
Claude シークレットチャットとデータガバナンス ― 監査ログ・データエクスポートとの関係
はじめに
Claudeには、履歴にもメモリにも残らない シークレットチャット(Incognito Chats) 機能があります[1]。Claude CodeやCoworkには存在しない、チャット固有の機能です。
2025年9月18日、AnthropicはEnterpriseプラン向けにメモリ機能をリリースしました。覚える機能(メモリ)を導入するなら、忘れる権利(シークレット)も必要になります。シークレットチャットは記憶のオプトアウト手段として、メモリと同時にリリースされています。
チャット履歴とメモリの違い
シークレットチャットの仕組みを理解するうえで、チャット機能における「チャット履歴」と「メモリ」の違いを押さえておく必要があります。
チャット履歴 は、サイドバーに表示される会話の一覧です。過去のチャットを参照・再開するために使います。あくまでその会話の中の記録であり、別のチャットには影響しません。
メモリ は、複数の会話をまたいでClaudeが保持する情報です。ある会話で伝えた情報が、別の新しいチャットでも反映される仕組みです。
シークレットチャットは過去の会話から学んだ情報(メモリ)を参照しないし、会話内容を将来のために記憶しません。

Claude Code・Coworkのメモリはチャットのメモリとは別物
Claude Code/Coworkにはシークレットチャット相当の機能はありません。
チャットのメモリはAnthropicのサーバーサイドに保存されます。一方、Claude CodeやCoworkのメモリはまったく別の仕組みで、ローカルマシン上にファイルとして管理されます。
Claude Codeを例に取ると、ドキュメントで登場するメモリは2種類あります。
CLAUDE.md: ユーザーが書く永続的な指示ファイル。プロジェクトのコーディング規約やワークフローなどを記述する- Auto Memory : Claudeがセッション中に学んだことを自動的にマークダウンファイルへ書き出す仕組み。
~/.claude/projects/<project>/memory/に保存される。参考
このうち Auto Memory がチャットのメモリに近い機能です。
データガバナンスとの関係
シークレットチャットはユーザー個人の履歴やメモリには残りませんが、組織の管理機能には残ります。シークレットチャットには チャット履歴は管理者に引き続き表示されます("Chat history is still visible to your admin.") という注意書きがあります。より具体的には、シークレットチャットは監査ログ(操作履歴)やデータエクスポート(会話内容)といった管理機能の対象となります。

最後に
シークレットチャット は、メモリ機能と対になるプライバシーモードです。ユーザーが記憶させたくない会話はシークレットチャットで、それ以外は通常モードでという使い分けができます。
ただし、シークレットチャットはユーザー側の履歴やメモリには残らないが、管理側の記録(監査ログ・データエクスポート)には残るという点は覚えておきましょう。
参考
- How Claude remembers your project | Claude Code Docs
- Using incognito chats | Claude Help Center
- Use Claude’s chat search and memory to build on previous context | Claude Help Center
Google Chromeも同じincognitoという名前で同じ機能がありますね ↩︎







