[読書のススメ]健康を考えるIT技術者にオススメの一冊「IT技術者の長寿と健康のために」を読んでみた
はじめに
IT技術者の皆さんは日々健康に精進されておられるでしょうか。
ある日、技術者を非技術面から攻めているような変わり種の本はないものかと探していたところ、「IT技術者の長寿と健康のために」という本に遭遇しました。タイトルだけ読むと、正直健康診断対策本に見えなくもありません。
気になったこともあり、実際に読んでみた上での紹介と感想を書き記してみます。
当書について
初版2016年6月30日。割と最近のことにも短めですが触れられています。例えば以下の通り。
- SORACOMに見るIT企業の未来
- Preferred Networks社の企業戦略
なお、産業医が執筆していることもあり、崩れた生活習慣からの体調不良への突入や、そこから至る各種疾患等、本当に細かい一冊です。
目次
第1章 IT企業における産業医学
- 1.1 はじめに
- 1.2 実際のIT業務の業務内容
- 1.3 IT企業における産業医学臨床の実際
- 1.4 まとめ
第2章 IT技術者と健康
- 2.1 IT技術者の健康リスク
- 2.2 IT技術者のサバイバルのために
- 2.3 代謝性疾患
- 2.4 心血管系疾患
- 2.5 メンタル・ヘルス
- 2.6 がんと闘う
- コラム 情報処理学的観点から見た"がん"
第3章 わが国のIT産業の実態
- 3.1 ブラック or ホワイト
- 3.2 統計にみるIT産業
- 3.3 ストレスを感じる割合と余暇
- 3.4 IT技術者は本当に休めているのか?
- 3.5 労災にみるIT業界
- 3.6 職場での対策はどこまで行われているのか?
- 3.7 統計から浮かび上がるIT技術者の群像
第4章 IT産業の技術者を大切にする
- 4.1 技術者の健康
- 4.2 従業員の健康と企業の価値
- 4.3 IT産業の価値源泉
- 4.4 経営者責任
- 4.5 望まれる開示
- 4.6 予想される批判に対して
- コラム 荻野純一郎君について
第5章 IT企業の未来について
- 5.1 わが国のIT産業の弱点と今後の在り方
- 5.2 期待されるビジネスモデルと展望
- 5.3 クラウド化によるIT産業構造の変化に向けて
- 5.4 大企業は滅びるのか?
- 5.5 健全な経営は健康な体質と健全な環境がはぐくむ
統計からみた健康面
第2章では、1940年代から2000年代以降での死亡率年次推移や疾患別死亡率数推移グラフを元に話が進みます。その上で挙げられるIT技術者の最大の健康リスクは肥満であるとされています。
なお、この章も産業科医の方が執筆されています。驚かされる点として、執筆者自身が肥満からの糖尿病、その後に心筋梗塞となった過程と、心筋梗塞で倒れた後に病院に搬送されるまでの自身の体調を書き綴っています。
また、読みどころの一つとして、肥満以外にも代謝性疾患について記述されている点があります。
- メタボリック症候群
- 糖尿病
- 高尿酸血症(痛風)
- 閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSAS)
- 歯周病
そして、章末ではがんについてまとめられています。
余暇と労災
第3章では、ストレスと余暇から健康面について触れられています。
2008年まで発行されていた「国民生活白書」では、ストレスを感じる一番の原因が「収入や家計に関すること」だったそうです。当章ではそれ以外のストレス要因についても触れたうえで、ストレスを感じないと回答した人達がどういった層だったのかにも触れています。
健康への投資
第4章では、技術者の健康を守るための投資について触れられています。
著者による有価証券報告書へ休暇状況や年齢別離職率等の付加提言などもあり、健康を考える場合にどういった行動ができるのかを知る一歩になる章だと思われます。
まとめ
ページ数は200ページ前後と文庫本程度のボリュームですが、情報量が相当な代物となっており、読み切るまでにはそれなりに日数が掛かる気がします。当書籍を購入したのは数ヶ月程前なのですが、とりあえず一通り読み終えたこともあり、忘れないうちのエントリーとしました。
肥満やうつ病に病状等の知識面で触れられていることもあり、IT技術者であれば一読しても損はないと思います。
なお、余暇の点で言うとクラスメソッドは以下の通りです。
クラスメソッドは、2018年末16連休、2019年GW10連休でした。そして、2019年末は16連休を予定しています。つまり、今すぐエントリーをお待ちしております。入社直後に有給5日付きます。当社を知っている方のエントリーは特に嬉しいです。https://t.co/C5P6tFqRlm
— さとし? (@sato_shi) May 16, 2019
また、以下のような認定を戴いたこともあり、心労の点でも問題はないと思われます。
- ワーク・ライフ・バランス推進宣言企業(新宿区支援)
- 平成23年度男性の育児・介護サポート企業認定(新宿区支援)
- 平成23年度ワーク・ライフ・“ベスト”バランス賞受賞(新宿区)
- 平成24年度東京ワークライフバランス認定企業(東京都)
流石に肥満は各スタッフが精進するのみですが、気になる方はエントリーをお待ちしております。