
【非エンジニアのためのClaude/ClaudeCodeシリーズ】Claudeに「利用明細データ」をもとに、市場動向を横断分析させてみた
1. はじめに
クラスメソッド 内田です。
2つの営業チーム(課)を統括するマネージャーとしての役割のひとつに、現場の動きから変化を捉え、次の方針を決めることがあります。
計20名弱のメンバーが、日々お客様と向き合う中で見えてくるものを拾い上げ、市場動向や予兆をいち早くキャッチアップする必要があります。
当部の場合、メンバー1人当たり50社前後のお客様を担当しており、その商談やミーティングログは、HubSpotに日々蓄積されています。また、週次報告でも、ある程度、動向や予兆は掴むことはできます。
ただ、それらからわかるのは、お客様との、直接のやりとりから、生まれた商談(コンサルティング/支援、構築/開発といった役務や、マネージドサービス/SaaSといったライセンスなど)に留まります。
一方で、AWSについては、お客様ご自身で、どんどん使い始めているものもあります。
お客様毎のご利用実績は、利用明細データにより把握できますが、そこから、
- 市場として今どのサービスが伸びているのか
- 業界としてどんな予兆があるのか
を読み取ることはできません。
そこで、利用明細データをもとに、Claude Cowork(以下、Cowork)に、市場動向・顧客ニーズの傾向を、横断分析させました。
2. 何をCoworkにやらせたかったか
やりたかったことは、シンプルで、次の3つです。
- 組織で担当する、ある業界に属するお客様の利用明細データを、まとめて確認する
- 「メンバーの誰が」「どのお客様が」ではなく、サービス毎の利用状況として整理する
- 金額の大小だけでなく、「伸びているサービス」「新しく使われ始めたサービス」を見つける
3. 実際にやったこと
まず、利用したデータは2種類です。
1つは、お客様と担当部署がわかる一覧、もう1つは、「お客様別・AWSサービス別の月次利用明細」(1ヶ月分だけでも数万〜十万行規模)です。
Coworkに、前者から、後者における自部門のお客様を特定させ、そのうえで、下記のような内容で抽出・分析してもらいました。
- 顧客毎の利用明細データを、サービス毎に確認してください
- サービス毎の利用状況の実態がわかるように整理してください
時系列での変化についても、次のような内容を依頼しました。
- 半年前と直近の単月を比較し、110%以上・120%以上増加のサービスを教えてください
- 半年前からの累計と、直近半期の累計を比較し、110%以上・120%以上増加のサービスを教えてください
- それらについて、伸びが、特定の1社によるものか、複数社によるものかが分かるようにしてください
- 年払い/一括請求など、突発的な増加と考えられるものは、補足として教えてください
- ほかに市場動向や予兆を掴む上で有効な指標があれば、合わせて提案してください
出力されたレポートの詳細は割愛しますが、これが非常に質の高いものでした。
例えば、生成AI関連のサービスが業界全体に広がりつつある実態がクリアに示される一方で、「伸び率だけ見ると急成長に見えても、実際は特定の1〜2社の利用に支えられているだけのサービスもある」といった形で、単なる金額の増減にとどまらない、「広がりのある成長」か「少数顧客の特殊要因」かまで仕分けられたレポートが手に入りました。
4. まとめ
「お客様の実際の利用の伸び」を、利用明細データから捉えられるようになったのは、大きな収穫でした。
それ以上に、印象に残ったのは、Coworkがこちらの指示した範囲をいい意味で超えて、自発的に動いてくれた次の2つの場面でした。
(1)「他に有効な指標があれば提案してほしい」への期待を超える回答
大雑把な問いかけに対して、Coworkは、こちらの意図を汲み取り、以下のような高度な切り口を自発的に追加してくれました。
-
サービス毎の「利用社数」の増減
金額の伸びだけでなく、そのサービスの裾野が広がっているのか、それとも離脱が進んでいるのかが可視化されました。 -
「No.1顧客のシェア率」の提示
一見、急成長に見えるサービスが、実は特定の大口顧客に依存しているだけなのか、幅広いお客様に広がっているのかが一目で判別できるようになりました。 -
「成長トレンド」の分類
月次推移から「成長継続中・定常・一時的」というトレンド分類を自動でタグ付けしてくれました。
(2)意思決定を助けてくれる「気の利き方」
分析の途中で、Coworkから次のような確認が入りました。
「月次の伸び率を、単純な比較で見るか、複利換算で見るか?」
恥ずかしながら、私は、データ分析における「複利換算」を知らず、Coworkに質問したところ、丁寧な用語説明に加えて、「複利換算は数値としては目新しいですが、単月比較とほぼ同じ情報になるため、追加の示唆は少なめです」との判断材料まで添えてくれました。
指示が曖昧な部分について、選択肢とその判断基準を示してくれた点は、非常に有難い対応でした。
5. おわりに
なお、ご紹介した内容は、何を、どんな粒度で聞けば欲しい答えが返ってくるか、聞き方を調整しながら形にしていきました。また、問いかけ方を変えることで、自分では気づけなかった視点からのアウトプットが得られる可能性も感じているため、今後も色々な形で試していきたいと思います。同じようにCoworkを使ってみようとされる方の参考になれば幸いです。









