コンタクトレンズ使用者を眼障害から守る!失明や視力低下などのリスクをコンタクトレンズの着脱管理で防止する IoT プロジェクトを始めてみた

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はじめに

テントの中から失礼します、CX事業本部のてんとタカハシです!

コンタクトレンズ使用者を眼障害から守ることを目的として、コンタクトレンズの着脱管理をする IoT プロジェクトを始めてみました。

プロジェクト発足のきっかけは、私が所属している CX 事業本部の Team IoT 内で「IoT を活用したサービス・プロダクトを作りたいよね」という話があり、それに乗っかる形でコンタクトレンズの着脱を管理するプロダクトを提案致しました。結果として、興味を持ってくれたメンバーが集まり、プロジェクト発足という流れになりました。

今回の記事はプロジェクトの紹介になります。どんなモノをどうして作るのか、興味がありましたら、是非最後まで読んで頂けると嬉しいです。

なぜこれを作るのか

発想の起点

私自身、コンタクトレンズを中学生の時から使用しています。今までコンタクトレンズを使用していて、大きなトラブルを起こしたことは無いものの、誤った危険な使い方をして、目を痛めたり、充血させてしまったりしたことは何度もありました。

その誤った使い方とは主に下記の3つです。

  • コンタクトレンズを着用したまま寝てしまう
  • コンタクトレンズを長時間着用してしまう
    • ソフトレンズは12時間、ハードレンズは16時間までの使用が目安です
  • 使用期限が切れたコンタクトレンズを使い続けてしまう
    • コンタクトレンズには2週間や1ヶ月毎に新しいものに変える必要のあるタイプがあります

同じようなことをついついやってしまったことがあるという方も多いのではないでしょうか。

このような誤った使い方を IoT で未然に防ぐことはできないかと考えました。何らかの方法でコンタクトレンズの着脱を検知して、誤った使い方をしていたら、アラートするといったシステムです。

では、このシステムを作る必要性がどれだけあるのでしょうか。重要なポイントである下記2点についてご説明致します。

  • コンタクトレンズ使用に伴う危険性がとても高いこと
  • コンタクトレンズ使用者は年々増加傾向にあること

コンタクトレンズ使用に伴う危険性

改めて、コンタクトレンズの誤った使い方によって、どんな危険性があるのかを調べてみたところ、「コンタクトレンズ眼障害」というキーワードが見つかりました。今まで危険があるとは分かっていたものの、こういった名前の障害があること、またどのようなことが自分の目に起きて、どうなってしまうのかまでは、恥ずかしながら殆ど知りませんでした。

コンタクトレンズ眼障害

コンタクトレンズ眼障害とは、コンタクトレンズの使用に伴って発生する目の障害です。誤った使い方をしていると、失明や視力低下、ドライアイなど様々な症状が発生します。

正確な情報は日本眼科医会が平成16年に出した下記の資料が参考になります(資料には症状が悪化した方の写真が多数掲載されていますので、苦手な方はご注意ください)。

日本眼科医会 - コンタクトレンズ眼障害 放置すると失明の可能性も 〜装用者の10人に1人が眼障害!〜

また、誤った使い方によって起こるリスクについて説明されている下記のページも参考になります。

オガタ眼科クリニック - コンタクトレンズを着けて寝ることのリスク

先ほど挙げた3つの誤った使い方を続けてしまうと、下記が起こり得るようです。

  • 角膜内皮細胞が減少する
  • 感染症を起こす

角膜内皮細胞が減少する

角膜が酸素不足になることでダメージを受け、角膜内皮細胞が減少します。そして、この角膜内皮細胞は二度と再生することはありません。角膜内皮細胞が大幅に減少すると、将来的に白内障の手術が受けれなくなる可能性があります。

白内障とは、目の中の水晶体が濁ってしまう病気で、加齢によって発症するケースが多いです。なんと80代以上の高齢者では、殆どの方に白内障の症状が発見されるとのこと。白内障が重症化すると手術が必要になるのですが、角膜内皮細胞が大幅に減少していると手術が受けれなくなり、最悪失明に至る危険性があります。

感染症を起こす

コンタクトレンズに着いた汚れが原因で感染症を起こすことがあります。重症化した場合には失明に至る危険性があります。

コンタクトレンズ使用者は年々増加傾向

上記で説明した危険性と隣り合わせの方はどれだけいらっしゃるのでしょうか。コンタクトレンズ使用人数について調べてみました。

コンタクトレンズ使用者は2,000万人を超えた

国内最大手のコンタクトレンズメーカーである株式会社メニコンが公開している資料には、年々コンタクトレンズ使用者が増えていて、2010年の時点で2,000万人を超えたと記載があります。それから10年経過しているので、現在は更に多くの方がコンタクトレンズを使用していると予測できます。

株式会社メニコン - コンタクトレンズ博物誌 その18

高校生の30%がコンタクトレンズを使用する時代

日本眼科医会が2018年度に行った「学校現場でのコンタクトレンズ使用状況調査」の結果を見ると、高校生の約30%がコンタクトレンズを使用しているようです。また、2000年から2018年までの推移を見ると、コンタクトレンズの使用者が年々増加傾向にあるようです。

コンタクトレンズ…使用率は高校生27.5%、中学生8.7%

市場調査では10年間で1.5倍増

コンタクトレンズ市場調査の結果が日本コンタクトレンズ協会のHPで確認できます。

日本コンタクトレンズ協会 - マーケットサイズ

2010年には1,690億円の規模でしたが、2019年になると2,570億円まで伸びています。10年間で約1.5倍増加ということになります。

増加傾向になっている原因

コンタクトレンズ使用者が増加傾向にある原因の1つとして、スマホや携帯ゲーム機などの長時間利用が考えられています。

日本経済新聞 - 小学生の視力低下止まらず 1.0未満が30.9%に スマホなど原因か

また最近では、目が悪いといった理由だけではなく、おしゃれ目的でカラーコンタクトを着用する方も多くなっていると思います。

こうした時代背景もあり、コンタクトレンズ使用に伴って、目のトラブルを起こすケースも年々増えているのではないかと容易に想像できます。

以上を踏まえて、今回のプロジェクトで作るシステムは大きな問題を解決できる可能性があり、コンタクトレンズ使用者にとっての必要性も高いものであると考えています。

プロジェクトの紹介

ここからは今回作るシステムの詳細などを紹介します。

システム構成

コンタクトレンズの着脱を検知して、クラウドにデータを溜め込み、スマホで可視化及び、アラートします。細かい構成はこれから考えていきます。

システムの機能

現時点では下記2点の機能を考えています。

  • アラート機能
  • 着用データの可視化及び、目の健康状態を表示

アラート機能

コンタクトレンズの使用状況に問題が発生する前に、アラートを発して、目の健康状態を守ります。

  • 深夜の12時を過ぎてもコンタクトレンズを着用している場合
  • コンタクトレンズの着用時間が12時間を超えそうな場合
  • コンタクトレンズの使用期限が超過しそうな場合

着用データの可視化及び、目の健康状態を表示

コンタクトレンズの使用状況を可視化することで、使用者に対して目の健康状態を意識させます。目の健康状態をひと目で分かるようにすることで、適切な使い方をするように促す効果があると考えています。

  • 毎日のコンタクトレンズ着用時間をグラフで表示
  • コンタクトレンズ着用平均時間を表示
  • 週何回、月何回コンタクトレンズを着用したかを表示
  • 上記のデータを基に目の健康状態を表示する

メンバー(あいうえお順)

今のところメンバーは3人です。頑張っていきまっしょい!!

ルール

  • 各自やれる時に作業を進める = ベストエフォートで頑張る
  • 一旦の締め切りは3月末とする
  • プロダクトマネジメント入門を参考にプロジェクトを進める(どこまで沿ってやるかはやりながら決める)
  • 収益化どうこうはあまり気にしない
  • 作業工程をブログに書く

当面の目標

どうやってコンタクトレンズの着脱を検知して、どうクラウドにデータを溜め込むかを設計、実装することを目標に進めていきます。それ以降については、進めながら決めていこうと思います。

おわりに

私自身がコンタクトレンズを使用しているため、こんなシステムがあったら良いなと思っての提案でしたが、改めて色々調べてみると、自分が思っていた以上に重大な問題を解決できる可能性があるんじゃないかなと考えています。

今回のプロジェクトで、コンタクトレンズ使用者が健康かつ安心して日々を過ごすことができるシステムを作れるように頑張ろうと思います。最終的にどれだけのモノが作れるかは正直分からないですが、クラスメソッドのカルチャーである「やってみる」マインド先行タイプで突き進もうと思います。

開発の過程はその時々で記事にしようと思っていますので、興味がある方は是非楽しみにお待ちください。

今回は以上になります。最後まで読んで頂きありがとうございました!