【書評】伝え方が9割
AWS事業本部アカウントチーム所属のHaradaです。
少し前から「~が9割」系の自己啓発本、流行ってますよね。 オンライン上のコミニュケーションが盛んな弊社で大切な技術が学べるのではと思い 本書を手に取ってみました。
本・著者の紹介
- 著書・著者について
「言葉のプロ」である有名コピーライターの佐々木氏による「伝え方」の指南書です。 私は主にオンライン上でのライティング技術を高める目的で読みましたが、普段の会話などでも活用できるテクニックが満載です。 「自分には言葉のセンスがないから…」と落ち込んでいたのですが 本書では「伝え方にはシンプルな技術がある」と断言しています。 「才能」「センス」など、漠然とした概念の前で立ち止まり気味な人にとって必読の一冊です。
注目したいメソッド
本書で紹介される数あるメソッドの中から、個人的にオンライン上のコミニケーションで活用できそう・感銘を受けたものを2つ紹介します。
1.「ノー」を「イエス」に変える技術
文中は「デートしませんか?」の交渉術になぞらえて紹介されています。 私の仕事の中で「AWSアカウントを他社からクラスメソッドに移管したいよ」というお客様と協力をして作業を進める場面があります。 メールでの説明・対応依頼が必要な業務の為、それになぞらえて想定してみました。
- ステップ1:自分の頭の中をそのままコトバにしない
- ストレートな表現例:「転入のために必要な作業は〇と△だよ!■月■日までにやって!作業終わったら教えてね!」
- 確かにお客様にやっていただく必要のある作業なんだけど…
- ストレートな表現例:「転入のために必要な作業は〇と△だよ!■月■日までにやって!作業終わったら教えてね!」
- ステップ2:相手の頭の中を想像する
- ポイント:お客様がどう考えるか・普段お客様が何を考えているか
- 例
- お客様も弊社への移管作業だけをやっている訳じゃない。お忙しいのでは?
- 返信締切日時の交渉が必要
- 必要な作業を羅列したけど、お客様は依頼しただけでスムーズにできるのか?
- 手順・フォローが必要
- お客様も弊社への移管作業だけをやっている訳じゃない。お忙しいのでは?
- 例
- ポイント:お客様がどう考えるか・普段お客様が何を考えているか
- ステップ3:相手のメリットと一致するお願いをつくる
- ポイント:お客様の文脈で依頼文を作成する
- 例
- 作業日(返信締切日時)をクリアにすることによって、弊社は作業時間の確保ができ、スムーズに移管作業ができますよ
- 弊社が提示した手順に沿って作業してもらうことにより、不明点などが出た場合のサポートがスムーズに受けられるよ
- どちらもお客様にもメリットになる!
- 例
- ポイント:お客様の文脈で依頼文を作成する
- まとめ
- 弊社に移管してくださる際のお客様側作業は、決して煩雑な物ではありませんが、日々の業務をこなしながらお時間を頂戴し実施いただいています。お願いごとをする際は、常にお客様視点に立ち、作業内容・負荷について考える必要があると学びました。
2.メールは感情30%増量でちょうどいい ~理解すべきはデジタル文字の冷たさ!
友達と旅行の計画をLINEでやりとりしている時、TODOを明確にしたい!という意図で 「〇月〇日で■■旅館の予約をお願いします」という文面を送ったことがあります。 友人からの返信は意外にも「怒ってる?」というものでした。
弊社ではSlackで部署・他部署・関連会社の人たちとのコミニュケーションが盛んです。 著者:佐々木氏は以下の具合で「語尾に30%の感情を載せろ」と言っています。
- 例
- Before:
- ■■旅館の予約をお願いします
- 30%マシマシAfter:
- ■■旅館の予約をお願いします!
- ■■旅館の予約をお願いしますねーー。
- Before:
Slackでは、下記のようなスタンプ機能があります。これを使うことで熱感が伝えられる優れものです。 でも、スタンプ使用は、失礼にならない・空気感を読むことが必要だと思っています!
- まとめ
前職でヘルプデスク業務を長くやっていたため、「仕事=平身低頭」精神がしみ込んでいます。 弊社同僚・上司から「敬語が過剰」と言われていた経験もあります。 これは「冷たい」「怒っている」という印象を与えかねないと思いました。 (あと単純に時間のロスもある。「お願いします」「お願いいたします」では数秒だけどロスしてる。チリツモだけど大事。)
MeetやZoomで良く雑談をするチームメンバーには、徐々にどんな人間なのか理解してもらえていますが 普段あまり関わりのない他部署の方々に、何か依頼をする時などは依然注意が必要だと思いました。
最後に
コミニュケーションはセンスではなく、技術! これを念頭に置き、「なんとなく」から「相手の立場に立つ」という意識を持ち意識付けがが一番大切なだと感じました。
事実、文中で著者:佐々木圭一氏は「もともとコミュニケーションがヘタで伝えることが得意でなかった」と綴っています(衝撃)。 有名コピーライター=言葉のプロとして、本書を書き上げるまでに、膨大なトライ&エラーを繰り返し 身に付けられた「伝え方の技術」はとても面白く、日々の自身のコミニュケーションを振り返る良い機会となりました。