[レポート][株式会社日立システムズ] セキュリティに関わる人々をつなぎ広げ深める​- CODE BLUE 2023 #codeblue_jp

[レポート][株式会社日立システムズ] セキュリティに関わる人々をつなぎ広げ深める​- CODE BLUE 2023 #codeblue_jp

CODE BLUE 2023で行われた「[株式会社日立システムズ] セキュリティに関わる人々をつなぎ広げ深める​」というセッションのレポートです。
Clock Icon2023.11.07

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こんにちは、AWS事業本部@福岡オフィスのべこみん(@beco_minn)です。

今回はCODE BLUE 2023で行われた以下のセッションのレポートです。

[株式会社日立システムズ] セキュリティに関わる人々をつなぎ広げ深める​

日立は社会イノベーションの為に一人ひとりが未来を選べるインフラをつくり続けています。そしてインフラに不可欠なセキュリティに係る総ての人々を世界につなぎ広めたいと考えています。本講演ではコンセプトをご説明した後に2つの具体的な取り組みをご紹介いたします。
1.コンセプトのご紹介(日立システムズ 技師長 本川 祐治)
2.11年間継続してきたセキュリティ人材育成の取り組み(東京情報大学 学長 布広 永示様)
サイバーセキュリティ分野の中でも特にインシデント発生時の対応知識やスキルを持った人材の不足が社会課題として深刻である。本学ではこの課題解決に取り組むため、2012年よりインシデント対応の実績を数多く持つ日立システムズと連携して取り組んできた。具体的な取り組みとして2013年より大学の単位認定講座として「インシデントレスポンス概論」を開講している。既に本講座により400名を超えるセキュリティ人材を継続して地域社会に輩出している。また、現在は大学の枠を超え、民間企業や警察組織等にも対象を広げて活動を展開している。
本講演ではこれらの取り組みから得られた知見や次世代の人材教育に対する展望について紹介する。
3. 中国の認知戦の変化とその背景(笹川平和財団 安全保障研究グループ 上席フェロー 小原 凡司様)
各国は、国際社会において自国の行動に対する支持を得るため、自国にとって有利なナラティブを広めるための認知戦を行なう。ロシアは自国に有利なナラティブを拡散する以外にも、サイバー空間を通じて米国大統領選挙に介入するなどの影響工作も活発に行なっている。中国はこれまで世界各国で中国に対する支持を得るための認知戦・影響工作を展開してきたが、その活動に変化が生じるかもしれないと分析されている。中国は台湾総統戦や統一地方選挙に介入してきたが、2024年1月の台湾総統戦に向けて行なっている認知戦の内容や手段に変化が見られる。また、米国では、中国が初めて米国大統領選挙に介入するのではないかと警戒されている。本報告では、どのような情勢が中国の認識とそれに基づく認知戦を変化させたのかを読み解く。

Presented by : 本川 祐治 (株式会社日立システムズ ビジネスクラウドサービス事業グループ 技師長) 布広 永示 (東京情報大学 学長) 小原 凡司 (笹川平和財団 安全保障研究グループ 上席フェロー)

レポート

  • CODE BLUE当初からの理念
    • 緊急事態の際に世界の技術者を緊急招集出来るように
  • 上記理念に共感し、日立グループは協賛し続けている
  • セキュリティに係る人が繋がるのは大事

11年間継続してきたセキュリティ人材育成の取り組み

  • アジェンダ
    • 産学連携の背景と概要
    • サイバーセキュリティの人材育成
    • 産学連携の今後の展開
  • 東京情報大学
    • 総合情報学部
      • 文理融合の多彩な情報を学ぶ
    • 看護学部
  • 産学連携の背景と概要
    • 企業や政府機関に対するサイバー攻撃や事故が大きな社会課題になっている
    • サイバー攻撃を受けた後に何をすれば良いか判断出来る人材の不足が問題になった
    • 大学のセキュリティ教育は理論が中心で、実践的な内容が不足
    • 企業の現場で起きている問題を活用して実践的な技術を学ぶことが必要
  • 実際に行った取り組み
    • 2012年
      • 株式会社日立システムズ(HISYS)と東京情報大学(TUIS)が連携して、教育プログラムやサイバーセキュリティに関する研究を開始
    • 2017年
      • 人材育成の連携を強化するため、サイバーセキュリティに関する研究や人材育成に向けて包括連携協定を締結
      • 2018年までに即戦力となる人材を300名育成することを目指した
      • 2012年〜2023年の間にサイバーセキュリティ講座の単位を取得した学生者数は約400名
  • サイバーセキュリティの人材育成
    • まずは認知度向上(2012年)
      • 動機付け
      • 充実感
      • 学習意欲
        • システム開発やデータ解析、AIなど幅広い情報技術との関連性を伝える
    • 教育プログラムの設置
      • 公開セミナー
        • マルウェア動的解析
      • 単位認定講座
        • セキュリティ・インシデントレスポンス概論
        • CSIRTの役割とインシデント発生時の対応フローや事前準備が学べる
        • この講座を受けた腕試しとして、学生にはMWS Cupなどにも挑戦してもらった
      • セキュリティコンテスト
      • 上記を行う中で、計画したスケジュールではMWS CupやSECCONにも参加出来るようにしていた
  • 産学連携の今後の展開
    • 大学→日立へ
      • 人材の輩出
      • 研究活動の推進
      • 教育研究環境の整備
    • 日立→大学へ
      • 講師派遣
      • 研究課題の提示
      • 研究サポート
      • 研究成果の実証
    • 共同での取り組み
      • 教材開発
      • 技術力の評価基準の設定
      • 研究成果の共有
    • 関連技術の横断的な技術教育プログラムの実施

中国の認知戦の変化とその背景

  • 小原氏は日立システムズが作成しているシステムの開発に協力している
    • 昔はヘリに搭載されていたコンバットシステムの開発・保守を行なっていたが、それも約30年前の話
    • では何故、今システム開発に協力しているのか
  • 中国の長期的投資
    • 合理的に考えれば、短期間で軍事能力を行使することは考えづらい
    • 何故なら、現在中国は長期的な投資を行なっているから
      • しかし、これは表向きなもの。自分たちのナラティブ(物語)を拡げるため
    • ではデジタルの状況は?
      • メディアを使って周辺諸国を巻き込んでいる
      • 日本は巻き込まれていない
    • 中国は中央アジアにお金を使っている
  • 中国の認知戦(地面戦、サイバー空中戦)
    • 最近台湾に関する認知が変わってきている
      • 最近中国は「物理的交流」にお金を割き、対面での認知共有を進めているという噂もある
    • 以前は「台湾は中国の一つ、仲がいい」というアピール
    • しかし、最近は台湾が統一出来そうにないから武力行使を始めようとしている
    • そして、官製メディアやSNSを使ってアメリカに対する信頼を失墜させようとしている
      • SNSでアメリカを貶めるような様々な情報が
      • 民進党がアメリカに土地を売ろうとしている〜といった話もある
    • 中国の「平和的な手段」は我々が思っているものではなく、武力を用いるものも含まれるのではないか
  • 囲碁を打つ中国
    • 杭を打って囲んだ土地を占有しようとしているのではないか
      • BRICS
    • アメリカでは、ウクライナ、イスラエルに次いで台湾で戦闘が行われるのではないか、とされている
      • アメリカは新しいICBMの開発を進めている
  • 米国を見切った中国のデカップリングの決意
    • 中国が、アメリカは中国と関係改善したくないのではないか、と思っているのでは
    • アメリカの権威、民主主義に対する信頼を毀損
  • 中国の危機感とサイバー活動
    • 初めて米国大統領選挙に介入するか?
    • 災害時のディスインフォメーションは拡散されやすい
      • ハワイ・マウイ島の山火
        • 当初、中国の関与からバイデン政権の関与へ
    • 碁盤をひっくり返すまでには至らないが、より積極的に米国弱体化のための行動採用

感想

大きく2つのセッションがありました。

1つ目はセキュリティ人材育成における産学連携の話、2つ目は昨今の中国の認知戦の変化について。

セキュリティ人材育成における産学連携のセッションは特に聴き入ってしまいました。私も知り合いの情報系学生から「講義では実践的な内容が学べない」という話を聞いていたため、背景や取り組みにとても共感しました。理論を学ぶことはもちろん大事ですが、実際に手を動かして学習したいものですね。

中国の認知戦の変化については、特にディスインフォメーションの文脈が興味深かったです。私も普段から何か情報を入れる時はいくつかのソースを調べて裏取りを行うように意識しています。このような問題に対しての個人の対策としては情報リテラシーの向上が肝要だと私は考えます。

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