Amazon QuickSight 折れ線グラフの予測機能と設定値について
私は複数の AWS アカウントの利用費を横串で分析するためのツールとして Amazon QuickSight を利用しています。 今回は QuickSight の予測機能を利用して今後の利用費を予想してみてわかったことを共有します。
オレンジ色の箇所が予測されたグラフです。こんなグラフを生み出す方法と、設定値について紹介します。
予測機能を使うにあたり以下のリンクが参考になりました。
- Amazon QuickSight を使用した予測と What-If シナリオの作成 - Amazon QuickSight
- How forecasting and what-if analysis works in Quicksight? - Data Pivotal
元となるデータの説明
直近 1 年分の AWS 利用費のデータを対象に今後の利用費を予測してもらいます。左側のテーブルで表示している内容を折れ線グラフにしたものが右側のグラフです。
QuickSight のグラフでよく見かける予測機能は折れ線グラフのみをサポートしています。面グラフなどでは利用できません。
予測の追加方法
グラフ右上の三点リーダから予測を追加を選択します。
オレンジ色の線が追加された予測の箇所です。
画面左側に予測のプロパティが表示されます。値を変更するとどうなるのか試してみました。
予測間隔
予測間隔はドキュメントによると予測の推定範囲の設定とのことで、要はグラフの薄オレンジ色の幅が変化します。値が大きいと幅が広くなり、小さいと狭くなります。
デフォルトの設定値である予測間隔 90 の幅がこの程度です。最大は 95 です。
予測間隔の最低値 50 にした幅がこのくらいです。狭くなりましたね。
推定の幅が狭いから予想精度が高いわけでもなく、ただの見た目の違いだけなのではないのかというのが感想です。そのため、デフォルト値が 90 とほぼ最大値の値が設定されているものと思われます。
期間を進める
期間を進めるはオレンジの線の予測期間を指定できます。
期間を 2 指定で、2 か月先までの利用費を予測しています。
期間を 12 指定に変更しました。1 年先までの料金を予測しています。 ずいぶん単純な右肩上がりの予測なんだという感想でした。調べてみるとグラフの期間に応じて予測するとのことです。グラフは直近 1 年の利用費を表示していましたので期間を伸ばしてみます。
過去 3 年分の利用費を表示してみると予測の結果も変化しました。予測で 2 回跳ねているところは過去に 2 度利用費が跳ねたいましたので、そこを踏まえた予測なんでしょうね、面白いです。
予測の期間を 12 から 2 へ短くしても予測の結果には変化はありませんでした。あくまでも過去の期間に基づく予測を表示しているだけのようです。
予測させるために与える期間は予測の設定ではなくグラフ側の設定です。私がよく使っている直近 1 年のフィルタ設定です。今月分のデータは除くために最後を除外設定を利用しています。
予測のために与えるデータの期間はある程度長めにとった方が良さそうという感想です。
予測の最小値
今回は利用費の予測をしているため、利用費が 0 を下回ることはありえないため予測の最小値を 0 と設定しました。
適当なデータを入れて利用費の予測でマイナスを予測したときの例です。
最小値を 0 にすると予測結果に変化がありました。利用費がマイナスになる予測はしなくなったため、予測するデータによって設定は入れた方が好ましいですね。
その他
予測を示すオレンジ線の色は変更できませんでした。予測ではなく実際の値を表示している折れ線グラフの色は変更できます。
おわりに
折れ線グラフでしか予測を利用できないことを知らずに QuickSight 歴が 1 年を経ちました。予測とはどこから設定するのかと思いながらグラフ作りをしていたのですが、折れ線グラフがキーだとは気づきませんでした。