【Contacts IoT】コンタクトレンズの着脱を検知する方法について考える
はじめに
テントの中から失礼します、CX事業本部のてんとタカハシです!
コンタクトレンズ使用者を眼障害から守ることを目的として、コンタクトレンズの着脱管理を行う IoT プロジェクトを進めています。 プロジェクトの概要については、下記の記事をご参照ください。
本プロジェクトに関する記事の一覧は下記のページにまとまっています。
本記事では、コンタクトレンズの着脱を検知する方法について考えていきます。
検知する方法を順繰りに考える
最終的な結論の形:<対象物>が<とある状態の場合>を<着脱>として検知する
検知の対象物
まず最初に検知する対象物を考えていきます。
コンタクトレンズを使用する際の登場人物は下記の4つになると思います。
- 目
- コンタクトレンズ
- コンタクトケース
- 洗浄液
この中からコンタクトレンズの着脱が検知できそうなモノは「コンタクトケース」だと考えました。
コンタクトケースの状態
次に、コンタクトケースの状態に着目して考えてみます。
そのためには、コンタクトケースの使用方法やケアの仕方について正しく理解する必要がありそうです。下記の動画がとても分かりやすく参考になりました。
コンタクトケースは、コンタクトレンズ着用時・未着用時で状態が変わります。
コンタクトレンズ着用時
- コンタクトケースの中には何も入っていない
- コンタクトケースのキャップは開けられている
- コンタクトケースが洗浄されていて、(自然乾燥するまで)濡れている
コンタクトレンズ未着用時
- コンタクトケースの中にコンタクトレンズと消毒液が入っている
- コンタクトケースのキャップが閉められている
- コンタクトケースの外側は濡れていない(自然乾燥した)
コンタクトケース自体の状態変化によって検知する案
上記から、コンタクトケースの中に入っているものや、キャップの開閉などの状態に違いがあり、これを検知することで着用中かどうかを判別できそうです。が、コンタクトケースは毎回洗浄する必要があること、濡れたまま自然乾燥させる必要があることの2点が気がかりです。
コンタクトケースに何らかのセンサを取り付けた場合、強い防水機能が必要になって難易度とコストが上がります。また、コンタクトケースは1~3ヶ月を目安に交換する必要があるため、単価が比較的高くなるセンサ付きのコンタクトケースを作るのはあまり現実的では無さそうです。
ソフトコンタクトレンズケースはだいたい1~3か月を目安に新しいものに交換してください。見た目に問題がなかったとしても、使用によってできた細かなキズに汚れ・細菌が付着したり、洗面所などに生息する感染症の原因となる微生物がレンズケースに付着する可能性も考えられるためです。
コンタクトレンズのアキュビュー® > コンタクトレンズケースのケア方法について
コンタクトケースの存在有無を検知する案
少し目線を変えて考えてみました。コンタクトレンズ未着用時は、コンタクトケースのキャップが閉まっており、濡れていることはありません。そこで「コンタクトレンズ未着用時のコンタクトケースのみ」を対象に何らかの状態を検知して着脱を判断できるか考えてみました。
案としては、コンタクトケースを格納する検知用ケース(もしくは土台)を作成して、そのケースの中にコンタクトケースがあれば未着用、無ければ着用中と判断します。
この検知用ケースを使用した場合の流れは下記になります。
コンタクトレンズを取り外す時
- コンタクトレンズを目から取り外す
- コンタクトレンズを洗浄液で洗う
- コンタクトレンズをコンタクトケースに入れてキャップを閉める
- コンタクトケースを検知用ケースに入れる → ここで未着用になる
コンタクトレンズを着用する時
- 検知用ケースからコンタクトケースを取り出す → ここで着用中になる
- コンタクトケースからコンタクトレンズを取り出す
- コンタクトレンズを目に着用する
- コンタクトケースを洗浄する
- コンタクトケースのキャップを開けたまま自然乾燥させる = 何にも入れずティッシュ等の上で放置する
この方法では、「コンタクトレンズ未着用時のコンタクトケース」の存在有無を判断するだけでよく、防水やコンタクトケース本体の交換を考慮する必要が無くなり、検知の仕組み自体もかなりシンプルです。少しちゃっちい感じもしますが、実際の使用には特別問題なく、手間もほぼ変わりません。
結論
- <コンタクトケース>が<検知用ケースにある場合>を<未着用>として検知する
- <コンタクトケース>が<検知用ケースにない場合>を<着用中>として検知する
本プロジェクトでは、上記の検知方法で作業を進めていこうと考えています。
存在有無を検知する具体的な案
プロジェクトのメンバー同士で具体的な検知方法について検討したところ、下記6つの案が出ました。
ボタン
コンタクトケースを検知用ケースに格納する際、コンタクトケースの端がボタンに当たるようにして、検知する方法です。
重さ
感圧センサで重さを測定して、コンタクトケースの有無を検知する方法です。
色
カラーセンサで色を判別して、コンタクトケースの有無を検知する方法です。対象物はコンタクトケースのキャップになります。コンタクトケースのキャップにはピンクや青、緑などの濃い色が使われていることが多いため、その特性を活かします。
距離
距離センサで検知用ケースの上部から下部までの距離を測定して、コンタクトケースの有無を検知する方法です。
カメラ
カメラで検知用ケース上部から下部を映して、下部に描いている特定のマークが見えるかどうかで、コンタクトケースの有無を検知する方法です。
RFID
下記の記事を参考にした案です。
検知用ケースの上部にアンテナ、下部にタグを配置して、タグを読み込めるかどうかで、コンタクトケースの有無を検知する方法です。電波が水に吸収される特性を活かしています。ただ、実際はコンタクトケースに入れるのは水ではなく洗浄液であり、かなり少量であることから実現可能かは検証する必要があります。
おわりに
上記に記載した具体的な案を基に、実際にセンサを使って検知可能かどうかを検証していきます。検証する際の過程も記事にしていく予定なので、興味がある方は読んで頂けると嬉しいです。
今回は以上になります。最後まで読んで頂きありがとうございました!