[レポート] ユーザーの行動理解から始まる顧客エンゲージメント〜 チャネルを横断したパーソナライゼーションの実現〜 #BrazeForge22

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はじめに

本記事は2022年7月12日に開催されたBraze FORGE Japan 2022のセッション「ユーザーの行動理解から始まる顧客エンゲージメント〜 チャネルを横断したパーソナライゼーションの実現〜」のレポートです。

スピーカーはメルカリUS CRM テクニカル ディレクター 現王園 浩士さん。

レポート

メルカリUS CRMのこれまで

CRMのミッションは、お客様1人1人に最適なタイミングで最適なメッセージを届け、エンゲージメントを最大化すること。
 どうやってカスタマーエンゲージメントを最大化するか。
Braze導入前の課題。
 CRMは自社システムからメッセージを送信。
 全てのお客様に同じメッセージを一斉配信。
 プッシュやメールなどのコミュニケーションのABテストをするのにエンジニアが必要で、工数がかかる。
 トラッキングができておらず、誰に何をどのくらい送っているのかの分析も時間がかかる。
4年前に、全てのチャンネルを統合したCRM基盤をBrazeで実現することに決めた。
 データの一元化。
 全てのコミュニケーションをBrazeに統一。
  データはBigQueryに蓄積。
 より深い分析ができる、データ分析基盤を構築。
 お客様の重要なライフサイクルやアクションによって適切なアクションを取れるようにする。
 実装及びテストの高速化。改善し続けるための基盤を構築する。
まずは簡単なカスタマージャーニーを作成。
 その中で重要なアクションをBrazeに送るように設定。
 重要なアクションをトリガーにキャンペーンをテスト。
 アクティベーションから購入に繋げるためのリマイダーの実施や、購入後に次の商品をリコメンドするなど。
パーソナライズ化されていないCRMから、お客様の属性と行動に基づいたイベントベースのCRMを実現。
現在はよりパーソナライズされたCRMを実現するためにアクション中。

チャネルの深堀り

現在は全てのチャネルをBrazeに統合。
クーポン配布などのエンゲージメント施策、グロース施策もAPIを使ってBrazeから実施。
プッシュ配信。
 主要なイベント全てで配信。
  インストール直後のオンボーディング。
  初めて出品したお客様へ売り方ガイドを案内。
  カートに入れた商品に対するリマインド。
  売買のトランザクションに対するメッセージ。
 オンボーディングからトランザクションまで全てBrazeで実現。
メール。
 HTMLのデザインに時間がかかっていた。
 Brazeの機能を活用し、メールのデザインをテンプレート化。
  Content Blocksにより、ヘッダやフッタだけの修正を簡単に行えるように。
   マーケッターが自分で、必要なパーツだけを組み合わせてメールを作成できるようになった。
  メール作成の工数を大幅に削減。
In−Appメッセージ。
 スクエアモーダル、スライドモーダルなどを活用。
 BrazeはWebプッシュの許諾のモーダルの簡単に実行できる。
Content Cards。
 これまではお知らせなどをサーバサイドから配信していた。
 今はBrazeから配信できるようにしている。
 アプリを開いているお客様に、ユーザビリティを下げることなくメッセージを届けることができる。
 特に重要なお知らせはPined機能によって一番上に表示することができる。
Webhooks。
 エンゲージメントやグロースの施策で必要なAPI操作をBrazeから行えるようにしている。
 例えば、クーポン配布のサービスを、BrazeからAPI経由で実行。
パーソナライゼーション。
 Connected Content。
  API経由で扱えるあらゆる情報をリアルタイムに取得してメッセージに挿入することができる。
  Brazeからリコメンデーションを取得してメールに挿入する、など。
 Liquid Logic。
  テンプレート言語、メッセージにロジックや変数を挿入することができる。
 例。
  「カートに入れる」というイベントをトリガーにキャンペーンを発火、X時間後にメールを送信。
  ただし、商品が売れていない場合のみ贈りたい。
  Connected Contentで商品の情報を取得、売れているのか売れていないのかを把握。
  Liquid Logicを使って、売れていない場合のみメールを送信する。

プロモーション事例

アクティブセラー向けの出品マイルストーン。
 アクティブにメルカルを使っているユーザー向け。
 期間内の出品数を増やしたい、がゴール。
 出品数ゴールを3段階に設定。達成度に応じたクーポンを配布。
 出品数を増やし、需要を伸ばし、売上を伸ばすのが目標。
キャンペーン自体、何度もテストを繰り返し、今の形に仕上げた。
 そのためにはスピード感を持ってアイデアを実現しテストしリリースすることが大事。
 キャンペーンをBrazeだけで実現できるように構築。
実現の仕方。
 WebhookでA/Bテストを振り分け。
 全てのチャネルを使ってプロモーションの認知を上げる。
 プロモーションのリマインドをパーソナライズして送信。
 出品数に応じてクーポンを配布。これもBrazeで実施。
Webhookで対象オーディエンスをA/Bに振り分ける。
 発生したイベントからセグメントを分ける。
 テストしたいオーディエンスのみに対してWebhookでキャンペーンを適用。
   Custom Attributeにキャンペーンのフラグを追加。
プッシュ、モーダル、コンテントカードを使ってキャンペーンの認知を上げる。
 Connected Contentで期間内の出品数をリアルタイムに取得。
 出品数に応じてリマインダーを送信。
出品数に応じてWebhookでクーポンを配布。
出品数を変えたりセグメントを変えたりが非常に早くできる。

Brazeを導入したことによるメリット

異なるチャネルを組み合わせることで、リーチが最大化できた。
ユースケース毎に最適なチャネルで最適なコミュニケーションができるようになった。
A/Bテストをマーケターだけで行えるようになり、スピードが上がった。
全てのCRMデータがBigQueryに保存されているため、自社データと結合することで様々な角度で分析できるようになった。

質問

当初Brazeを導入した時と今でどのように体制が変わったのか?
 当時は1人のマーケターが1人でやっていて、現王園が2人目としてジョイン。
 デジタルマーケティングで当たり前にやっているパーソナライズされたメッセージをCRMでやりたかった。
 バックエンドエンジニアを徐々に増やして体制を強化。
 現在はCRMチームだけでマーケターが10人、エンジニアやデータサイエンティストが20人くらい。

さいごに

実際にBrazeを活用した事例としてとても興味深いお話でした!