【事例紹介】生成AIで長期的な企業価値を導き出した Quantiphi社 の実例 CT135 #GoogleCloudNext
セッションの要約
このブログでは、Quantify社の実践から学ぶ、生成AIを活用し企業価値を高める方法をご紹介します。
Quantify社は、10年以上にわたりAIとデータサイエンスを駆使し、多岐にわたる業界で2500ものAIシステムを構築してきました。
生成AIの活用は、単に業務プロセスを効率化するだけでなく、企業の成長を加速させ、市場シェアを拡大し、コストを最適化する効果があります。
具体的な事例としては、Insilico Medicine社(生成AI主導のバイオテクノロジー企業)が生成AIで設計した医薬品のFDA試験を従来の方法よりも速く完了させ、GE Appliances社が生成AIによる顧客サポートを実現し、Priceline社(オンライン旅行会社)がAIアシスタントで顧客の旅行計画時間を節約したことが挙げられます。
さらに、Quantify社自身のAccelerateプラットフォームを通じて、バグ解決のスピードアップとコード生成の効率が大きく向上しました。
このように、生成AIを戦略的に活用することで、ビジネスは成長し続けるとともに、市場での競争力を高めることができます。生成AIは、現代ビジネスにとって変革的なツールであり、その可能性を最大限に引き出すことが、今後の成功への鍵となると強く語っていました。
セッション内容
Quantiphi社のAI事業の変遷
Quantiphi社は、10年以上前に応用AIとデータサイエンスの分野でスタートしました。
当時、AIはまだ多くの分野で未開拓とされており、Quantiphi社はその革新的な取り組みで変わり者と見なされていたようです。
しかし現在では、Quantiphi社は9つの業界において約400の顧客に対しておよそ2500ものAIシステムを構築し、「AI革命」の中心的存在になったようです。
登壇された同社CEOのAsif Hasan氏は、これまでの経験を踏まえ、企業価値を高めるためにAIをどのように活用していくかを紹介しました。
Google Cloudとの関係
Quantiphi社は、AIをデジタルエンジニアリングの一環と位置づけ、機械に「聞く、感じる、理解する、そしてパターンを認識する」という能力を与えることで、ビジネスの単位経済を改善しています。
現在では3500人のグローバルチームを擁し、ボストンに本社を置くQuantiphi社は、Google Cloudと8年間のパートナーシップを築き、その間に「パートナー・オブ・ザ・イヤー」を13回受賞しているようです。
生成AIの重要性
生成AIがビジネスにとってなぜ重要かを理解するには、1960年代に始まった半導体革命を理解する必要があると言います。
この革命によりコンピューティングコストが大幅に下がり、ビジネスの問題解決方法が変化しました。
インターネット革命を経て、デジタルコンテンツの配信コストがほぼゼロになり、GoogleやMetaなどの巨大企業が誕生したと言っておりました。
また、UberやAirbnbのような企業は、物理的な資産を持たずに巨額の価値を生み出していて、生成AIは、これまで人間が行っていた認知的作業のコストを削減し、ビジネスの変革と価値創出を加速しているのだとAsif Hasan氏は言います。
企業価値の向上とAIの具体例
AIの活用例として、Insilico Medicine社(生成AI主導のバイオテクノロジー企業)が伝統的な方法よりも3分の1の時間でFDAトライアルを進めたこと、GE Appliances社が故障時の遠隔トラブルシューティングを可能にしたこと、そしてPriceline社がAIアシスタントでユーザーの旅行計画時間を短縮したことなどが紹介されました。
コスト最適化では、AIを使用して広告コピーの規制遵守確認時間を削減した富裕層向け管理会社や、法的書類の処理時間を短縮したカナダの医療システムの例が挙げられました。
Quantiphi社による「Accelerateプラットフォーム」は、コード生成における生産性向上を実現しました。
マイクロソフトの研究により、支援コーディング技術が生産性を56%向上させる可能性が示唆されており、Quantiphi社のプラットフォームではバグ解決時間を33%短縮し、コード生成を60%効率化できたようです。
セッションまとめ
IT業界の人材不足が大きな制限要因となっている中で、Quantiphi社のような企業が人員増加なしにビジネスを拡大できることは、企業にとって大きな進歩を意味します。
生成AIを活用することで、企業は成長を加速させ、顧客との関係を強化し、市場シェアを獲得し、コストを最適化することが可能になります。
Quantiphi社の事例からわかるように、生成AIはビジネスにとって大きな価値をもたらし、新たなビジネスモデルの創出や既存ビジネスの効率化に寄与していると言えます。
まとめ
今回のセッションもアーカイブに残らない事例を交えたセッションでした。
内容としては、生成AIの具体的なビジネスへの応用例が挙げられ、これらの例は、AIが企業の成長戦略やコスト削減の取り組みにどのように貢献しているかを示すものでした。
特に、コード生成における生産性の向上は、ソフトウェア開発の分野におけるAIの可能性を大きく示してくれました。
繰り返しになりますが、Quantiphi社のようなAIブームが始まる前から、AI事業に携わっている企業から生の声を聞けるのはとてもありがたく、Next現地参加の特権だと思います。