CloudShellの永続ストレージは同名IAMユーザー再作成時にどうなるか検証してみた

CloudShellの永続ストレージは同名IAMユーザー再作成時にどうなるか検証してみた

Clock Icon2025.06.11

こんにちは。テクニカルサポートチームのShiinaです。

はじめに

IAM ユーザの運用において、同じ名前の IAM ユーザーを削除し、再作成することはありませんか?
CloudShell では永続ストレージ($HOME)を利用できるため、ログデータや SSH 秘密鍵などを保存している方もいるかもしれません。
もし、永続ストレージに保存していたデータが新しいユーザーに引き継がれてしまったら、情報漏洩につながるのではないかと心配ですよね。
今回は同じ名前の IAM ユーザーを再作成した場合に CloudShell の永続ストレージ($HOME)がどのように扱われるのか、実際に検証してみました。

結論

IAM ユーザは一意の識別子をもっているため、同じ名前で IAM ユーザーを再作成しても、CloudShell の永続ストレージ($HOME)は引き継がれません。
再作成後は新しい環境が割り当てられ、以前のデータにアクセスできなくなります。
そのため、もし引き続き利用したいデータがある場合は、IAM ユーザーを削除する前に外部へ退避しておく必要があります。

検証してみた

IAM ユーザ CloudShellUserを利用して確認してみます。

ファイルアップロード

東京リージョンの CloudShell を起動し、ファイルをアップロードします。
ホームディレクトリにファイル(Confidential_Document.zip)が存在することが確認できます。
CloudShellアップロード

IAM ユーザ再作成

IAM ユーザ CloudShellUserを削除し、同じ名前で再作成します。
userdelete

ユーザーの作成

ホームディレクトリの確認

IAM ユーザ CloudShellUserで AWS マネジメントコンソールにログインして、東京リージョンの CloudShell を起動してみます。
ホームディレクトリは空であることが確認できました。
CloudShellユーザ再作成後

CloudShell 起動時の CloudTrail ログを見てみる

IAM ユーザ CloudShellUserの CloudTrail ログを確認してみました。
CreateEnvironment イベントと合わせて GetCallerIdentity イベントが記録されていることがわかります。
このことから、CloudShell は GetCallerIdentity API を利用して IAM ユーザの一意識別子を取得していると考えられます。
イベント履歴-CloudTrail-ap-northeast--06-11-2025_04_42_PM

まとめ

同じ名前で IAM ユーザーを再作成しても、CloudShell の永続ストレージは新しいユーザーに引き継がれません。
そのため、過去のデータが新しいユーザーから参照されることはなく、情報漏洩の心配はありません。
もし、必要なデータがある場合は、ユーザー削除前に外部へ退避しておくことを忘れないようにしましょう!

本記事が参考になれば幸いです。

参考

https://docs.aws.amazon.com/ja_jp/IAM/latest/UserGuide/reference_identifiers.html#identifiers-unique-ids

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