前定義済みウィジェット」の2種類が用意されています。

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カスタムウィジェット

カスタムウィジェットでは次の6つのウィジェットが用意されていました。
コストと使用量、あとは RI と SP ですね。

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このウィジェットをドラッグ&ドロップすることで編集中のダッシュボードへ配置することができます。

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個人的にはここが良いなと思ったのですが、配置したウィジェットごとにデフォルトパラメータを設定しておくことができます。
例えば私の場合だと、直近1週間程度の日別の料金をクレジットを除いてサービスごとに表示することが多いのですが、そういったデフォルト表示をウィジェットパラメータとして設定できます。

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ウィジェットのビジュアルタイプについてももちろん変更が可能です。
このあたりは Cost Explorer と同じものが選択できていそうですね。

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Usage については使用タイプ/使用タイプグループで絞り込む必要があります。

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事前定義済みウィジェット

事前定義済みウィジェットについては次の5つが用意されていました。
ウィジェットパラメータやビジュアルタイプなどが事前設定されたウィジェットという感じですかね。

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Daily costs ウィジェットを配置してみました。
配置後にさらにウィジェットパラメータを編集もできます。

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また、ここで気がついたのですが、上部のタイトル横の数字が配置したウィジェットの数になっていました。
公式ドキュメントを読んでみると、ダッシュボードには最大 20 個のウィジェットを配置できるようです。

作成されたダッシュボードを使う

作成されたダッシュボードはダッシュボード一覧に表示されます。

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ダッシュボード名からそのまま開くことができるので、これを使ってください。という感じみたいですね。
請求とコスト管理画面のホームとかに固定表示できたら良いなと思ったのですが、そういう使い方はできないみたいです。

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ダッシュボードを他のアカウントへ共有する

このカスタマイズしたダッシュボードですが、他のアカウントに共有することができます。
試してみましょう。
共有したいダッシュボード画面で共有ボタンを押します。

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共有機能では、共有先の AWS アカウントを選択し、参照か編集可能か権限を設定することができます。

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なお、共有画面にも記載されていますが、このダッシュボードの共有機能ではダッシュボード構成が共有されるだけで、料金データについては共有されません。
ダッシュボードを利用したアカウントの料金が表示されます。

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ビューとあわせて料金データも共有したい場合は、同一組織内であればコスト管理の設定から請求ビューを設定できる別機能でで共有できますので、そちらを試してみてください。

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このダッシュボード共有では、共有画面の上部には「Allow sharing only within your organization」「Allow sharing with anyone」を選択できます。
前者を選択した場合は組織内への共有のみですが、後者を選択した場合は組織外へも共有することができます。
次のようなエラーメッセージ(The resource you are attempting to share can only be shared within your AWS Organization. This error may also occur if you have not enabled sharing with your AWS organization, or that onboarding process is still in progress.)が表示された場合は前者を選択しながら組織外の AWS アカウントを設定しているので、Sharing scope を変更してみてください。

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今回は組織外の AWS アカウントに共有してみました。
組織外の AWS アカウントでは共有直後は次のように表示されませんでした。

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このダッシュボード共有の仕組みですが、RAM を使った共有になっています。
共有元アカウントでバージニア北部リージョンの RAM を確認してみると次のようにダッシュボードっぽいものが共有されていることを確認できました。

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あとは共有先 AWS アカウントの同じリージョン(バージニア北部)でリソース共有を承認すれば使えるようになります。

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共有されたダッシュボード一覧に他のアカウントで定義したダッシュボードが表示されるようになりましたね。

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開いてみると、先程定義したダッシュボードが利用できています。
しかし表示されている料金データについては共有先のアカウントのものが使われています。

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さいごに

本日は請求とコスト管理でカスタムダッシュボードが作成できるようになったので使ってみました。

AWS アカウントごとにコスト管理者を割り当てしつつ、効果的な分析方法を共有したい場合など、コスト分析のナレッジを組織内で共有しやすそうで良いですね。
Cost Explorer が利用可能な環境であればぜひ使いたい機能です。

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