2024/2/26 Webinar資料「ネットワーク業界から見た Cloudflare 動向」
ネットワーク業界から見た Cloudflare 動向
私は、Cloudflareについて、何が語れるのだろうか?
そのような自問自答を繰り返してきました。
最初に取り組んだことをは、Cloudflareの歴史について調べること。製品や今を語れる人はたくさんいるけれど、歴史的背景から、現在の姿を伝えられないだろうか?と考えてきました。
と思い調べてみたら「より良いインターネット環境の構築をサポートする」と大きくでてきてました。でも、「より良い」って何なんでしょうね?
Cloudflareの目指す「より良い」をだれでも理解できる言葉に言語化することを最初に取り組むことにしました。
事業の方向性を言語化するとき、どの立場の人がどのように改善されていくのか、それをどのように実現していくのか、ということを理解して、伝える言葉に置き換えていく必要があります。
「より良い」を目指す二つの視座を見た
難しいことではありませんが、Cloudflareは、二つの視座で活動や情報発信をしているように思います。
- 一つは、インターネット利用者の視座
- 利用者にとって「より良いインターネット」であることは重要です。
- インターネット利用者がより良いインターネットを手に入れるための、製品やサービスを提供しています。
しかし、Cloudflareの活動には、ビジネス的な目的が見えない時があります。わかりやすくいって、良いサービスはコストをかけているので有償(高価)であものです。それが無償提供されるケースがあるのです。
- もう一つは、ネットワークエンジニアの視座
- インターネットは、それにかかわるたくさんの組織(企業)がお互いに助け合って成り立っています。必要であれば、ビジネス上の競合とも積極的に手を組みます。
- 一般のビジネスシーンでは理解が難しいと思いますが、インターネットのネットワークレイヤーを支えるエンジニアには、そのような文化があります。
- このネットワークエンジニアの視座は、長くネットワーク業界にいると「もしかしたら」とじわじわと感じるんですよね。
現時点で、Cloudflareの目指す「より良いインターネット(better internet)」は、以下のように分析しております。
ネットワーク・レイヤーの Zero Trust 移行が望まれる?
Zero Trustというのは、「何も信頼できない」という前提で、一つ一つの通信単位(セッション)で、認証したり、暗号化したりします。そのためのソリューションが各社から提供されています。
ただ、そのようなソリューションの土台になっている「The Internet」は、「Trustに基づく仕組み」(技術者の良心)で実現されたままです。商用インターネットが始まったとき、そのままではダメなことは、Internetづくりに関わったものであれば、誰もが承知していました。「もう先送りできる時代ではなくなった」ということと思います。
Cloudflareは、Internetを支えるネットワークレイヤーでも、Zero Trustへの移行を積極的目指しているように思います。
Cloudflareは、誤解されている?
「Cloudflareは誤解されている」という言葉を見かけました。
おそらく、誤解はされていないと思います。
投資家向けには自らを「セキュリティー企業」とご説明され「とても信頼を得ている」ようです。
知ってました?
日本は、新NISAの時代に入ったのですから、一度、ご確認されるとよいと思います。つまり、起業家、経営者としての視座もしっかり持っているということですね。
どちらかと言えば、「Cloudflareは、自らの活動を日本に向けて語っていない」だけのように見えます。
少し関心を持って、のぞいてみていただくと、面白い企業やサービスなのではないかと思います。