EC2 Dedicated Hosts(専有ホスト)の料金まとめ

EC2 Dedicated Hosts(専有ホスト)の料金まとめ

2025.11.17

はじめに

こんにちは、中村です!
本記事では EC2 Dedicated Hosts(専有ホスト)を使用した際に発生する料金について、公式ドキュメントを参考にまとめてみようと思います。

Dedicated Hosts(専有ホスト)とは

Dedicated Hosts(専有ホスト)とは、専用の物理的な Amazon EC2 サーバーを指します。
特定のユースケース、特に既存のソフトウェアライセンス(BYOL)を最大限に活用したい場合や、AWS 環境の構築要件として専用物理サーバーでワークロードを実行したい場合などに推奨されています。

Amazon EC2 の料金|AWS 公式

次のようなユースケースには、専有ホストをお勧めします。
・ライセンスコストを節約する
・専用物理サーバーでワークロードを実行する
・ホストメンテナンスを AWS に任せて、メンテナンスイベントスケジュールを管理する

似た機能として Dedicated Instance(ハードウェア専有インスタンス)が存在しており、Dedicated Instance と Dedicated Hosts の違いは公式ドキュメントに以下の記載がありましたので紹介します。

項目 Dedicated Host Dedicated Instance
専用物理サーバー ユーザー専用のインスタンス容量を持つ物理サーバー 単一の顧客アカウント専用の物理サーバー
インスタンス容量の共有 他のアカウントとインスタンス容量を共有できる サポート外
請求 ホストごと インスタンスごと
ソケット、コア、ホストIDの可視性 ソケットと物理コアの数の可視性を提供 可視性なし
ホストとインスタンスの親和性 インスタンスを同じ物理サーバー上で継続的に実行できる サポート外
ターゲットを絞ったインスタンス配置 インスタンスを物理サーバーに配置する方法について、追加の可視性と制御を提供 サポート外
インスタンスの自動復旧 サポート対象 サポート対象
Bring Your Own License (BYOL) サポート対象 部分的なサポート
Capacity Reservations サポート外 サポート対象

Dedicated Hosts(専有ホスト)と Dedicated Instances(ハードウェア専有インスタンス)の主な違いは以下のとおりです。

Dedicated Hosts :「ホスト単位」で課金され、物理サーバー上でのインスタンス配置を制御できるほか、既存のソフトウェアライセンス(BYOL)を包括的にサポート
Dedicated Instances:「インスタンス単位」で課金され、インスタンス配置の制御はできず、BYOL サポートも限定的

料金まとめ

上記セクションでも触れましたが、Dedicated Hosts(専有ホスト)における請求は ホスト単位 で発生します。

請求の主な特徴

• 請求単位: Dedicated Hosts の料金は、アクティブなホストそれぞれに対してのみ発生
ホスト上で起動したインスタンスの数やサイズにかかわらず、ホストごとの請求となる

• 時間単位の従量課金: 料金は使用量に基づいた秒単位で請求され、最小時間は 60 秒
使用しなかったコンピューティング時間のコストは請求書に含まれない

• 料金の要素: 料金は選択したインスタンスファミリー(R5やM5など)、リージョン、および 支払いオプション によって異なる

支払いオプション

主要な支払いオプションは、以下の 3 つのモデルから選択できます。

1. オンデマンド料金
◦ 特徴: 長期間の契約なしに、スケールアップ/スケールダウンできる柔軟性が得られる
◦ 支払方法: アクティブなホストに対して 1 秒単位(最小時間 60 秒)で支払い、ホストを解放することで請求が終了する

<例>
リージョン:アジアパシフィック (東京)

一般用途向け 時間あたりの料金
m5 USD 6.547
m4 USD 3.122

料金 - Amazon EC2 Dedicated Host|AWS

2. Dedicated Hosts(専有ホスト)予約料金
◦ 割引: オンデマンド料金と比較して最大 70% の割引が提供される
◦ 支払いオプション:
▪ 全額前払い: 全額を一括で前払いすることで、割引額が最大になる
▪ 一部前払い: 少額を前払いし、残りの期間を割引時間単価で支払う
▪ 前払いなし: 前払いなしで、期間が終了するまでの間、時間単価が割引となる

3.Savings Plans
◦ 割引: AWS コンピューティング使用料金を最大 72% 節約できる柔軟な料金モデル
◦ 特徴: 特定のホストを契約するのではなく、一貫したコンピューティング使用量(USD/時間で測定)をコミットすることで請求額を削減

注意点

Dedicated Hosts(専有ホスト)上で Windows Server を起動する場合、追加でライセンス費用が発生する場合があるため注意が必要です。

• BYOL 利用の場合: 既存の Windows Server や SQL Server のライセンスを Dedicated Hosts に移す場合、追加のソフトウェア使用料は発生しない

• AWS 提供 AMI 利用の場合: Amazon が提供する Windows Server AMI を使用する場合、ホスト料金に加えて仮想 CPU あたり 1 時間で 0.046 USD が請求される
◦ 例として、r5.large インスタンス (2 vCPU) を実行する場合、r5 に対するホストの料金に加えて、1 時間あたり 0.092 USD のインスタンス料金(ライセンス使用料)が発生
◦ この料金は Windows Server 2012、2012 R2、2016、2019、2022 に適用

料金 - Amazon EC2 Dedicated Host|AWS

専有ホスト上の Windows Server の料金
Microsoft のライセンス条項に抵触しなければ、既にお手元にある Windows Server や SQL Server のライセンスを 専有ホストに移すことができます。ご自分のライセンスを移すだけであれば、追加のソフトウェア使用料は発生しません。

さらに、Amazon が提供する Windows Server AMI を使用して、最新バージョンの Windows Server を 専有ホストで実行できます。
(中略)
Windows Server AMI の使用料は、仮想 CPU あたり 1 時間で 0.046 USD です。
たとえば、Windows Server AMI を使用して、ホスト上で r5.large インスタンス (2 vCPU) を実行する場合、R5 専有ホストに対する料金に加えて、インスタンス料金として 1 時間あたり 0.092 USD が請求されます
すべてのリージョンでこの料金体系が一律に適用されます。

さいごに

専有ホストは様々な購入オプションが存在するため、本記事が要件に沿った利用のための一助となれば幸いです。
料金計算ツール(AWS Pricing Calculator)を活用して、事前にコストシミュレーションを行うことをお勧めします。
※セクション [テナンシー] にて専有ホストをご選択いただくことで試算が可能です

参考資料

アノテーション株式会社について

アノテーション株式会社は、クラスメソッド社のグループ企業として「オペレーション・エクセレンス」を担える企業を目指してチャレンジを続けています。「らしく働く、らしく生きる」のスローガンを掲げ、様々な背景をもつ多様なメンバーが自由度の高い働き方を通してお客様へサービスを提供し続けてきました。現在当社では一緒に会社を盛り上げていただけるメンバーを募集中です。少しでもご興味あれば、アノテーション株式会社WEBサイトをご覧ください。

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