2023年EC2 Macインスタンスのアップデートまとめ

2023年EC2 Macインスタンスのアップデートまとめ

Clock Icon2023.12.30

しばたです。

DevelopersIOではあまり話題にならないEC2 Macインスタンスですが、今年もいくつかアップデートがありましたので本記事で軽くまとめておきます。

更新一覧

What's newのページから2023年の更新でMacインスタンスに関連するものをピックアップしました。
「ソフトウェアのmacOS対応」といったものは把握しきれないため除外しています。

2023/02/03 : ルートボリュームの置き替えに対応

https://aws.amazon.com/jp/about-aws/whats-new/2023/02/amazon-ec2-mac-instances-root-volumes-quick-instance-restoration/

EC2インスタンスのルートボリューム置き換え機能自体は2021年に登場していますがベアメタルインスタンスは対象外でした。
(Macインスタンスはベアメタルインスタンスの一種です)

https://dev.classmethod.jp/articles/ec2-enables-replacing-root-volumes/

今年に入りMacインスタンスもこの機能に対応しました。
なおMacインスタンス以外のベアメタルインスタンスは変わらず非サポートなのでご注意ください。

また、過去のドキュメントを追いかけてみると2022年12月ごろにはこの機能が使える記述があったのですが、実際どうだったのかまでは確認できませんでした...

2023/03/14 : M1 MacインスタンスがOSのインプレース更新に対応

https://aws.amazon.com/jp/about-aws/whats-new/2023/03/amazon-ec2-m1-mac-instances-system-updates-mac-versions/

こちらはタイトルどおりM1 MacインスタンスがOSのインプレースアップグレードをサポートしました。
具体的な手順は以下のドキュメントをご覧ください。

2023/05/24 : M1 Macインスタンスでベータ版OSのサポートを開始

https://aws.amazon.com/jp/about-aws/whats-new/2023/05/amazon-ec2-m1-mac-instances-beta-macos-versions/

前述のインプレースアップグレード機能について、提供当初はベータ版・プレビュー版へのアップグレードは非対応でしたが、このタイミングからベータ版・プレビュー版へのアップグレードが可能となりました。

ただし、ベータ版・プレリリース版での動作は無保証であり非サポートなのでご注意ください。

2023/09/19 : M2 Pro Mac インスタンスが一般提供開始

https://aws.amazon.com/jp/about-aws/whats-new/2023/09/amazon-ec2-m2-pro-mac-instances-macos/

https://aws.amazon.com/jp/blogs/news/new-amazon-ec2-m2-pro-mac-instances-built-on-apple-silicon-m2-pro-mac-mini-computers/

本日時点の最新ハードとなるApple M2 Proチップ搭載 Mac mini (2023)をベースとした新しいインスタンスタイプが一般提供されました。
インスタンスタイプ名はmac2-m2pro.metalで、CPUアーキテクチャはarm64 (Mac-Arm)となります。

本日時点で利用可能なリージョンは

  • 米国西部 (オレゴン)
  • 米国東部 (オハイオ)

となります。

2023/10/25 : M2 Mac インスタンスが一般提供開始

https://aws.amazon.com/jp/about-aws/whats-new/2023/10/general-availability-amazon-ec2-m2-mac-instances-mac-os/

続けてApple M2チップ搭載 Mac mini (2023)をベースとした新しいインスタンスタイプが一般提供されました。
こちらのインスタンスタイプ名はmac2-m2.metalで、CPUアーキテクチャはarm64 (Mac-Arm)となります。

本日時点で利用可能なリージョンは

  • 米国東部 (バージニア北部)
  • 米国東部 (オハイオ)
  • 米国西部 (オレゴン)

となります。

2023/11/20 : Apple macOS Sonoma のサポートを開始

https://aws.amazon.com/jp/about-aws/whats-new/2023/11/amazon-ec2-mac-instances-support-apple-macos-sonoma/

本日時点で最新となるmacOS Sonoma(Ver.14系)がEC2 Macインスタンスで利用可能になりました。

現在の状況まとめ

ここまでの内容を踏まえて本日(2023年末)時点で最新の状況をまとめておきます。

インスタンスタイプ

本日時点で利用可能なインスタンスタイプは以下の通りです。

タイプ名 ハードウェア CPUアーキテクチャ CPU vCPU メモリ(GiB) 特記事項
mac1.metal Mac mini 2018 x64 Intel Core i7 12 32 唯一東京リージョンで利用可能
mac2.metal Mac mini 2020 arm64 Apple silicon M1 8 16
mac2-m2.metal Mac mini 2023 arm64 Apple silicon M2 8 24
mac2-m2pro.metal Mac mini 2023 arm64 Apple silicon M2 Pro 12 32

利用可能リージョン

以下のスクリプトを使って利用可能なリージョンを調べました。

ただし、スクリプトを実行したアカウントではオプトインしていない新規リージョンがあるため厳密に正しい結果ではありませんのでご了承ください。

タイプ名 利用可能リージョン
mac1.metal ap-northeast-1, ap-northeast-2, ap-south-1, ap-southeast-1, ap-southeast-2, eu-central-1, eu-north-1, eu-west-1, eu-west-2, us-east-1, us-east-2, us-west-2
mac2.metal ap-southeast-1, eu-west-1, us-east-1, us-east-2, us-west-2
mac2-m2.metal us-east-1, us-east-2, us-west-2
mac2-m2pro.metal us-east-2, us-west-2

前述の通り東京リージョンではmac1.metalのみ利用可能です。
残念ながら大阪リージョンでは一切利用できません。

サポートされるOS

本日時点のOSサポート状況は以下の通りです。

OS サポート状況
macOS Mojave (version 10.14) mac1.metalインスタンスのみ利用可能
macOS Catalina (version 10.15) mac1.metalインスタンスのみ利用可能
macOS Big Sur (version 11) mac1.metal, mac2.metalで利用可能
macOS Monterey (version 12) mac1.metal, mac2.metalで利用可能
macOS Ventura (version 13) 全てのタイプで利用可能
ただしmac2-m2.metal,mac2-m2pro.metalでの利用はVer.13.2以降である必要有り
macOS Sonoma (version 14) 全てのタイプで利用可能

macOS Ventura (version 13)についての記述はシンプルにハードウェアであるMac mini 2023の要求がVer.13.2以降であるためです。

最後に

以上となります。

新しいMac Miniをベースとしたインスタンスタイプmac2-m2pro.metal, mac2-m2.metalが増えたのが印象的です。
どちらもまだアメリカでしか利用できませんがいずれ日本でも使える様になるといいですね。

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