[Cloudflare] Workers AIで生成AIを実行してみる

[Cloudflare] Workers AIで生成AIを実行してみる

Clock Icon2023.10.03

この記事は公開されてから1年以上経過しています。情報が古い可能性がありますので、ご注意ください。

Introduction

先日Amazon Bedrockがリリースされましたが、
CloudflareからもWorkers AIとよばれる生成系AIサービスがリリースされました。

Workers AIを使えば、簡単にサーバーレスでAI推論を実現可能です。
本稿ではWorkers AIの概要解説と公式ドキュメントにある、
WorkersによるアクセスとREST APIによるアクセスをやってみます。

Workers AI?

ここにあるように、Workers AIは、数行のコードを書くだけでCloudflareの
グローバルネットワーク環境で実行できるAIモデルを実行できます。
このモデルはCloudflare Workers/Pages/REST APIからアクセス可能です。
※Workers AIは現在オープンβなのでご了承ください

Workers AIの特徴

デフォルトでWorkers AIには下記のようなモデルが用意されおり、
すぐに使うことができます。

  • LLM
  • Speech to Text
  • 翻訳
  • 感情分析
  • 画像分類
  • 特徴抽出モデル

また、モデルはCloud flareのグローバルネットワーク上で実行可能なので、
Edgeロケーションでデプロイしたアプリケを使えます。

さらに、先日リリースされたVectorize(ベクトルデータベース)も合わせて使うことができます。
生成AI + ベクターデータベースというだけで
いろいろできそうな気がします。

ではさっそく、Workers AIをつかってみます。

Environment

  • MacBook Pro (13-inch, M1, 2020)
  • OS : MacOS 13.5.2
  • wrangler : 3.10.1

Cloudflareアカウントは作成済みとします。

Setup

Cloudflareのアカウントを用意したら、CloudfllareのCLIビルドツール、
wranglerをインストールします。

私はVoltaをつかっているので、
↓のようにインストールしました。

% volta install wrangler

あとはCLIから操作するために、ログインしておきます。

% wrangler login

Try Workers

workers-ai-1

↑はWorkers AIのダッシュボード画面ですが、今回は使用しません。
まずはWorkers AIを使い、Cloudflare Workersプロジェクトを
作成してデプロイしてみましょう。

ここにあるとおり、npmでWorkers AIプロジェクトを作成していきます。

% npm create cloudflare@latest
using create-cloudflare version 2.3.1

╭ Create an application with Cloudflare Step 1 of 3
│
├ In which directory do you want to create your application?
│ dir ./hello-ai
│
├ What type of application do you want to create?
│ type "Hello World" Worker
│
├ Do you want to use TypeScript?
│ yes typescript
│
├ Copying files from "hello-world" template
│
├ Do you want to use TypeScript?
│ yes typescript
│
├ Retrieving current workerd compatibility date
│ compatibility date 2023-10-02
│
╰ Application created

Workers AIのリソース/サービスにアクセスするため、
hello-ai/wrangler.tomlにバインディングを追加。

[ai]
binding = "AI" # i.e. available in your Worker on env.AI

そしてWorkers AI用npmモジュールをインストールします。
これで、Cloudflare Workers上でAIモデルを実行できます。

% npm install --save @cloudflare/ai

では、ドキュメントにある例をhello-ai/src/index.tsに記述しましょう。
デフォルトで用意されているLLM(llama-2)を指定しています。

import { Ai } from '@cloudflare/ai'

export interface Env {
  // If you set another name in wrangler.toml as the value for 'binding',
  // replace "AI" with the variable name you defined.
  AI: any;
}

export default {
  async fetch(request: Request, env: Env) {
    const ai = new Ai(env.AI);

    const response = await ai.run('@cf/meta/llama-2-7b-chat-int8', {
        prompt: "Cloudflareはどんなサービスを提供していますか?"
      }
    );

    return new Response(JSON.stringify(response));
  },
};

ローカルで起動して動作確認してみます。
注意点として、現在ローカルではWorkers AIのリクエストを実行できないので、
--remoteオプションを使う必要があるとのことです。

% npx wrangler dev --remote

アクセスすると、質問に回答してくれます。

% curl http://localhost:8787

{"response":" Cloudflareは、DNS、CDN、WAF、SSL、Load Balancing、およびOther security toolsを提供しています。\n\n\n\n"}%       

Cloudflareにデプロイしてみます。
いつもどおりwrangler deployでOKです。

% npx wrangler deploy

 ⛅️ wrangler 3.10.1
-------------------
Your worker has access to the following bindings:
- AI:
  - Name: AI
Total Upload: 27.54 KiB / gzip: 8.93 KiB
Uploaded hello-ai (2.02 sec)
Published hello-ai (5.51 sec)
  https://hello-ai.xxxxxxx.workers.dev
Current Deployment ID: xxxxx-xxxxxxx-xxxxxx

workersのダッシュボードをみると、普通にデプロイされてます。
もちろんブラウザで表示すればさきほどと同じように動きます。

Try REST API

次に、Workers AI REST API をつかってみます。
APIを使うにはトークンが必要なので、生成しましょう。
Cloudflareダッシュボードにログインし、
画面右上の「マイプロフィール」を選択します。

workers-ai-2

画面左の「APIトークン」を選択して、「トークンを作成する」ボタンをクリックします。
APIトークンテンプレートが表示されるので「Workers AI (Beta)」の「テンプレートを使用する」ボタンをクリックします。

workers-ai-3

アクセス許可とリソースを設定して画面を進め、
「トークンを作成する」ボタンをクリックすれば、トークンが作成されます。

workers-ai-4

作成時に表示されたトークンは覚えておきましょう。
下記コマンドでトークンの確認ができます。

% curl -X GET "https://api.cloudflare.com/client/v4/user/tokens/verify" \
     -H "Authorization: Bearer <取得したトークン>" \
     -H "Content-Type:application/json"

{"result":{"id":"・・・・・・","status":"active","not_before":"2023-10-03T00:00:00Z","expires_on":"2023-10-05T23:59:59Z"},"success":true,"errors":[],"messages":[{"code":10000,"message":"This API Token is valid and active","type":null}]}% 

statusがactiveになっていればOKです。

次にAPIをcurlから呼び出してみます。
アカウントIDはダッシュボードのWorkers&Pagesの
概要をクリックすると右に表示されています。
アカウントIDとさきほどのトークンを使い、llama-2モデルを実行します。

% curl https://api.cloudflare.com/client/v4/accounts/<アカウントID>/ai/run/@cf/meta/llama-2-7b-chat-int8 \
  -H 'Authorization: Bearer <APIトークン>' \
  -d '{ "prompt": "野球は何人でするスポーツ?" }'

{"result":{"response":" 野球は、9人で行うスポーツです。\n\n\n"},"success":true,"errors":[],"messages":[]}%                        

APIが実行できるのを確認することができました。

Summary

以上、簡単にWorkers AIを試してみました。
これ以外にも、RAG(Retrieval Augmented Generation)を作るチュートリアルもありますので、興味のある方はぜひ確認してみてください。

References

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