実店舗向けバーチャル試着システム導入のアーキテクチャ検討 - Bodygram × Gemini API

実店舗向けバーチャル試着システム導入のアーキテクチャ検討 - Bodygram × Gemini API

2026.02.04

概要

Bodygram Platform × Gemini APIでバーチャル試着を試してみたでは、BodygramとGemini APIを用いて、サイズ感を反映したバーチャル試着を実装する方法について解説しました。今回は、この仕組みを実店舗に導入し、来店客がその場でサイズ感を確認しながらバーチャル試着を体験できるようにするためのアーキテクチャを検討してみたので、その内容を共有します。

なお、本記事はアーキテクチャの設計検討段階のものであり、実装・実店舗への導入はまだ行っていません。以降の体験フローや処理フローは、想定する設計内容として記載しています。

システムの特徴

  • LINEタッチで会員登録: NFCタグをスマホでタッチするだけでLIFFアプリが起動
  • カメラゲートで自動計測: 入店時に正面・右側面の2方向から撮影し、Bodygramで体型を自動計測
  • RFIDで商品検知: 試着ラックに商品を掛けるだけで自動認識
  • タッチパネルでバーチャル試着: AIが生成した試着画像をその場で確認

体験フロー

実際の店舗に導入した場合を想定した、ユーザーの体験フローです。

システムアーキテクチャ

全体構成

pus_system_architecture.drawio

使用技術

コンポーネント 技術 役割
会員アプリ LIFF (LINE Front-end Framework) 会員登録、会員証表示
認証 Cognito + LINE Login ユーザー認証、JWT発行
カメラゲート Raspberry Pi 5 + USB カメラ×2 撮影、バーコード読取
体型計測 Bodygram Platform API 24箇所の身体計測
商品検知 RFID リーダー (TS-100F) ラック上の商品を自動認識
試着アプリ Next.js (タッチパネル向け) バーチャル試着UI
画像生成 Gemini API (gemini-3-pro-image-preview※) 試着画像の生成
バックエンド Lambda + API Gateway API処理
データベース DynamoDB 会員、計測、商品データ
ストレージ S3 撮影画像、生成画像
通知 LINE Messaging API 計測完了通知

※ 2026年1月時点プレビュー版

Phase 1: 会員登録(LIFF)

店舗入口のNFCタグにスマホをかざすと、LIFFアプリが起動します。LINE Login認証後、規約同意と体型データ入力を行い、JWT署名付きの会員証バーコードを発行します。

処理フロー

Phase 2: 撮影 & 計測(カメラゲート)

gate
イメージ画像です

会員証バーコードをゲートにかざすと、Raspberry Pi 5が2台のカメラで同時撮影を行います。撮影後、画像はS3にアップロードされ、SQSキュー経由でBodygram APIによる体型計測が非同期で実行されます。

ハードウェア構成

機器 用途
Raspberry Pi 5 制御用コンピュータ
USBカメラ × 2 正面・側面撮影
バーコードリーダー 会員証読取
ディスプレイ 撮影ガイド表示

処理フロー

Phase 3: バーチャル試着(試着エリア)

RFID
イメージ画像です

試着エリアのタッチパネルで会員証バーコードをスキャンすると、試着セッションが開始されます。RFIDリーダーがラックに掛けられた商品を自動検知し、顧客が商品カードをタッチするとGemini APIによるバーチャル試着画像が生成されます。

画面遷移

処理フロー

RFIDリーダー

RFIDリーダー

RFIDリーダーにはTS-100Fを想定しています。TS-100Fは「透過読み取り」モデルで、本体から最長2〜3mのエリアでICタグを認識できる広い読み取り範囲が特徴です。

電波が直線的に届く特性を活かし、ラックの横に設置することで、ラックに掛けられた商品のRFIDタグをまとめて検知する構成を想定しています。実際にTS-100FとRFIDタグで検証したところ、出力を調整することで横方向に約2メートルの範囲で安定して検知できることを確認しました。

データベース設計

DynamoDB テーブル構成

Members テーブル

属性 型 説明
userId (PK) String 会員ID
lineUserId String LINE ユーザーID
height Number 身長 (cm)
weight Number 体重 (kg)
gender String 性別
age Number 年齢
createdAt String 登録日時

Scans テーブル

属性 型 説明
scanId (PK) String スキャンID
userId (GSI) String 会員ID
status String queued / processing / completed / failed
s3Paths Map 画像パス (front, side)
measurements Map Bodygram計測結果
createdAt String 撮影日時
ttl Number 自動削除用TTL (30日後)

Products テーブル

属性 型 説明
productId (PK) String 商品ID
rfidTag (GSI) String RFIDタグID
name String 商品名
price Number 価格
category String カテゴリ
colors List カラーバリエーション
sizeChart List サイズ表
imageUrls Map 商品画像URL

まとめ

本記事では、BodygramとGemini APIを組み合わせた実店舗向けバーチャル試着システムの設計を紹介しました。LINEタッチによる会員登録、カメラゲートでの自動計測、RFIDによる商品検知、タッチパネルでのバーチャル試着という4つのフェーズを組み合わせることで、専用アプリ不要で始められる手軽さと、体型に合った試着体験を両立できる構成です。

今後実装を進めるにあたっては、Bodygram APIの計測レイテンシ(約10秒)やGemini APIの画像生成時間(約20秒)をユーザー体験上どう吸収するかが課題になります。本設計ではSQSによる非同期処理とLINE Push通知で計測待ちを解消し、試着画像生成中はプログレスバーで待機時間を可視化する方針としています。

各APIの具体的な実装方法についてはBodygram Platform × Gemini APIでバーチャル試着を試してみたで解説しています。

参考リンク


AI白書2026 配布中

クラスメソッドが独自に行なったAI診断調査をもとに、企業のAI活用の現在地を調査レポートとしてまとめました。企業規模別の活用度傾向に加え、規模を超えてAI活用を進める企業に共通する取り組みまで、自社の現在地を捉えるためのヒントにぜひ。

AI白書2026

無料でダウンロードする

この記事をシェアする

DevelopersIO 2026

関連記事