FSx for Windows File Server の Single-AZ 1 と Single-AZ 2 の違いを調べてみた

2022.02.23

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Amazon FSx for Windows File Server の Deployment Type Single-AZ 1 と、Single-AZ 2 の違いを確認する機会がありましたのでまとめました。結果、過去のアップデートを振り返ることになりました。

要点まとめ

  • Single AZ から Multi AZ へ Deployment Type の変更不可
    • 逆も同様に変更不要
  • Single AZ 単体で起動している FSx for Windows に SLA 定義はない
  • Single-AZ 2 は DNS名と、Windows Remote PowerShell エンドポイントの値が異なる
    • マウント先のホスト名と、リモート接続先のホスト名が違うので注意
  • 現時点で Single-AZ 1 を選択する理由は DFS レプリケーションを使いたいときのみ
    • 基本は Single-AZ 2 か、Multi-AZ タイプで検討

Single-AZ 1 と 2 の違い

Single-AZ 1 と 2 の違いを調べるには以下のリンクが有用でした。

Availability and durability: Single-AZ and Multi-AZ file systems - Amazon FSx for Windows File Server

前提として、Single-AZ のファイルシステムの中ではSingle-AZ 2が最新世代です。末尾の数字の意味は世代数でした。

  • Single-AZ 2 は SSD と HDD ストレージもサポート
    • Single-AZ 1 は SSD ストレージのみサポート
  • DFS レプリケーションは Single-AZ 1 のみサポート
  • CA Share は Single-AZ 2 のみサポート

  • Single-AZ 2 は 1つのENI に2この IP アドレスを持つ

違いを個別にみていきます。

HDD ストレージオプション

Single-AZ 1 は HDD ストレージの選択はグレーアウトされていました。

HDD ストレージは2020年3月に追加されたオプションでした。

東京リージョンに FSx for Windows File Server が来たのは2019年3月のこと。

Amazon FSx for Windows File Server がアジアパシフィック (東京) リージョンで利用可能に

なお、ストレージタイプの変換には対応していません。

DFS レプリケーション

同じ共有フォルダを複数のファイルサーバで冗長化するような仕組みですが、この機能は前世代の Single-AZ 1 のみサポート。 昔は Multi-AZ タイプが存在していなかったため、冗長化必須なら Single-AZ 1 を別々の AZ に作成して DFSレプリケーションしていたようですね。

歴史的な背景があっての DFS レプリケーションでしたので、現時点で冗長化を検討するなら Multi-AZ タイプを選択するのがベターです。

Sigle-AZ から Multi-AZ タイプへの変更はサポートされていません。逆も然りですので冗長化が必要かは構築前に検討しましょう。

Single-AZ 2 の SLA は?

FSx for Windows File Server で SLA の条件に Multi-AZ か、Single-AZ かつ別々のAZのレプリケーションを行ってる場合と記載がありました。つまり、単体で起動している Single-AZ のタイプに SLA は存在していない。SLA の要件がある場合は Multi-AZ タイプの利用を前提にお考えください。

(ii) Amazon FSx for Windows File Server multi-AZ file system or replicated pair of single-AZ file systems in separate AZs

Amazon FSx Service Level Agreement

CA Share

SQL Server のデータファイルストレージとして利用するなら、CA Share サポートしている Single-AZ 2 か Multi-AZ を選択。

高可用性 SQL Server のストレージとしてサポートされました

IPアドレス

Single-AZ 2は IPを2つ持つことの利点までわかりませんでした。利用者視点での違いは「DNS名」と「Windows Remote PowerShell エンドポイント」の値が異なる点かと思いました。

Single-AZ 1の場合

ホスト名が同じです。

マネコンに表示されているIPアドレスと同じ値が返ってきます。

Single-AZ 2の場合

ホスト名が異なります。気にすら留めていなかったので同じ文字列の羅列かと勝手に思っていました。

DNS名のIPアドレスがマネコンに表示されている値と同じです。Single-AZ 1 との違いは PowerShell でリモート接続用の口が別の IP で用意されるようになっていました。

ENI は1個なのでプライマリとセカンダリの IP を確認しました。意外とセカンダリの IP がマネコンに表示されている DNS 名の IP でした。

おわりに

Single-AZ 2 タイプの FSx for Windows File Server の設定変更のために PowerShell でリモート接続したくてもできなくて、ログイン用のドメインユーザーの問題かとAD側を疑っていました。原因はリモート接続用のホスト名が別に存在していたことでした。Single-AZ 1のときはDNS名でリモート接続できていたので違いに気づきませんでした。ということを書き残すついでに違いを調べました。