渾沌のマネジメント
[Classmethod Happy Anniversary blog post] 創立記念日おめでとう!ありがとう!
はじめに
渾沌って読めますか? 想像は出来るけど、果たして正解は!?
まずはGoogleでイラスト検索してみてください。
アマビエに似たような空想上の動物のイラストが出てきますかね。
タイトルの渾沌ですが、(こんとん)と読みます。 すなわちカオスです。 カオスは昔、生き物として考えられていたんですね。
不確実な世界
世の中の不確実性はコロナによって増えてきたのではなく、これまでもどんどんと増えていたところをあぶり出されたというところがあります。 このようなとき、我々には戦略が必要で、また、戦略は状況を読んで適切に立案実行しなければならないのですが、通常、先の様子が見えていることを対応するときには「計画的戦略」を、先の様子が見えないときには「創発的戦略」を取ることが知られています。
創発的戦略をするとき、ホンダの二輪ビジネスがアメリカ展開したときのエピソードで、大型バイクで勝負をしかけたのに、実際にウケたのはスーパーカブだったという話が有名です。 これはホンダが臨機応変に対応策を取れたという有名な事例です。
この図は昨年のDevelopers.IOから紹介しているのですが、不確実な世の中に対応する創発的戦略を実行するためのリーダーシップについての必要性を表しています。 きちんとやるべきことをやることは大事だけれど(問題はそれさえ出来ない人がいること)、その先の道を作るためには必要な組織作りについて表している図でもあります。
さらには、アルフレッド・チャンドラーによると「組織は戦略に従う」とあるように、組織を見れば大体、戦略が見えてくるのです。 「ウチは古い体質だから」を言い訳に、事業環境の変化が激しいのにも関わらず組織を固めてしまい、商機(チャンス)に弱い体制を作ってしまうことは、知らないでは済まされない将来の罪です。 システムにおける疎結合は、クラウドにおいても組織・戦略においても重要なのは変わりありません。
パラダイムシフト
不確実な世界で、気がつくと、誰かが4枚の同じ数字のトランプカードを出して、ルールチェンジが行われていることがあちこちで見受けられます。 ソフトウェア業界では、ROMが出来上がると、テストハウスで1ヶ月掛けてデバッグをして、市場に出してバグが出たら大騒ぎという時代がありました。 今はどんどん走りながら修正を行っていく時代になりました。 いや、そういう時代でした。
走りながらの修正にも限界が来るんですね。 ツギハギの仕組みにならないようにCircle CIなどでCD/CIを自動化し、適度に負荷を掛けながら、しなやかな強さを持つシステムにしていく。 この「しなやかな強さ」を英語ではレジリエンス(resilience)と表現しますが、これからのシステムに対する必要要件です。 つまりテストハウスに出す時代ではなく、走りながら修正する時代でも無く、負荷を掛けながら、しなやかな強さで、事故を起こさないシステムを作るということです。
(余談ですが、レジリエンスは、昨日7/6のレアジョブのDaily News Articleでも覚えておきたい単語として出てきます。)
渾沌工程
そのためのツールが、カオスエンジニアリングです。 クラスメソッドでは現代版、カオスな生き物であるGremlinとパートナーシップを結びました。 Happy Anniversaryなクラスメソッドのミッションは「オープンな発想と高い技術力によりすべての人々の創造活動に貢献し続ける」です。 オープンな発想と高い技術力によってなし得る世界です。
Gremlinを使うと、意図的にシステムに対して負荷を掛けて弱いところをあぶり出すことができます。 あぶり出されたところを強化し、その結果、どんどんシステムが強くなっていくという訳ですが、アニメ的に言うと、「空手道場の息子が、親父とかじっちゃんから毎日攻撃を受けていたら必然的に強くなっていた」みたいなアレです。
おわりに
不確実をマネジメントするということは、しなやかな強さを持つ体制を作るということに他なりません。 次世代のカオスメソッドに興味がある方は是非クラスメソッドまでお問い合わせください。
なお、戦略論含めた技術経営に興味がある方はDevelopers.IO Connect 2020に投稿された以下のビデオをご参照ください。
【第一部】オープンイノベーション編
Gremlinを含めたSaaS製品に興味がある方はこちらをご参照ください。
【第二部】SaaS紹介編