【レポート】検証用アプリ準備の自動化によるコスト最適化 #CEDEC2024 #classmethod_game
こんにちは。ゲームソリューション部の出村です。
CEDEC2024で講演された「検証用アプリ準備の自動化によるコスト最適化」というセッションの概要をお伝えします。これを実施することで業務効率が改善されています。
セッション内容
スマートフォン向けアプリの検証業務では毎日作成される検証用アプリを使用して検証を行います。検証業務に関わるテスターは検証用アプリのダウンロード・インストール・アセットのダウンロードを毎日時間をかけて手動で行なっていましたが、テスターの人数が増えるにつれ検証準備にかかるコストも線形的に増えるため課題を感じていました。
本セッションでは前述の検証準備の際に発生した課題の分析、課題を解決するための施策、実際に構築したシステム、最後にまとめと今後の展望についてお伝えしたいと思います。
内容について
自動化の経緯ですが、QAテストの内製化に向けてテスターを増員しています。テスターの業務割合を調査すると、テスト業務以外の業務としてテスト準備の工数が過半数占めていました。そのため、テスト準備の効率化を模索したのがはじまりとなります。
自動化のアプローチについてです。手動でアプリケーションをインストールせずに済むようになっており、帰り間際にスマートフォンをPCに接続されているケーブルに接続しておくことで、翌朝出社した時点で新しいバージョンのアプリがインストール済みの状況をめざいました。
これにより、翌朝出社した段階で、すぐにテストに取り組むことができます。
システムの概要を説明します。
管理用サーバーはダウンロード用サーバーへアクセスします。また管理用サーバーには端末管理表が含まれています。管理用サーバーには複数の検証用端末が接続されている状況となります。
端末管理表の閲覧・更新はクライアントPCより行います。
検証用端末は管理用サーバーに接続することで更新準備を行います。またテスターは端末管理表に対して、アプリ名とバージョンと指定することで、自動でインストールしたいアプリケーションをあらかじめ指定しておくことができます。
管理用サーバーは端末管理表からアプリ名とバージョンを取得し、それを元にダウンロードサーバーから必要なアプリケーションをダウンロードしておきます。
その後、管理用サーバーは端末管理表を元にして、接続されている検証用端末に対してそれぞれ指定されたアプリケーションをインストールします。これらが自動的に行われています。
この自動化による効果は次の通りです。これまでかかっていたアプリ準備の工数が削減できました(1日あたり約3人日分)。
翌朝出社したらアプリの準備することなくすぐにQAに取りかかることができます。
このシステムは、どのようなアプリケーションでも利用可能です。他のアプリケーションのQAでも利用したい場合は、スクリプトを用意することで利用することができます。また、このシステムはコストメリットが明確にわかります。
感想・雑感
毎日行う定型作業は自動化すると作業の効率化が図れる点は、エンジニアであれば経験則的にしっています。今回の自動化については、まさにそのような効率化が図れる箇所の1つです。。
このような作業の効率化(自動化)については、それぞれ知見を持ち寄って公の場で発表するのは、業界の発展にとって大事な事だと感じました。