[AWS Black Belt Online Seminar 2018] Amazon QuickSight:レポート #AWSBlackBelt
2018年8月1日(水)のAWS Black Belt Online Seminar を聴講しましたので、レポートします。
今回はクラウド型 BI の「Amazon QuickSight 」です。講師はアマゾンウェブサービスジャパン、ソリューションアーキテクトの下佐粉 昭さんでした。
セミナー概要
タイトル : Amazon QuickSight アップデート:一般公開後に追加された特徴的な新機能
- IT 知識レベル:★★☆☆☆
- AWS 知識レベル:★★☆☆☆
概要
Amazon QuickSight は高速かつサーバ運用不要の BI(ビジネスインテリジェンス) サービスです。AWS内のRDSやRedshiftといったデータソースだけでなく、オンプレミス環境や各種SaaSにも対応しています。2016年11に一般公開(GA)されて以降60以上の新機能が追加されてきました。今回サービスアップデートとして、QuickSight GA後に追加された機能の中から、便利で特徴的な機能を中心に御説明いたします。
対象者
BI環境に興味があり、Amazon QuickSightを知りたいという方全般
本セミナーで学習できること
Amazon QuickSightの基本機能や料金の理解に加え、GA後に追加された特徴的な新機能をクイックに把握することが出来ます
スピーカー
下佐粉 昭 Solutions Architect
セミナー資料
内容
- Amazon QuickSight 概要
- QuickSignt一般公開(GA)後に追加された新機能
- エディションの違いと無料枠
- 事例
- まとめ
Amazon QuickSight 概要
- 管理不要で自動的にスケールするクラウドBIサービス
- 「管理不要」が一番大きな特徴
- サーバーレス
- キャパシティ管理は不要
- サーバーの管理をしなくて良い
- ブラウザだけで使える
- スケーラブル
- うまくいった BI は利用する人の数、データのサイズが増えていく
- QuickSight はスケーラブルなため、利用状況に合わせたキャパシティ調整は不要。
- AWSサービスとの統合
- Redshift/RDS/S3/Athena といったデータと連携
- セキュリティ・監査面でもAWSのサービスで閉じている
- 高いコスト効果
- Reader という新しいライセンス体系が最近追加された
- Reader の場合、利用がなければ課金が発生しなくてすむ
- 多くのユーザーにライセンスを発行しやすくなった
利用イメージ
- 管理者
- データソースの定義
- データセットの準備
- ユーザ(分析)
- データセットをもとに分析
- 分析結果を共有
- ユーザ
- 共有された分析結果を閲覧
SPICE について
- super-fast parallel in-memory calculation engine の略
- データを高速に処理するインメモリデータベース
- データを一時的に SPICE に取り込に SPICE 内で処理を完結
- 処理を高速化
- バックエンドの負荷を軽減
- データベースじゃないデータ(S3上のCSVファイル、ユーザーのExcelのファイルなど)の取り込み
- SPICE に取り込めば、データソースを意識せず、透過に処理できる
Prepare(準備フェーズ)
- データを分析しやすいように準備する
- 列名のリネーム
- 英語から日本語に変換
- カスタムクエリの登録
- 疑似列を追加
- 例)マイルをメートル法に変換したカラムを追加
ビジュアライゼーション
- 準備ができれば、あとはビジュアライズするだけ
- ビジュアルを選択し、フィールドをドラック&ドロップでマッピングするだけで可視化を実現可能
データレイクから、分析、可視化までの流れ
AWS を使うとデータの保存から、分析、可視化までサーバーレスに可能
GA 後に発表された主要機能
- GA して約1.5年
- 65 以上の機能追加
- 2018年6月から東京リージョンで利用可能に
東京リージョンで利用可能に
Enterprise Edition に"Reader"価格が追加
- Author : なんでもできる
- Reader : 閲覧目的
QuickSight はユーザー単位で費用が発生
Reader の特徴
- pay per session で課金
- 毎月のユーザー当たりの利用費は最大でも $5
- 利用がなければ $0
- 使うか使わないかわからない人にも、BI 利用ユーザーを発行しやすくなった
- BI 利用ユーザーを限定するために BI の活用が進まないという悪循環を回避できる
Readers の典型的な価格
分析結果の共有機能
共有方法 | Author | Reader |
---|---|---|
Shared analysis | 編集可能 | 共有不可 |
Publish dashboard | リードのみ | リードのみ |
多様なデータソースへの対応強化
- どんなデータに対してもアクセスできるようにしたい
- 一覧 https://docs.aws.amazon.com/quicksight/latest/user/supported-data-sources.html
- オンプレミス
- AWS クラウド
- 3rd パーティー
- プライベートVPCアクセス
- 以前はグローバルIPアドレスがないと通信できなかった
- VPC 内のデータソースに対してもアクセスできる
- DX 経由でオンプレミスデータソースにもアクセスできる
- SPICE まわりの改善
- 1データセットの最大サイズが 10 GB から 25GB に増加
- リフレッシュのスケジュール実行が可能になった
- 日付入力形式のカスタマイズ
Visualの改善
- Visual Type の追加
- コンボチャート
- 地理空間グラフ
- 表敬式
- 補足:地理空間
- 緯度と経度を数値として持っている必要がある
- 自動ジオコーディング(都市名、州名から自動的に緯度経度を復元)は米国内のみ対応
- 書式設定
- 書式設定顔大きく改善された
- パラメータ(変数)
- 変数を QuickSight の可視化に定義
- フィルター条件・計算フィールドで参照可能
- パラメータのダイナミックデフォルト
- ログインしたユーザIDによってパラメータのデフォルト値を変える
- ログインするだけで、ユーザーにあった絞り込み条件が適用される
- 部門、エリアなどで使える
- パラメータとコントロール
- GUI にパラメータの入力枠を追加可能
セキュリティ面
- 行レベルセキュリティ
- Enterprise Edition のみ
- ユーザーごとに条件にマッチした行のみ参照できるようになる
- 例)ユーザーの管轄エリアのデータのみ閲覧可能
- https://docs.aws.amazon.com/quicksight/latest/user/restrict-access-to-a-data-set-using-row-level-security.html
- Federated Single Sing-On(SSO)
- SAML 2.0 に対応した IdP で SSO 可能
- Enterprise/Standard に対応
- ActiveDirectory 連携
- ログイン
- ユーザーのプロビジョニング
- Enterprise のみ対象
- 注意:現時点はバージニアリージョンにあるADのみサポート
- ユーザーの自動プロビジョン
- ユーザーは GUI で追加できる
- 自動化は2種類
- IAM ユーザー https://docs.aws.amazon.com/quicksight/latest/user/provisioning-users.html
- Microsoft AD 連携 https://docs.aws.amazon.com/quicksight/latest/user/managing-users-enterprise.html
- 監査とロギング
- CloudTrail と連動できるようになった
- CloudTrail はログを S3 に出力する
- このログデータを QuickSight で可視化することも可能
エディションの違いと無料枠
Standard と Enterprise 比較
QuickSight を無料で利用するには
- Free Trial(試用期間)
- Free Tier(無料枠)
QuickSight のハンズオンキット公開中
- ダウンロードURL : http://chilp.it/c8027b3
- ステップ・バイ・ステップで実習可能
- SPICE にデータを入れる
- Athena と QuickSight を連携
- QuickSight の利用については無料枠に収まる
QuickSight の動画解説
- QuickSight は AWS には珍しい、動画があったほうがわかりやすいツール
- BIツールなので、ドキュメントよりも動いているところを見たい
- 説明動画を誠意作成中
QuickSight まとめ
- QuickSight はクラウド型BIサービス
- サーバーレス
- 運用管理不要
- 自動的にスケールアウト
- 多彩なデータソースサポート
- VPC 内外
- オンプレミス
- SaaS
- Reader プライス
- 使わなければ利用費は発生しない
- リスクなく、多くのユーザーにBIを提供可能
おわりに
Amazon QuickSight の機能・料金体系がよくわかるセミナーでした。
BI ツールと言う性質上、一度も使ったことがないかたは、ハンズオンキット、または、解説動画で実際に手を動かすと、より理解が深まると思います。
Black Beltオンラインセミナーのスケジュールは、次のページで公開されています。
それでは、また。