Claude シークレットチャットとデータガバナンス ― 監査ログ・データエクスポートとの関係

Claude シークレットチャットとデータガバナンス ― 監査ログ・データエクスポートとの関係

シークレットチャットはユーザーには残らないが、管理者には残る
2026.04.13

はじめに

Claudeには、履歴にもメモリにも残らない シークレットチャット(Incognito Chats) 機能があります[1]。Claude CodeやCoworkには存在しない、チャット固有の機能です。

2025年9月18日、AnthropicはEnterpriseプラン向けにメモリ機能をリリースしました。覚える機能(メモリ)を導入するなら、忘れる権利(シークレット)も必要になります。シークレットチャットは記憶のオプトアウト手段として、メモリと同時にリリースされています。

チャット履歴とメモリの違い

シークレットチャットの仕組みを理解するうえで、チャット機能における「チャット履歴」と「メモリ」の違いを押さえておく必要があります。

チャット履歴 は、サイドバーに表示される会話の一覧です。過去のチャットを参照・再開するために使います。あくまでその会話の中の記録であり、別のチャットには影響しません。

メモリ は、複数の会話をまたいでClaudeが保持する情報です。ある会話で伝えた情報が、別の新しいチャットでも反映される仕組みです。

シークレットチャットは過去の会話から学んだ情報(メモリ)を参照しないし、会話内容を将来のために記憶しません。

incognito-memory-blocking

Claude Code・Coworkのメモリはチャットのメモリとは別物

Claude Code/Coworkにはシークレットチャット相当の機能はありません。

チャットのメモリはAnthropicのサーバーサイドに保存されます。一方、Claude CodeやCoworkのメモリはまったく別の仕組みで、ローカルマシン上にファイルとして管理されます。

Claude Codeを例に取ると、ドキュメントで登場するメモリは2種類あります。

  • CLAUDE.md : ユーザーが書く永続的な指示ファイル。プロジェクトのコーディング規約やワークフローなどを記述する
  • Auto Memory : Claudeがセッション中に学んだことを自動的にマークダウンファイルへ書き出す仕組み。~/.claude/projects/<project>/memory/に保存される。参考

このうち Auto Memory がチャットのメモリに近い機能です。

データガバナンスとの関係

シークレットチャットはユーザー個人の履歴やメモリには残りませんが、組織の管理機能には残ります。シークレットチャットには チャット履歴は管理者に引き続き表示されます("Chat history is still visible to your admin.") という注意書きがあります。より具体的には、シークレットチャットは監査ログ(操作履歴)やデータエクスポート(会話内容)といった管理機能の対象となります。

incognito-display

最後に

シークレットチャット は、メモリ機能と対になるプライバシーモードです。ユーザーが記憶させたくない会話はシークレットチャットで、それ以外は通常モードでという使い分けができます。

ただし、シークレットチャットはユーザー側の履歴やメモリには残らないが、管理側の記録(監査ログ・データエクスポート)には残るという点は覚えておきましょう。

参考

脚注
  1. Google Chromeも同じincognitoという名前で同じ機能がありますね ↩︎

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